魔王が最弱でスライムが最強の世界!?

クソニート

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第2章最弱魔王はクラスメートのために頑張るそうです

第32話 森林の探索

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 サタンとアズラとメルは深い深い森林の中をあるものを探して歩いていた。そのあるものとは――草である。どうして、草を探しているのかと言うと――。


[森の奥にある伝説の薬草を採ってきてほしい]

 と、書かれた紙が人間界の町にある大きな仕事《クエスト》掲示板に貼られていた。これが人間界の仕事《クエスト》だった。

「伝説の薬草・・・? 誰か知ってるか?」

 サタンがアズラとメルに聞く。

「私は知らないです」

 メルは首を横に振って答える。

「聞いたことがあります。確か・・・そうそう、どんな病気も治す事が出来ると言われている薬草です」

 アズラが記憶を絞り出すように思い出す。

「どうして、魔界のアズラが知っていて、人間界のメルが知らないんだよ・・・」
「私は伝説の薬草なんて興味ないからです!」

 少し残念な胸をそらしながら威張るメル。

「そうかよ・・・それで、その森林ってのはどこなんだ?」
「え~っと・・・どうやらここから千キロ程離れたところに在るらしいです」

 アズラが貼られた紙を見て答える。

「千キロ!? マジか・・・じゃあ急いで行って薬草を採ってこないとな」
「はい、皆さんのため、お金のために頑張りましょう!」
「魔王と悪魔と勇者がいれば余裕です! たかが草を採るだけですし余り遅くなるとお母さんが心配しちゃいます! なのでアズラ、ワープを出してください!」
「了解です」

 メルに言われてアズラはワープを展開した。サタン達はワープに乗り人間界の町から一瞬で森林へと移動した。


 サタン達は森林を目の前にして息を呑んだ。

 森林は深々と木々が生え並び、たくさんの草花が生い茂っていた。昼間だというのに森林の中は暗く、所々から不気味な鳴き声が聞こえてくる。

「不気味な森だな・・・」

 サタンが心の声を漏らす。

「と、とにかく薬草を探しに行きましょう・・・」

 アズラは既に少し怖がっている。

「そうですよ! たかが森林です! 早く行きましょう」
「そうだな・・・」

 メルに言われてサタン達は森林に足を踏み入れた。


 森林の中をサタン達はメルを先頭にして進んでいた。

「はっ、はっ、はぁぁああ!」

 先頭に立つメルがまるで進入を阻むように生えている草木を大剣で伐り進んでいく。

「いいぞーいいぞーがんばれーメルー!」
「頑張って下さいーメルさん!」

 サタンとアズラはメルの後ろを歩きながらメルを応援した。

「・・・ってぇ~どうして私が先頭を歩いているんですかっ!?」

 メルが後ろを振り返って聞いた。

「どうしてって、お前がこの中で一番何が起こっても対応出来るからだろ? 俺だと、死なないといけないしアズラにそんな危険な役をやらすわけにはいかないからな」
「ああ、なるほど――って、理解出来ませんよ!? アズラはともかくとしてサタンあなたの理由は認められません!」
「認めてくれよ! 出来るだけ死にたくないんだよっ! 死ぬのは辛いんだよ? それに・・・俺はお前を信じてるんだぜ?」

 口調を代えてメルに言うサタン。

「サタン・・・だったらなおさら何があっても私が助けてあげますから先頭になって下さいよ? ね?」

 一瞬サタンにときめいたメルだがすぐにサタンの背中を無理やり押して先頭に行かせようとする。

「なって、く・だ・さ・い・よぉ~・・・」

 グググとサタンの背中を押すメル。

「い、いやいや・・・俺はお前を信じてるんだぞ?」

 足を踏ん張って耐えようとするサタン。そんな状況が少し続いた時、アズラが声を出した。

「止めてください二人とも! 私が先頭になりますから!」

 アズラが先頭に行くと言い出した。

「いやいや、アズラがなるくらいなら俺がなる!」
「そうですよ! アズラがなるくらいなら私が――」

 サタンとアズラとメルは今度は自分が先頭になると言って一行に前に進まない。

 このままじゃいつまでもらちが明かないな・・・仕方ない・・・

「じゃあさ、皆で横一列になって進まないか?」
「それですよ! 初めからそうしていれば良かったんですよ! では、アズラは真ん中になって下さいね」

 指をパチンと鳴らして言うメル。

「はい」

 サタンたちは右からサタン、アズラ、メルという順番で前へ進んだ。


 何事も起こらず森林の中を歩き続けた。森林の奥まで到達した時には既に日が落ち、森林の中の暗さは増していた。

「はぁはぁ・・・大分暗くなってきたな・・・」

 サタンは額から落ちてくる汗をジャージノ袖で拭った。

「怖くないかアズラ?」
「は、はぃ・・・でも・・・あの・・・手を・・・握っていてもいいですか・・・?」

 アズラはサタンに上目遣い

「あ、ああ、それは別にいいけど」
「ありがとうございます・・・では」

 ぎゅっとサタンの手を握るアズラ。サタンは少しドキドキしながら歩いた。

「まったく、こんなところでもイチャイチャですか・・・?」

 メルは呆れた口調で言った。

(ず、ずるい! アズラだけサタンと手を繋ぐなんて・・・! 私も繋げるなら繋ぎたいのに!)

 しかし、内心ではこう思っていた。

「メルも怖いならもう片方の手、空いてるぞ」

 サタンはアズラ越しにもう片方の手をメルに差し出した。

「ば、馬鹿にしないでください! 別に暗いのなんて怖くないですよ」
「そうか」

 サタンは差し出した手を引っ込めた。

(あ~もう、私の馬鹿っ! せっかくサタンと手を繋げるチャンスだったのに・・・でも、この前あんなことしちゃったから妙にドキドキしてしまって・・・)

 メルは先日、サタンの手に約束として唇で触れたことを思いだし顔を赤くした。


 サタン達は森林の奥をさらに進んだ。そして、今まで以上に草が生えている場所に出た。

「千里眼・・・」

 サタンは目を大きく見開いて草の中を探した。

「どうやらあれのようだな」

 サタンは他の草よりも一段と輝いている草を指差した。

「じゃあ、採ってきますね」

 メルが輝いている草まで軽やかに飛んでいった。

「これですねっと」

 メルは草を根もとから引き抜いた。

「よし、完了ですね・・・終わりましたよ~」

 メルが手をあげて草を引き抜いたことを見せてくる。

「よし、これで仕事《クエスト》完了だな――」

 と、その時、どこからかズシン、ズシンという大きな音が鳴り響いた。

「な、何だ!?」

 グラグラと地面が揺れ、森林中の木々から鳥型形の飛び立っていく音がする。

 サタンは辺りを見回した。
 すると、メルを背後から大きな影が包み込んだ。

「メル! そこから離れろ!」

 サタンが叫ぶ。

「え・・・?」

 メルが後ろを振り返る。

 すると、そこには一本の大きな角をデコからはやし四本足で立ち、鼻息を荒らしてメルを睨む一体の巨大な生物がいた。

「あれは――ユニコン!?」

 アズラが驚き叫んだ。

「ユニコン!? 何だそれ!?」
「あれは・・・伝説の聖獣ユニコンです」
「伝説の聖獣!?」
「はい・・・でも、どうして突然こんな場所に・・・」

 ユニコンは大きな鳴き声をあげた。森林中の空気がピリピリと震える。

「くっ・・・たかが鳴いただけで、この風圧・・・これが、伝説の聖獣・・・っ!」

 サタン達はユニコンの鳴き声だけで吹き飛ばされるようになるなんとか耐える。


 ユニコンはメルに向かって大きな角を突きだした。

「メルっ! アズラはここにいてくれ。俺がいってくる」

 変身《マキシム》・・・

「サタンさん!」 

 サタンはアズラに言うと体を蛇のようにニョロニョロにしてメルを助けに跳んだ。


「くぅう・・・」

 メルは大剣でユニコンの角を受け止めていた。が、メルの小さな体は巨体なユニコンに軽々しく吹き飛ばされる。

「キャッーー」

 メルは目を瞑って飛ばされた。

「大丈夫か、メル」

 メルは目を開けた。

「・・・な、何をしてるんですか!?」

 空中でメルはサタンにお姫さま抱っこをされていた。恥ずかしくじたばたと暴れるメル。

「ちょ、暴れるなよ、危ないだろ」
「お、降ろして下さい!」
「分かってるって」

 地面に着地してメルを腕から降ろすサタン。

「あ、ありがとうございますサタン・・・あの、重くなかったですか・・・?」

 照れながらモジモジと言うメル。

 こういうところはちゃんと可愛い女の子なんだよな~

「ああ、全然? 重たい部分なんてないしな」

 サタンはメルの体を見ながら言った。

「くっ、悔しい・・・――って、そんなこと言ってる場合じゃないですね・・・」
「そのようだな・・・」

 ユニコンは大きく吠えてサタンとメルに突進しようと足を後ろに動かし助走をつける。

「俺たちで倒すぞ・・・!」
「ええ・・・!」

 サタンは拳を構え、メルは大剣を構えた。
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