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第2章最弱魔王はクラスメートのために頑張るそうです
第33話 聖獣との戦い
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サタンとメルはユニコンの突進を交わす。
「いくぞ・・・メル・・・」
「はい・・・!」
サタンとメルはユニコンに向かっていく。
「はぁあああああ!」
サタンは右手でユニコンの右下腹を殴る。
「やぁあああああ!」
メルはサタンの逆、左わき腹を大剣で斬る。
しかし、サタンとメルの攻撃はユニコンに少しの傷も与えられなかった。
「クソっ・・・! ぴんぴんしてやがる!」
「私たちの攻撃が通ってないようですね・・・」
な~にが、俺たちで倒すぞ・・・だよ! まったく歯が立たねぇ!
サタンとメルはユニコンの元気な姿を見てがく然とする。
「・・・っくるぞ!」
ユニコンはサタンとメル目掛けて大きな体で突進する。
サタンとメルは二手に分かれてユニコンを交わす。そして、サタンはそのままユニコンの横腹に向かってジャンプする。
「魔王パンチ!」
サタンはジャンプし右手に力を込めてユニコンの右腹におもいきり拳をめり込ませた。
「っつぅうう・・・!」
しかし、ユニコンの硬い体全体をおおっている分厚い毛皮がサタンのパンチの衝撃を消す。硬い右腹におもいきり拳をめり込ませたせいでサタンの右手はジンジンと痛む。
「サタン! 退いてください!」
サタンを痛さに体を震わせているとメルがユニコンの巨体を飛び越す高さまでジャンプする。
「この一撃に・・・全身の力を――」
メルの細い腕に力が集まる。
メルは空中で体ごと回転し剣に勢いをつける。そして、そのままメルはユニコンに向かって下降する。
「大剣山《ダイケンザン》!」
メルはユニコンに向かって力の限り大剣を振り下ろした。
大剣の斬撃がユニコンの体に直撃する。振り下ろされた大剣が地面に大きな音を立てぶつかり、砂ぼこりがまう。
「やっ、た・・・!」
メルは大剣の斬撃がユニコンに直撃し、ダメージを与えたと思った――否、それはメルの思い違いだった。砂ぼこりが消え、空中からヒラヒラと何かが舞い落ちてくる。
それはユニコンの毛だった。メルが斬れたのは結局ユニコンの厚い毛皮の内の数本だけ。
「そん、な・・・」
メルは力を使い果たしその場に尻もちをつく。そこへユニコンがゆっくりと近づきメルを見下す。
「・・・っ」
メルはユニコンを見上げる。
ユニコンは右前足を高く上げメルを踏み潰そうと降ろした。
「メルっ!」
サタンは急いで腕を伸ばしてメルの体に腕を巻きつかせるとメルを引き寄せた。
「大丈夫か!?」
「は・・・い・・・なんとか・・・ですけどね・・・しばらくは動けません・・・」
大剣を支えに立ち上がろうとするメルだが手と足がプルプルと震え立ち上がれない。
「すみません・・・」
「いいから、ここで休んでろ・・・それにしてもメルの力でも毛皮を斬るのが精々とはキツいな・・・」
「はい・・・想像以上の頑丈さです」
「アイツに弱点はないのかよ・・・」
サタンが呟いた時――。
「サタンさん! メルさん!」
アズラがサタンとメルの所まで駆けてきた。
「アズラ・・・ここは危ないぞ! 何しに来たんだ!」
サタンはアズラに怒った。何故ならアズラを傷つけたくないからだ。
「私も――私もお役に立ちたいんです! だから、メルさんの事を私にお任せ下さい!」
アズラはサタンの目を真っ直ぐに見て言う。
「はぁ・・・分かった・・・メルの事を頼んだぞ!」
「もちろんです!」
サタンはため息をついてメルをアズラに任せた。
「ところで、メル・・・さっきあんなに激しい動きをしてたけど伝説の薬草はまだ持ってるよな?」
「た、確かポケットに入れたはずです――」
がさがさとポケットの中に手を入れて確認するメル。
「あれっ・・・?」
メルの表情の雲行きが怪しくなる。
「ね、ねぇ、あるんだよね、メルさん・・・」
「あは・・・あはははは・・・あ~・・・どっかに落っことしたみたいです・・・」
ポケットの袋を逆さまにして何もないというのを見せるメル。
「マジかよ!? どこに落ちてるんだ・・・?」
サタンは辺りを見回した。
「サタンさん、あそこです!」
するとアズラが先に見つけ指を差した。伝説の薬草はユニコンの足元に落ちていた。
「チクショウ・・・! よりによってあそこかよ・・・!」
「度々すいません・・・」
メルが頭を下げて謝る。
「もういいよ・・・いってくる!」
サタンは立ち上がり、ユニコンの足下へ向かって走る。
先ずは、伝説の薬草だ! 薬草をなんとかしないとここまできたのが無意味になる。
「いけえぇぇーー!」
サタンは伝説の薬草に向かって腕を伸ばした。
よし! 取った!
「アズラ、頼む!」
サタンは拾った伝説の薬草をアズラへ放り投げた。
アズラは伝説の薬草をしっかりと受け取る。
これで、後は逃げる隙を作るだけだ・・・それが一番難しいけど・・・!
サタンの前にユニコンが立ちはだかる。ユニコンはサタンをじっくりと睨む。サタンの背筋を冷たい汗が流れ落ちた。
とりあえず、やるしかねぇ!
サタンは目を瞑り、頭の中で大きな蛇を思い描いた。
「シャーーーーーッ!」
サタンは煙と共に大きな蛇となり、ユニコンの体へ巻きついた。
これでもくらえ――
そして、サタンは大蛇となった大きな牙でユニコンの体を噛みついた。ガキンという鈍い音が鳴る。
・・・イッテェーー! やっぱり硬過ぎる! もう少し大蛇となった俺の牙が折れるところだったぜ・・・!
ユニコンは体に巻きついたサタンが邪魔で振り払おうと暴れる。
サタンはユニコンに振り払われおもいきり木にぶつけられた。
「シャァ・・・!」
大蛇となったサタンの体が横たわる。
こうなったら一か八かだ・・・!
サタンは体を伸ばし今度はユニコンの尻尾におもいきり噛みついた。
・・・っ、柔らかい!?
硬いと思ってユニコンも尻尾だけは柔らかく大蛇となったサタンの牙がグッサリと刺さった。
ユニコンは尻尾を噛まれた痛みにより大暴れし、後ろ足で大蛇となったサタンを蹴飛ばした。
ク・・・なんつぅー力だよ・・・!
サタンは再び木に打ち付けられた。
けど・・・ついに、アイツに傷をつけてやったぜ! このまま、尻尾を狙い続けてやる!
サタンは元の姿を頭に思い描き元に戻った。
そして――サタンは再び目を閉じた。
今度は・・・ストラスの力だ!
サタンは梟になった自分を頭に思い描いた。背中から二本の翼がはえた姿。手と足の爪は鋭く伸び、耳はデカくなった姿。サタンの体から煙が出る。
ふー・・・出来たぜ・・・!
煙が消えると共にサタンの姿は頭に思い描いた通りになっていた。
「これが、魔柱72柱梟の悪魔“ストラス”だ!」
「あれが・・・サタンさん・・・」
アズラはサタンの姿を見て驚いた。
(蛇の姿になれるとはこの前言っていましたけどまさか、鳥の姿にもなれるなんて・・・)
アズラは鳥人間とサタンを見た。
(っ、サタンさん・・・可愛いです!)
アズラはストラスの効果で可愛くなったサタンの顔に胸を撃たれた。
「メル、剣を借りるぜ」
サタンはアズラとメルの所まで飛んでいき大剣を手にとった。
「それは・・・構いませんけど・・・気を抜かないで下さいね・・・っ!」
「分かってるよっ!」
「サタンさん頑張って下さい!」
「ああ。とっとと終わらせて早く城に帰ろう」
サタンはメルから大剣を受け取ると上空へ飛翔した。
「いくぜ、伝説の聖獣ユニコン!」
サタンは大剣を降りながらユニコンに向かって下降する。ユニコンはサタンを交わそうとするが大剣が微かに尻尾の毛皮を斬った。サタンは何度も何度も飛んでは斬るを繰り返す。
次第にユニコンの尻尾から血が出るようになりユニコンは鳴き声を大きくする。
「よし、このままこれを続け――」
サタンが大剣を構え直した一瞬だった。ユニコンはサタンのいるところまでジャンプし、サタンに巨体な体でぶつかった。
「グアァーーーーー!」
そのままサタンは飛ばされていく。
「サタンさんっ!」
「サタン!」
アズラとメルが同時に叫んだ。
「だから・・・気を付けてって言ったのに・・・!」
よろよろと立ち上がろうとするメルだが、まだ体に力が戻っていなく倒れそうになる。
「メルさん!」
倒れそうになるメルをアズラが支える。
「アズラ・・・私をサタンのいる下まで連れていって下さい・・・! お願いします・・・」
「ですが・・・」
「お願いします!」
アズラはメルの真剣な表情を見て首を縦にした。
「分かりました!」
アズラは背中から二本の黒い翼を出した。そして、メルをお姫さま抱っこした。
「私がサタンさんの所までメルさんを連れていきます」
アズラは空を飛んだ。
「クソッ・・・!」
サタンは空を延々と飛ばされていた。サタンの後をユニコンは空を蹴って追いかけてくる。
「何でもありかよ・・・! 流石、伝説の聖獣だな・・・!」
サタンは翼をばたつかせ空中でバランスをとる。そこへ、ユニコンの角が伸びてくる。間一髪で避けるサタン。ユニコンはそのまま直線へ走っていった。
「どうすれば・・・」
サタンが呟いた。その時――。
「サターーーン!」
いつの間にかサタンの真下までアズラとメルが来ていた。
「アズラ! メル!」
サタンは二人のところまで降りる。
「なんでここにいるんだ!?」
「そんなのは後です! 私を持って空高くまで飛んでください! 考えがあります!」
メルは真剣な表情でサタンに言った。
ユニコンは空中をUターンしてサタンがいた所まで戻ってきていた。ユニコンは顔をキョロキョロとしサタンの姿を探す。しかし、辺りにサタンの姿はない。
「どこを探してるんだ?」
遥か上空からサタンの声が聞こえてくる。ユニコンはサタンの姿を確認すると上空へ猛突進する。
「いくぞ、メル――」
「はい」
メルは大剣を握りしめて頷いた――。
「私が大剣山《ダイケンザン》でユニコンの尻尾を斬ります・・・!」
「メル・・・そんなことしてメルの体は大丈夫なのか?」
「はい・・・寝れば元気になるので。ただ、意識は失うと思うので帰りはおぶって下さいね・・・」
「それくらい任せろ!」
「では、いきましょう!」
サタンは手と足の爪、耳を元に戻して、背中から翼だけをはやした状態になった。
そしてメルに大剣を渡した。
「サタンさん、メルさんお気をつけて」
アズラがサタンとメルを応援する。
「一撃で決めてやりますよ・・・」
メルは親指を立てて頷く。
「じゃ、いくぞ」
「ええ・・・」
サタンはメルを持ち上げて空高く飛翔した――。
「いけえぇぇーー!」
サタンはメルをおもいきりユニコンに向けて投げた。メルはぐんぐんスピードを上げてユニコンへ向かっていく。
「大剣山《ダイケンザン》!!」
メルはユニコンとすれ違い瞬間に尻尾に向かって大剣を振り切った。ザンという音と共に大剣はユニコンの尻尾を斬りさいた。
「やった・・・!」
そのままメルと斬られた尻尾が落ちていく。メルは木や草に当たりながら地面に落ちた。
「メルさん!」
アズラがメルに駆ける。
「へへ・・・やって・・・やりましたよ・・・!」
メルはそう言うと意識を失った。
ユニコンは大きな鳴き声をあげた。尻尾からは大量の血が流れ落ちる。
今だ・・・今しかない!
サタンは無意識に手を上に伸ばして叫んでいた。
「宝石の星《スタージュエル》!!!」
すると、理屈では説明出来ない空間から無数の宝石の形をした星が出現しユニコンに降り注いだ。
「いくぞ・・・メル・・・」
「はい・・・!」
サタンとメルはユニコンに向かっていく。
「はぁあああああ!」
サタンは右手でユニコンの右下腹を殴る。
「やぁあああああ!」
メルはサタンの逆、左わき腹を大剣で斬る。
しかし、サタンとメルの攻撃はユニコンに少しの傷も与えられなかった。
「クソっ・・・! ぴんぴんしてやがる!」
「私たちの攻撃が通ってないようですね・・・」
な~にが、俺たちで倒すぞ・・・だよ! まったく歯が立たねぇ!
サタンとメルはユニコンの元気な姿を見てがく然とする。
「・・・っくるぞ!」
ユニコンはサタンとメル目掛けて大きな体で突進する。
サタンとメルは二手に分かれてユニコンを交わす。そして、サタンはそのままユニコンの横腹に向かってジャンプする。
「魔王パンチ!」
サタンはジャンプし右手に力を込めてユニコンの右腹におもいきり拳をめり込ませた。
「っつぅうう・・・!」
しかし、ユニコンの硬い体全体をおおっている分厚い毛皮がサタンのパンチの衝撃を消す。硬い右腹におもいきり拳をめり込ませたせいでサタンの右手はジンジンと痛む。
「サタン! 退いてください!」
サタンを痛さに体を震わせているとメルがユニコンの巨体を飛び越す高さまでジャンプする。
「この一撃に・・・全身の力を――」
メルの細い腕に力が集まる。
メルは空中で体ごと回転し剣に勢いをつける。そして、そのままメルはユニコンに向かって下降する。
「大剣山《ダイケンザン》!」
メルはユニコンに向かって力の限り大剣を振り下ろした。
大剣の斬撃がユニコンの体に直撃する。振り下ろされた大剣が地面に大きな音を立てぶつかり、砂ぼこりがまう。
「やっ、た・・・!」
メルは大剣の斬撃がユニコンに直撃し、ダメージを与えたと思った――否、それはメルの思い違いだった。砂ぼこりが消え、空中からヒラヒラと何かが舞い落ちてくる。
それはユニコンの毛だった。メルが斬れたのは結局ユニコンの厚い毛皮の内の数本だけ。
「そん、な・・・」
メルは力を使い果たしその場に尻もちをつく。そこへユニコンがゆっくりと近づきメルを見下す。
「・・・っ」
メルはユニコンを見上げる。
ユニコンは右前足を高く上げメルを踏み潰そうと降ろした。
「メルっ!」
サタンは急いで腕を伸ばしてメルの体に腕を巻きつかせるとメルを引き寄せた。
「大丈夫か!?」
「は・・・い・・・なんとか・・・ですけどね・・・しばらくは動けません・・・」
大剣を支えに立ち上がろうとするメルだが手と足がプルプルと震え立ち上がれない。
「すみません・・・」
「いいから、ここで休んでろ・・・それにしてもメルの力でも毛皮を斬るのが精々とはキツいな・・・」
「はい・・・想像以上の頑丈さです」
「アイツに弱点はないのかよ・・・」
サタンが呟いた時――。
「サタンさん! メルさん!」
アズラがサタンとメルの所まで駆けてきた。
「アズラ・・・ここは危ないぞ! 何しに来たんだ!」
サタンはアズラに怒った。何故ならアズラを傷つけたくないからだ。
「私も――私もお役に立ちたいんです! だから、メルさんの事を私にお任せ下さい!」
アズラはサタンの目を真っ直ぐに見て言う。
「はぁ・・・分かった・・・メルの事を頼んだぞ!」
「もちろんです!」
サタンはため息をついてメルをアズラに任せた。
「ところで、メル・・・さっきあんなに激しい動きをしてたけど伝説の薬草はまだ持ってるよな?」
「た、確かポケットに入れたはずです――」
がさがさとポケットの中に手を入れて確認するメル。
「あれっ・・・?」
メルの表情の雲行きが怪しくなる。
「ね、ねぇ、あるんだよね、メルさん・・・」
「あは・・・あはははは・・・あ~・・・どっかに落っことしたみたいです・・・」
ポケットの袋を逆さまにして何もないというのを見せるメル。
「マジかよ!? どこに落ちてるんだ・・・?」
サタンは辺りを見回した。
「サタンさん、あそこです!」
するとアズラが先に見つけ指を差した。伝説の薬草はユニコンの足元に落ちていた。
「チクショウ・・・! よりによってあそこかよ・・・!」
「度々すいません・・・」
メルが頭を下げて謝る。
「もういいよ・・・いってくる!」
サタンは立ち上がり、ユニコンの足下へ向かって走る。
先ずは、伝説の薬草だ! 薬草をなんとかしないとここまできたのが無意味になる。
「いけえぇぇーー!」
サタンは伝説の薬草に向かって腕を伸ばした。
よし! 取った!
「アズラ、頼む!」
サタンは拾った伝説の薬草をアズラへ放り投げた。
アズラは伝説の薬草をしっかりと受け取る。
これで、後は逃げる隙を作るだけだ・・・それが一番難しいけど・・・!
サタンの前にユニコンが立ちはだかる。ユニコンはサタンをじっくりと睨む。サタンの背筋を冷たい汗が流れ落ちた。
とりあえず、やるしかねぇ!
サタンは目を瞑り、頭の中で大きな蛇を思い描いた。
「シャーーーーーッ!」
サタンは煙と共に大きな蛇となり、ユニコンの体へ巻きついた。
これでもくらえ――
そして、サタンは大蛇となった大きな牙でユニコンの体を噛みついた。ガキンという鈍い音が鳴る。
・・・イッテェーー! やっぱり硬過ぎる! もう少し大蛇となった俺の牙が折れるところだったぜ・・・!
ユニコンは体に巻きついたサタンが邪魔で振り払おうと暴れる。
サタンはユニコンに振り払われおもいきり木にぶつけられた。
「シャァ・・・!」
大蛇となったサタンの体が横たわる。
こうなったら一か八かだ・・・!
サタンは体を伸ばし今度はユニコンの尻尾におもいきり噛みついた。
・・・っ、柔らかい!?
硬いと思ってユニコンも尻尾だけは柔らかく大蛇となったサタンの牙がグッサリと刺さった。
ユニコンは尻尾を噛まれた痛みにより大暴れし、後ろ足で大蛇となったサタンを蹴飛ばした。
ク・・・なんつぅー力だよ・・・!
サタンは再び木に打ち付けられた。
けど・・・ついに、アイツに傷をつけてやったぜ! このまま、尻尾を狙い続けてやる!
サタンは元の姿を頭に思い描き元に戻った。
そして――サタンは再び目を閉じた。
今度は・・・ストラスの力だ!
サタンは梟になった自分を頭に思い描いた。背中から二本の翼がはえた姿。手と足の爪は鋭く伸び、耳はデカくなった姿。サタンの体から煙が出る。
ふー・・・出来たぜ・・・!
煙が消えると共にサタンの姿は頭に思い描いた通りになっていた。
「これが、魔柱72柱梟の悪魔“ストラス”だ!」
「あれが・・・サタンさん・・・」
アズラはサタンの姿を見て驚いた。
(蛇の姿になれるとはこの前言っていましたけどまさか、鳥の姿にもなれるなんて・・・)
アズラは鳥人間とサタンを見た。
(っ、サタンさん・・・可愛いです!)
アズラはストラスの効果で可愛くなったサタンの顔に胸を撃たれた。
「メル、剣を借りるぜ」
サタンはアズラとメルの所まで飛んでいき大剣を手にとった。
「それは・・・構いませんけど・・・気を抜かないで下さいね・・・っ!」
「分かってるよっ!」
「サタンさん頑張って下さい!」
「ああ。とっとと終わらせて早く城に帰ろう」
サタンはメルから大剣を受け取ると上空へ飛翔した。
「いくぜ、伝説の聖獣ユニコン!」
サタンは大剣を降りながらユニコンに向かって下降する。ユニコンはサタンを交わそうとするが大剣が微かに尻尾の毛皮を斬った。サタンは何度も何度も飛んでは斬るを繰り返す。
次第にユニコンの尻尾から血が出るようになりユニコンは鳴き声を大きくする。
「よし、このままこれを続け――」
サタンが大剣を構え直した一瞬だった。ユニコンはサタンのいるところまでジャンプし、サタンに巨体な体でぶつかった。
「グアァーーーーー!」
そのままサタンは飛ばされていく。
「サタンさんっ!」
「サタン!」
アズラとメルが同時に叫んだ。
「だから・・・気を付けてって言ったのに・・・!」
よろよろと立ち上がろうとするメルだが、まだ体に力が戻っていなく倒れそうになる。
「メルさん!」
倒れそうになるメルをアズラが支える。
「アズラ・・・私をサタンのいる下まで連れていって下さい・・・! お願いします・・・」
「ですが・・・」
「お願いします!」
アズラはメルの真剣な表情を見て首を縦にした。
「分かりました!」
アズラは背中から二本の黒い翼を出した。そして、メルをお姫さま抱っこした。
「私がサタンさんの所までメルさんを連れていきます」
アズラは空を飛んだ。
「クソッ・・・!」
サタンは空を延々と飛ばされていた。サタンの後をユニコンは空を蹴って追いかけてくる。
「何でもありかよ・・・! 流石、伝説の聖獣だな・・・!」
サタンは翼をばたつかせ空中でバランスをとる。そこへ、ユニコンの角が伸びてくる。間一髪で避けるサタン。ユニコンはそのまま直線へ走っていった。
「どうすれば・・・」
サタンが呟いた。その時――。
「サターーーン!」
いつの間にかサタンの真下までアズラとメルが来ていた。
「アズラ! メル!」
サタンは二人のところまで降りる。
「なんでここにいるんだ!?」
「そんなのは後です! 私を持って空高くまで飛んでください! 考えがあります!」
メルは真剣な表情でサタンに言った。
ユニコンは空中をUターンしてサタンがいた所まで戻ってきていた。ユニコンは顔をキョロキョロとしサタンの姿を探す。しかし、辺りにサタンの姿はない。
「どこを探してるんだ?」
遥か上空からサタンの声が聞こえてくる。ユニコンはサタンの姿を確認すると上空へ猛突進する。
「いくぞ、メル――」
「はい」
メルは大剣を握りしめて頷いた――。
「私が大剣山《ダイケンザン》でユニコンの尻尾を斬ります・・・!」
「メル・・・そんなことしてメルの体は大丈夫なのか?」
「はい・・・寝れば元気になるので。ただ、意識は失うと思うので帰りはおぶって下さいね・・・」
「それくらい任せろ!」
「では、いきましょう!」
サタンは手と足の爪、耳を元に戻して、背中から翼だけをはやした状態になった。
そしてメルに大剣を渡した。
「サタンさん、メルさんお気をつけて」
アズラがサタンとメルを応援する。
「一撃で決めてやりますよ・・・」
メルは親指を立てて頷く。
「じゃ、いくぞ」
「ええ・・・」
サタンはメルを持ち上げて空高く飛翔した――。
「いけえぇぇーー!」
サタンはメルをおもいきりユニコンに向けて投げた。メルはぐんぐんスピードを上げてユニコンへ向かっていく。
「大剣山《ダイケンザン》!!」
メルはユニコンとすれ違い瞬間に尻尾に向かって大剣を振り切った。ザンという音と共に大剣はユニコンの尻尾を斬りさいた。
「やった・・・!」
そのままメルと斬られた尻尾が落ちていく。メルは木や草に当たりながら地面に落ちた。
「メルさん!」
アズラがメルに駆ける。
「へへ・・・やって・・・やりましたよ・・・!」
メルはそう言うと意識を失った。
ユニコンは大きな鳴き声をあげた。尻尾からは大量の血が流れ落ちる。
今だ・・・今しかない!
サタンは無意識に手を上に伸ばして叫んでいた。
「宝石の星《スタージュエル》!!!」
すると、理屈では説明出来ない空間から無数の宝石の形をした星が出現しユニコンに降り注いだ。
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