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第40話 人型戦闘機の試乗運転
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作戦開始だ。草の茂みを移動して、バイクが撤退する道路のすぐ側に潜んだ。
剣を鞘から抜いて、やって来るバイクを待つ。
あとは剣をフルスイングして、運転手を叩き落とすだけだ。
「さっさと来いよ」
潜んでから、約二十三秒。ヘッドライトを点けた目標がやって来た。
ヘッドライトの先に三台のバイクが見える。
狙うのは当然、最後尾のバイクにしたい。
でも、ここはやって来る全部を片っ端から片付ける事にしよう。
攻撃が避けられた瞬間に作戦は失敗してしまう。
私の打率は二割ちょっと。あと三台来て欲しいぐらいだ。
「うおっ! うおおおおお!」
ガサゴソ、ガサ。茂みの中から勢いよく道路の真ん中に飛び出した。
剣を振り回し、呻き声を上げながら、バイクに向かっていく。
「おい、メタルスライムが出たぞ! 打っかるんじゃねぇぞ!」
「また、男かよ。女のメタルスライムは全然出ねぇよな」
第一作戦は成功のようだ。
バイカー達が現れたスーツ姿のメタルスライムを警戒している。
遅過ぎ、早過ぎず、今の私は愚鈍なメタルスライムだ。
右にウロウロ、左にウロウロ歩いて、相手を油断させて近づいていく。
そして、油断しまくっている連中に向かって、一気にスピードを上げて接近した。
「おりゃー! オラァッ! トリャー!」
「ぐがあああ!」「ぬおぅっ!」「おわああああつ!」
ヒュヒュヒューン‼︎
三本の銀色の剣光がバイカー達を次々に叩き落とした。
また、つまらない者を斬ってしまったな。
三台のバイクと一緒に、三人のバイカー達が道路を派手に転がっていく。
運転するなら、よく前を見ないと駄目だぞ。
「邪魔だ、小僧!」
「おぐっ‼︎」
ドガッ! バイクの近くに転がっていた男の顔面を足蹴りしてやった。
とくに意味はない。ただ、そこに頭があったから蹴っただけだ。
バイクを起こして跨ると、私は指令本部に猛スピードで突っ込んだ。
逃げたいなら、二人乗りでも、三人乗りでもいいから、さっさとやるんだな。
「残りは一機だけか」
五十メートル先に、黒いキャンピングカーと人型戦闘機FRが見えてきた。
指令本部にいるのは、残り四人だけのはずだ。
外に見えるのは二人だけしかいない。
その二人が、どっちが戦闘機に乗るかで言い争っている。
「俺が乗るんだよ!」
「俺が一番、こいつを上手く使えるんだよ!」
「邪魔だ、ゴミ共!」
「「ぐぅがああ!」」
その喧嘩、私が止めてやろう。
バァカン‼︎ 大変醜い争いだったのに、バイクを加速させて二人を撥ね飛ばしてやった。
私が代わりに乗ってやる。これで喧嘩する理由は無くなったな。
めでたし、めでたしだ。早く乗らないとな。
「これがFRか……」
私のすぐ目の前には頭が白、胴体が黒、両腕が白、両足が黒の戦闘機がある。
戦闘機を操縦した事なんて一度もない。正直言って、上手く操縦できるか不安だ。
でも、大丈夫だ。
私には二十二年間、無事故無違反のスーパーゴールドカードの運転免許証がある。
最近、二件程事故を起こしたけど、どちらも無法地帯だ。
私のスーパーゴールドカードには傷一つ付いてない。
さて、乗らないとな。
まずはFRの内側に空いてある穴に魔石を入れないといけない。
でも、これは問題なさそうだ。既に白魔石が三個入っていた。
エネルギー問題は解決しているので、開いた装甲に背中を向けて乗り込んだ。
ウィィィィと生体反応を感知して、戦闘機が稼働していく。
『搭乗を確認しました。起動準備を開始しますか?』
「イエスだ」
『了解しました。装甲を閉じます。身体を挟まないようにご注意ください』
聞こえて来た機械の男の声に素早く答えた。
戦闘機には必要最低限の音声認識機能しか搭載されてないので、会話は出来ない。
会話したいなら、仲間の機体との通信機能もあるが、それは絶対に使わない。
通信先には敵しかいない。
「ぐっぐぐ……誰だよ! おい、勝手に乗るんじゃねぇよ!」
撥ね飛ばしたのに元気なものだ。
大人しく寝ていればいいのに、男の一人が立ち上がろうとしている。
ちょうどいい。装甲は閉じた。これで動かす事が出来る。
手始めにお前から倒してやろう。
「よし、キチンと動かせるな」
手のひらをグー、パーと閉じたり開いたりする。
戦闘機は身体の電気反応を利用して動かせると聞いている。
服や靴を身につけていても問題なく動かせるようだ。
「おい、降りろ! お前、誰だよ! カルロか? ビリーか? ウェイドか?」
立ち上がった男がFRの胴体を叩いて、降りろと要求している。
全部不正解だ。正解はギルバートさんだ。
不正解の罰として、全力でお前をブッ飛ばす。
「ピッチャー、第一球……」
「何だ? 何すんだよ! 離せよ! 止めろ⁉︎ やめろぉーーー‼︎」
男の頭を片手で掴むと、十五メートル先に見えた建物に向かって、全力で投げつけた。
「フンッ‼︎」
「うおおおおおおーーー‼︎」
男は悲鳴を上げながら、真っ直ぐに緑の建物に向かって飛んでいく。
ドガァン‼︎ ドガァン‼︎ ストライク。
何枚もの緑の建物を突き破って、男は暗闇の中に消えていった。
「何だ、あいつ? 何で味方を攻撃してんだよ?」
「ほっとけ。いいから逃げるぞ」
今日の投球は調子が良いようだ。
地面に寝ているもう一人の頭を掴んで同じように全力投球した。
ドガァン‼︎ ドガァン‼︎ ツーストライク。
残りワンストライクでアウトに出来る。
でも、地面にはもう球は残っていない。
後ろを振り返れば、逃げて行く黒いキャンピングカーが見えた。
「仕方ない球が逃げたから、弾を使わないとな」
両手をキャンピングカーに向かって突き出すと、左右の拳を握り締めた。
目の前にある電子スクリーンの両端に、エネルギー弾充填中の文字が浮かび上がる。
充填率五パーセント……十パーセント……十五パーセント……と増えていく。
成人した男を吹き飛ばしたいなら、五パーセントぐらいあれば十分だ。
あの大きさの車なら三十パーセントぐらいは必要だな。
充填完了だ。電子スクリーンに映る黒いキャンピングカーに赤い照準が固定されている。
照準は実に簡単だ。操縦者の視線に反応して、自動照準機能が反応してくれる。
「発射」
静かに宣言すると、両手の拳を開いた。
両腕の先端に取り付けられている砲口から、電気に似た光の砲弾が二つ、勢いよく発射された。
水晶のような輝きを放つ砲弾は、逃げる車よりも五倍は速い。
あっという間に車の後方に接触すると、ドパァンと車を宙に高く撥ね飛ばした。
「二十パーセントでもよかったかもしれないな」
キャンピングカーが前方に向かって、グルングルンと宙を七回転している。
更に地面に落下すると、地面を六十メートル程転がって停止した。
運転手がアビリティリングをオンにしているなら、生きているから問題ないな。
「さて、私の仕事は終わりだな」
まだ、バイアスを生け捕りにはしてないけど、それは無理だからやるつもりはない。
戦闘中の三機のFRを見てみたけど、あの戦いに加わるつもりはない。
身長八メートルの鉛色の骸骨の姿をしたメタルスライムは、大きな鎌を振り回している。
一撃でも直撃したら、機体と一緒に身体が切断されそうだ。
「多分、あれがバイアスが乗っている機体だな」
一機のFRが炎の砲弾を発射して、メタルスライムの身体をドロドロに溶かしている。
おそらく溶けた身体の中から魔石を抜き取る作戦なんだろう。
だとしたら、私がやるべき事は魔石を横取りする事だけだ。
問題はバイアス達が抜き取った後に横取りするか、メタルスライムから横取りするかだ。
とりあえず、魔石が見えるまでは待機だな。
♢
剣を鞘から抜いて、やって来るバイクを待つ。
あとは剣をフルスイングして、運転手を叩き落とすだけだ。
「さっさと来いよ」
潜んでから、約二十三秒。ヘッドライトを点けた目標がやって来た。
ヘッドライトの先に三台のバイクが見える。
狙うのは当然、最後尾のバイクにしたい。
でも、ここはやって来る全部を片っ端から片付ける事にしよう。
攻撃が避けられた瞬間に作戦は失敗してしまう。
私の打率は二割ちょっと。あと三台来て欲しいぐらいだ。
「うおっ! うおおおおお!」
ガサゴソ、ガサ。茂みの中から勢いよく道路の真ん中に飛び出した。
剣を振り回し、呻き声を上げながら、バイクに向かっていく。
「おい、メタルスライムが出たぞ! 打っかるんじゃねぇぞ!」
「また、男かよ。女のメタルスライムは全然出ねぇよな」
第一作戦は成功のようだ。
バイカー達が現れたスーツ姿のメタルスライムを警戒している。
遅過ぎ、早過ぎず、今の私は愚鈍なメタルスライムだ。
右にウロウロ、左にウロウロ歩いて、相手を油断させて近づいていく。
そして、油断しまくっている連中に向かって、一気にスピードを上げて接近した。
「おりゃー! オラァッ! トリャー!」
「ぐがあああ!」「ぬおぅっ!」「おわああああつ!」
ヒュヒュヒューン‼︎
三本の銀色の剣光がバイカー達を次々に叩き落とした。
また、つまらない者を斬ってしまったな。
三台のバイクと一緒に、三人のバイカー達が道路を派手に転がっていく。
運転するなら、よく前を見ないと駄目だぞ。
「邪魔だ、小僧!」
「おぐっ‼︎」
ドガッ! バイクの近くに転がっていた男の顔面を足蹴りしてやった。
とくに意味はない。ただ、そこに頭があったから蹴っただけだ。
バイクを起こして跨ると、私は指令本部に猛スピードで突っ込んだ。
逃げたいなら、二人乗りでも、三人乗りでもいいから、さっさとやるんだな。
「残りは一機だけか」
五十メートル先に、黒いキャンピングカーと人型戦闘機FRが見えてきた。
指令本部にいるのは、残り四人だけのはずだ。
外に見えるのは二人だけしかいない。
その二人が、どっちが戦闘機に乗るかで言い争っている。
「俺が乗るんだよ!」
「俺が一番、こいつを上手く使えるんだよ!」
「邪魔だ、ゴミ共!」
「「ぐぅがああ!」」
その喧嘩、私が止めてやろう。
バァカン‼︎ 大変醜い争いだったのに、バイクを加速させて二人を撥ね飛ばしてやった。
私が代わりに乗ってやる。これで喧嘩する理由は無くなったな。
めでたし、めでたしだ。早く乗らないとな。
「これがFRか……」
私のすぐ目の前には頭が白、胴体が黒、両腕が白、両足が黒の戦闘機がある。
戦闘機を操縦した事なんて一度もない。正直言って、上手く操縦できるか不安だ。
でも、大丈夫だ。
私には二十二年間、無事故無違反のスーパーゴールドカードの運転免許証がある。
最近、二件程事故を起こしたけど、どちらも無法地帯だ。
私のスーパーゴールドカードには傷一つ付いてない。
さて、乗らないとな。
まずはFRの内側に空いてある穴に魔石を入れないといけない。
でも、これは問題なさそうだ。既に白魔石が三個入っていた。
エネルギー問題は解決しているので、開いた装甲に背中を向けて乗り込んだ。
ウィィィィと生体反応を感知して、戦闘機が稼働していく。
『搭乗を確認しました。起動準備を開始しますか?』
「イエスだ」
『了解しました。装甲を閉じます。身体を挟まないようにご注意ください』
聞こえて来た機械の男の声に素早く答えた。
戦闘機には必要最低限の音声認識機能しか搭載されてないので、会話は出来ない。
会話したいなら、仲間の機体との通信機能もあるが、それは絶対に使わない。
通信先には敵しかいない。
「ぐっぐぐ……誰だよ! おい、勝手に乗るんじゃねぇよ!」
撥ね飛ばしたのに元気なものだ。
大人しく寝ていればいいのに、男の一人が立ち上がろうとしている。
ちょうどいい。装甲は閉じた。これで動かす事が出来る。
手始めにお前から倒してやろう。
「よし、キチンと動かせるな」
手のひらをグー、パーと閉じたり開いたりする。
戦闘機は身体の電気反応を利用して動かせると聞いている。
服や靴を身につけていても問題なく動かせるようだ。
「おい、降りろ! お前、誰だよ! カルロか? ビリーか? ウェイドか?」
立ち上がった男がFRの胴体を叩いて、降りろと要求している。
全部不正解だ。正解はギルバートさんだ。
不正解の罰として、全力でお前をブッ飛ばす。
「ピッチャー、第一球……」
「何だ? 何すんだよ! 離せよ! 止めろ⁉︎ やめろぉーーー‼︎」
男の頭を片手で掴むと、十五メートル先に見えた建物に向かって、全力で投げつけた。
「フンッ‼︎」
「うおおおおおおーーー‼︎」
男は悲鳴を上げながら、真っ直ぐに緑の建物に向かって飛んでいく。
ドガァン‼︎ ドガァン‼︎ ストライク。
何枚もの緑の建物を突き破って、男は暗闇の中に消えていった。
「何だ、あいつ? 何で味方を攻撃してんだよ?」
「ほっとけ。いいから逃げるぞ」
今日の投球は調子が良いようだ。
地面に寝ているもう一人の頭を掴んで同じように全力投球した。
ドガァン‼︎ ドガァン‼︎ ツーストライク。
残りワンストライクでアウトに出来る。
でも、地面にはもう球は残っていない。
後ろを振り返れば、逃げて行く黒いキャンピングカーが見えた。
「仕方ない球が逃げたから、弾を使わないとな」
両手をキャンピングカーに向かって突き出すと、左右の拳を握り締めた。
目の前にある電子スクリーンの両端に、エネルギー弾充填中の文字が浮かび上がる。
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成人した男を吹き飛ばしたいなら、五パーセントぐらいあれば十分だ。
あの大きさの車なら三十パーセントぐらいは必要だな。
充填完了だ。電子スクリーンに映る黒いキャンピングカーに赤い照準が固定されている。
照準は実に簡単だ。操縦者の視線に反応して、自動照準機能が反応してくれる。
「発射」
静かに宣言すると、両手の拳を開いた。
両腕の先端に取り付けられている砲口から、電気に似た光の砲弾が二つ、勢いよく発射された。
水晶のような輝きを放つ砲弾は、逃げる車よりも五倍は速い。
あっという間に車の後方に接触すると、ドパァンと車を宙に高く撥ね飛ばした。
「二十パーセントでもよかったかもしれないな」
キャンピングカーが前方に向かって、グルングルンと宙を七回転している。
更に地面に落下すると、地面を六十メートル程転がって停止した。
運転手がアビリティリングをオンにしているなら、生きているから問題ないな。
「さて、私の仕事は終わりだな」
まだ、バイアスを生け捕りにはしてないけど、それは無理だからやるつもりはない。
戦闘中の三機のFRを見てみたけど、あの戦いに加わるつもりはない。
身長八メートルの鉛色の骸骨の姿をしたメタルスライムは、大きな鎌を振り回している。
一撃でも直撃したら、機体と一緒に身体が切断されそうだ。
「多分、あれがバイアスが乗っている機体だな」
一機のFRが炎の砲弾を発射して、メタルスライムの身体をドロドロに溶かしている。
おそらく溶けた身体の中から魔石を抜き取る作戦なんだろう。
だとしたら、私がやるべき事は魔石を横取りする事だけだ。
問題はバイアス達が抜き取った後に横取りするか、メタルスライムから横取りするかだ。
とりあえず、魔石が見えるまでは待機だな。
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