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第7話 レベル3と薬草布団

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 タァララッタッタァー!

【レベル3になりました】

「やったぁ! レベル3になったぞ!」

 短剣でスライムを倒すだけなのに、もうレベル3だ。
 僕ってもしかすると……凄い戦闘の才能があるのかも。

「よぉーし! どんどん行くぞぉー!」

 薬草は100枚あっても200枚あっても全然足りない。
 食用、回復用、乾燥火種用と色々使える便利アイテムだ。

【時刻17:15】

「あっ、もうこんな時間だ! 晩ご飯食べて早く寝ないと!」

 冒険者カードで時間を見たら、夕方を過ぎていた。これ以上働くと過労死しちゃう!
 今日の晩ご飯はスライムグミで我慢して、布団は薬草を敷き詰めよう。
 これなら暖かいから寝られると思う。

「ふぁぁぁ……疲れたから、今日はぐっすり眠れるぞ……」

 …………
 ………
 ……
 …

「あっ! 寝坊しちゃった!」

【時刻5:32】

 薬草布団から起きて、冒険者カードを見たら、5時を過ぎていた。
 いつもは4時には起きて、牛の乳搾りをしているのに、大変だぁー!

「急げ! 急げ! あっ! そうだった!」

 急いで服を着替えようとしたけど、ここは家じゃなかった。
 お父さんに「お前に教える事はもうない。自立しなさい」と言われて、冒険者になったんだった。
 
「もぉー、完全に目が覚めちゃったよぉー」

 6時過ぎまで寝ても、誰にも怒られないのに、凄く損した気分だ。
 でも、今から眠れそうな気がしない。仕方ないからレベルアップだ。
「召喚!」と唱えて、魔法陣からフィッシュスライムを呼び出した。

「ぎょぉ⁉︎ ぎょぉ⁉︎」
「よいしょ!」

 飛び跳ねるフィッシュスライムの尾ひれを両手で掴むと、「えいッ! えいッ!」と地面に叩きつけた。
 武器も消耗品だから、出来るだけ素手で倒せる雑魚モンスターで経験値集めだ。

【経験値10獲得】

 簡単作業でどんどん経験値が入ってくる。
 でも、MPには限界がある。20匹も倒すとMP切れになっちゃった。
 こうなると何も出来ないから、回復するまで休憩だぞ。

「もぐもぐ……もぐもぐ……」

 今日の朝ご飯はスライムグミだ。昨日の晩ご飯もスライムグミだった。
 いっぱい召喚すれば、召喚士レベルも上がるから、美味しいものが食べられるかも。
 今は我慢だ。

「よぉーし! お腹いっぱいになったから、お昼まで二度寝するぞ!」

 MPを自然回復させるには、寝るのが一番だ。薬草の上に寝っ転がった。
 召喚士レベル3になるまで、食っちゃ寝生活スタートだ!
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