貧民地区の犬少年、パンを買わずにスキル買いました

もう書かないって言ったよね?

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僕の人生に良いことはなかった(犬獣人視点)

第8話 3人寄れば温かい

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「お、重い……!」

 ズルズルとアンガスを引きずって、1階への丸い絵に向かっていく。
 僕達の中で一番体重が重いから大変だ。
 ロップなら走って引きずれるぐらい軽いのに。

「えいっ」

 丸の中に四角が描かれただけの絵に乗せると、目の前でアンガスが消えてしまった。
 なるほど、こうなるみたいだ。僕も絵の上に乗ると、身体がフワッと浮いた気がした。

「ふぐぅ……!」

 次の瞬間にはアンガスのお腹の上に着地していた。
 なるほど、こうなるみたいだ。前の人が絵から退くまで待ったないと怪我しちゃう。

「あっ、ロップ」

 アンガスのお腹から降りると、空いている扉から部屋の中を見た。
 お風呂からロップが出ていて、お人形とパンの入ったカゴと一緒に寝ていた。
 起こすのは悪いし、僕も疲れているからもう寝たい。
 アンガスも死ぬような怪我じゃないし、放置でいいと思う。
 綺麗に洗濯された毛布をダンジョンから取り出すと、ロップに被せて隣に寝た。

「あぅぅ、テリヤなの……すぅ、すぅ」

 いつものようにロップが僕に抱きついてきた。
 夜は寒いので、こうやってみんなで抱きついて温まっている。
 まあ、アンガスは角が痛いから誰も抱きつかないし、抱きつかせない。
 アンガスの役割りはお腹枕だ。角は痛いのに無駄に体温が高い。
 角を切り落とせば、最高の毛布になるのに残念だ。

「あぅぅ、うぅぅ」
「ほらぁ~、起きなさい」

 アンガスがいないはずなのに、何か顔が痛い。
 よく寝ていたのに、顔を襲う何かに目を覚ましてしまった。

「……雑巾?」

 顔の前に白い布がある。汚れているし、何かちょっと臭い。

「残念、靴よ!」
「はぐぅ!」

 雑巾でもいいと思う。
 シャムの声が耳に入ると一緒に、鼻の中に靴先がねじ込まれた。
 臭いので、ゴロンと横に転がって回避した。

「もぉー、変な起こし方しないでよ」
「あれ、なに?」

 僕の苦情を無視して、シャムが地下1階の扉を指差している。
 まだアンガスが寝ている。とりあえずアンガスは無視して報告しよう。

「あれは地下1階の扉で、修羅威無倒していたらレベルアップして、地下1階に行けるようになったんです」
「へぇー、それで?」

 それで⁉︎ それ以上は何もないと思う。
 でも、何か言わないと駄目な雰囲気だ。
 とにかく言うしかない。

「それで、えっと、なんか強そうな子供モンスターが現れて、アンガスがやられて、あっ! そうそう、怪我しているから治療して欲しくて」
「はあ? なんで?」

 なんで⁉︎ なんでって怪我しているし、シャムが治療術を使えるからに決まっている。
 でも、この顔は何で私が治さないといけないの?という顔だ。
 ごめん、アンガス。治療は自分で頼んで。僕にはお願いする勇気ないから。
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