【完結】週末、お暇ですか? よかったら、500円玉と50円玉を持って、出会いを探しに行きませんか?

もう書かないって言ったよね?

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 1人目は無視。2人目も無視。3人目も無視。4人目も無視。僕が落として、女性が無視して、翔太と友哉が500円玉を拾う。同じ場所で何回もやっていると目立ってしまうので、2回やったら移動する事になる。

 よく考えたら、斬新なアイデアでもなかった。昔で言うと、落としたハンカチを拾って上げるようなもんだ。時代が変わると、人の心も変わるんだなぁ~。全然拾ってくれない。

「あのぉ~、すみません」

「はい! 何ですか?」

 突然、呼び止められて振り返ると、黒髪ポニーテールの制服を着た女の子が立っていた。近くにある□○高校の制服で間違いない。最近の女子高校生はスラッとしたモデル体型ばかりだから、アイドルに話しかけられているようで緊張してしまう。

「ポケットからお金を落としましたよ」

「えっ、あれ? あっ~あ、ありがとうございます」

 慌ててズボンの右ポケットに右手を突っ込んで確認すると、確かに500円玉を落としていた。ズボンに手を入れたり出したりしながら歩いていたから、間違って落としてしまったようだ。残念ながら、女子高校生はマズい。僕にはハードルが高過ぎる。

「いえ、如何いたしまして」

「本当にありがとうございます」

 女子高校生にペコペコと何度も頭を下げて、お礼を言った。あんな優しい娘が○○県に残っていた事が知れただけでも、休日を使った意味はあった。

「何やってんだよ、チャン雄ぅ~! 折角のチャンスなんだから、グイグイ行かないと駄目だよ。JKも三年もすれば、JDに進化するんだから、行かないと駄目だよ。JCも六年でJDになるんだから、行かないと駄目だよ」

 友哉が走って来た。最初に友哉に注意された通り、僕はお礼を言っただけで、出会いを終わらせてしまっていた。でも、相手は高校生だ。大学生に付き合ってくれと言われても困るはずだし、そもそも大学生が高校生と付き合うのはロリコンっぽいから嫌だ。

「いや、でも、未成年は…」

「何言ってんだ、お前は! 駄目に決まっているだろうが! 雄大もコイツの言う事をまともに聞くんじゃないぞ。高校生は駄目だ。キチンと20歳以上の大人じゃないと犯罪だからな!」

「筋ちゃん、そんなに怒んないでよ。こんなの冗談に決まっているじゃん。ほらほら、次の場所に移動するよ」

(はぁ~、結構歩き疲れた。次で終わりにしようかな? これ以上、歩いたら明日は筋肉痛で動けないよ)

 今度は友哉のオススメの場所に連れて行かれた。穴の開いている側溝の近くでお金を落とすのは駄目で、出来れば二人組の女性を狙った方がいいらしい。一人よりも二人組を狙った方が成功率は高いそうだ。

『トゥルルル…トゥルルル♬』

 友哉に言われた通りにポケットから、鳴っている携帯電話を取り出しながら、右手に握っていた500円玉を地面に落とした。僕は電話越しに友哉の指示通りにお金を落とした事に気付かないフリをして、電話しながら歩き続けた。

 ❇︎

「ねぇ、あの人、500円落としたわよ。はっは、ラッキー~~♬ 貰っちゃえ」

「もう駄目だよ。犯罪だよ。教えないと駄目だって」

「大丈夫、大丈夫。500円ぐらいなら問題ないから」

「もうぉ~。じゃあ半分ちょうだい」

「分かってるって。あとで渡すから」
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