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フィオナ編

第11話 秘密の牢獄

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 船で中央大陸に到達すると、何処かの小屋まで、目隠しされて連れて行かれました。数時間もすると馬車がやって来て、私と2人の男を乗せて走り出しました。ガタゴト、ガタゴトと揺られながら、目的地に向かっているようですが、2人の男はまったく話そうとはしません。余計な会話をしないように注意しているようにも思えました。

 バーンズ「もうすぐ到着する。また目隠しをしてもらうぞ!」と黒いアイマスクを渡して来ます。ここまで来て、抵抗するほど馬鹿ではありません。下手に警戒されれば、それだけ逃げるチャンスは減ってしまいます。

 フィオナ「………。」と黙って、目隠しを受け取ると、すぐに装着しました。すぐ背後に人の気配を感じます。背中を押されたので、進めという合図かもしれません。進む方向を間違えるたびに背中を押されて、方向を修正しているようですが、もしかすると実際は同じ所をグルグルと回っているだけかもしれません。

 バーンズ「目隠しを取っていいぞ!今日からここがお前の家だ。外出は禁止されている。無断で外に出た奴は問答無用で殺されるから覚悟しろ!」と本当は殺すだけではないと思いますが、余計な詮索はやめておきます。

 フィオナ「フッフッ(^-^)随分と暗い家だけど、電気代も払えてないの?ガスと水道は通っているのかしら?」と馬鹿にしたように聞いてみます。知りたいのはそんな事ではありません。

 バーンズ「部屋には何も通っていない。あるのはベットと鏡ぐらいだ!それだけあれば、女の仕事は十分に出来るだろう(笑)?」とゴングは身体を直接触って来ますが、こっちのバーンズは精神的に攻撃して来ます。ムカついても基本的に我慢していますが、いつかは我慢の限界がやって来そうです。

 ゴング「じゃあな(*゚∀゚*)姉ちゃん!今度会う時には、もう少し女の身体つきに成長していてくれよな(笑)!」とどうやらこの2人との付き合いはここまでのようです。目の前には石の壁に頑丈な木の扉が10メートル間隔で1つ付いていました。1つ1つの扉の中に、私と同じように連れて来られた人達が暮らしているのでしょう。冷たい石に囲まれていては、大声で助けを求めても誰の耳にも届かないでしょう。私は『G』と書かれた鍵の無い扉を開けると、今日から暮らす事になる部屋を見回しました。

 ?「(*´-`)こんにちは、お嬢さん♬今日からヨロシクね!アナタの同居人で監視役のマリアよ。アナタに逃げられると連帯責任で私も罰を受けるんだから、絶対に逃げないでね?」とミレイお姉ちゃんよりは年上に見える女性が、2つあるベットの左側(扉側)に座って、笑顔で私に話しかけて来ました。
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