病弱少年が怪我した小鳥を偶然テイムして、冒険者ギルドの採取系クエストをやらせていたら、知らないうちにLV99になってました。

もう書かないって言ったよね?

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第十四話 友達でもいい加減にしないと怒る

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 ピーちゃん、いわく、ここからが『激しい戦いだった』そうだ。
 僕は何も言わずにピーちゃんの話を聞き続けた。
 多分、友達ってこういう存在なんだと思う。

『”バードストライク”』

 ボスとピーちゃんの二人の超体当たりが空中で激突した。

『⁉︎』

 敗れたのはピーちゃんだった。
 跳ね飛ばされたピーちゃんが地上に落ちていく。

『バードストライクなら私も使える。同じ技なら体格の大きい方が勝つ。それが世界の道理だ』
『ぐぅぅぅ、そんなの知らない!』

 地上ギリギリでピーちゃんは立て直した。
 くるりと反転して急上昇すると、そのままボスに向かっていった。

『”バードストライク”』
『何度やっても結果は同じだ。”バードストライク”』

 急降下と急上昇。再び二人の超体当たりが激突した。

『ガァ……!』

 もちろん敗れたのはピーちゃんだ。
 だけど、今度は跳ね飛ばされなかった。
 ボスに体当たりされたまま地上に急降下していく。
 そして、そのまま地上に大激突させられた。
 畑の中に埋められてしまった。

『口程にもなかったな。魔法具は貰っておくぞ』

 クチバシで咥えられると、畑から野菜みたいに引っこ抜かれた。

『ま、まだ、戦え、る……』
『そうか。それはよかったな』

 ぼんやりとした意識でなんとか言うと、クチバシから畑に放り投げられた。

『もう喋るな、黙ってろ。死体から奪ってもいいんだぞ』
『も、もう、お前には、何も、奪わせない……』

 ボロボロの身体で立ち上がるとピーちゃんは言った。

『そうか。では、お前の命から奪うとしよう。魔法具はその後だ』

 ピーちゃん……この絶体絶命の状況でどうやって帰ってきたの。

【種族:ブルーバード レベル17 筋力22 耐久18 敏捷25 器用6 知力6 魔力7 運5 残りポイント15 『バードストライク習得』】

『奪われる前に使ってやる』

【種族:ブルーバード レベル17 筋力22 耐久18 敏捷40 器用6 知力6 魔力7 運5 残りポイント0 『バードストライク習得』】

【超加速習得】——『敏捷』を短時間だけ三倍に出来る。

『もう誰にも僕は止められない』
『そうか。それはよかったな!』

 畑に立つピーちゃんにボスがバードストライクで向かってきた。
 絶体絶命のピンチにピーちゃんは、ボスに向かって飛び立つと使ったそうだ。

『”超加速”——”バードストライク”』

 その瞬間、ピーちゃんは世界から消えた。

『ガァァッ……‼︎』

 再び世界に現れた時、ボスの身体にピーちゃんのクチバシが突き刺さっていた。
 そのままボスを突き刺したまま真っ直ぐ飛んでいき、森の樹木に大激突して止まった。

『ハァハァ、奪われるのは、お前の命だったな』

 ピーちゃん、何カッコつけて言ってるの? 友達でもいい加減にしないと怒るよ。
 ポイント勝手に使えてるし、作り話するならもっと真面目に作った方がいいよ。

『全員倒してきたよ。クエスト成功でいい?』

 まだ続ける気なんだね。さすがは勇気のピーちゃんだけど、これは無謀だよ。
 収納袋にボスの死体を入れると、畑に座り込んでいたヤバい男に報告したそうだ。

「……まさか鳥に助けられるなんてな。世の中には良い鳥もいたんだな。俺が悪かった。鳥を見る目、いや、人を見る目がなかった。あんたは鳥だが、人間と同じ心がある」

 男はピーちゃんに最初の無礼を謝ると、ピーちゃんを認めてくれたそうだ。
 そして、ブラックバード討伐の報酬をくれたそうだ。

「報酬は【現地調達】だ。畑の野菜を好きなだけ持って行ってくれ。と言っても食いかけが多いんだがな」
『別にいいよ。洗えば食べられるから。それに美味しんでしょ?』
「ああ、もちろんだ。今度来る時には美味しい食べかけじゃない野菜を期待してくれ」
『うん、期待してる』

 男と手と翼で約束すると、野菜と倒したブラックバードを収納袋に回収して飛び立った。
 そして、冒険者ギルドで報告し、ブラックバードを渡して、傷だらけで帰ってきたそうだ。

 ♢♢♢

「……ピーちゃん、嘘つきは泥棒の始まりなんだよ」
『嘘つきじゃない。泥棒なのはブラックバード』
「はいはい。ピーちゃんがそのつもりなら見るからね」

【種族:ブルーバード レベル18 筋力23 耐久19 敏捷40 器用6 知力6 魔力8 運6 残りポイント3 『バードストライク習得』『超加速習得』】
 
 ……ピ、ピーちゃん、本当のこと言ってたの?
 嘘だと思っていたのに見たら本当だった。
 レベル18になっているし、バードストライクと超加速習得している。

「ごめん、ピーちゃん。本当のこと言ってたんだね」

 素直に頭を下げて謝った。友達を疑うなんて、僕の方がどうかしていた。
 命懸けで野菜を守ってきたピーちゃんに友達の僕がすることじゃなかった。

『ふぅー、誠意が足りないんじゃないかな?』

 ピ、ピーちゃん⁉︎ 謝ったのに一羽根剥けたせいか難しい言葉使ってきた。
 確かにベッドに座ったまま頭を下げただけだ。これじゃあ誠意が足りない。
 ベッドから降りると、今度は床に頭をつけて謝った。

「ごめん、ピーちゃん。僕が悪かったです。ごめんなさい」
『ふぅー、今回だけだからね』
「…………」

 ピーちゃん、僕、土下座するの初めてだからね。鳥相手にするの初めてだからね。
 嘘じゃないよ。嘘であってほしいけど、嘘じゃないからね。
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