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警察ルート☆
第四十九話☆ 西か東か
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「どうして誰もいないんだ?」
洞窟の前までやって来たのに誰もいなかった。現場検証に、応援の到着、やる事はまだまだある……まさか、全員下山して、俺だけが忘れられた存在という訳じゃないだろう。それとも何も見つからなかったから、嫌がらせか?
「確かに山を探そうと言い出したのは俺だけど……山の中で放置はやり過ぎでしょう」
洞窟の周辺は明らかに生活感がある。畑の周りには、相模が購入した物と同じプラスチックボックスがゴミ箱のように配置されている。ご丁寧に四角い木蓋が取り付けられているので、穴空きボックスの中に臭いの出る物でも入れて、動物を誘き出しているのかもしれない。畑の周囲には落とし穴トラップが配置されていた。
「これは痛そうだ。誰か一人、落とし穴に落ちている。怪我したから、全員でヘリコプターが近づける場所に、移動したのかもしれないな……なんて訳はない」
負傷した警察官がいるのに連絡がないのは明らかにおかしい。それに無線機の連絡に答えていた人は、必ず数分後、数十後には連絡が取れなくなってしまう。誰かが居場所を聞き出して襲っているとしか思えない。
相模に共犯者がいるという情報はない。けれども、これだけの人数の警察官と連絡が取れなくなったのは不自然だ。無線機の男の声に答えなくても、スイッチをオンにしていると、その男の声が自分の無線機から出てしまうので居場所が分かってしまう。だからといって、使わない訳にはいかない。
「いっそ、洞窟の中に無線機を投げ入れていれば、相模か共犯者が入って行くんじゃないのか?」
いや、明らかに罠の臭いしかしない場所にやって来るはずがない。けれども、逃げるだけならば警察官を襲う必要はない。襲う必要があるから襲っていると考えると、その理由はなんだろうか?
例えば時間稼ぎ。共犯者がいるなら、警察官を一人が足止めしている間に、もう一人が松島麻未を連れて行く事が出来る。
警察官が襲われているならば、応援が急行するのは間違いなく北側の町になる。南側は住吉警察署の管轄なので、人数を集めるのに多少は時間がかかる可能性もあるけど、長くても一時間程度の誤差でしかない。あっち側も問題ない。山を降りて逃げる前に山の周囲は完全に包囲されている。逃げ場はやっぱりない。
「逃げられないと分かっているから、道連れに警察官を襲っている可能性があるのか……でも、本当にそれだけか?」
洞窟の場所さえ分かっていれば、町から洞窟まで、そこまでの距離はなかった。山を真っ直ぐに降りて行けば、三時間もあれば町に出られるはずだ。運が良ければ不完全な包囲網を突破できる可能性がある。
でも、相模は常に警察の裏の裏を考えて、用心深く行動している。洞窟の北側と南側が、既に警察が待ち構えているから、逃げられないと判断したのならば、逃げようとするのは東側と西側になる。
西側には山が数キロ続いているので、そっち側に逃げられたら、捜索範囲が広過ぎて警察官の数が足りなくなってしまう。包囲網の穴を見つけられて、突破される可能性がある。東側には海がある。山の途中からは崖になっている。飛び降りてもコンクリートの地面に落下するだけだ。常識的に考えて選ぶのは西側だ。
けれども、ここから逃げられたとしても相模は完全に追われる人間になる。すぐに捕まるかは不明だが、いずれは捕まる。だとしたら、遺書を書いて海で自殺したフリをした奴なら……西と東、どっちを選ぶ?
「相模が単独犯か複数犯かで答えは違うか……まずは洞窟の中を探してみよう。何か手掛かりが残っているはずだ」
この山にいる警察官は自分だけじゃない。刑事の勘とかいうものを信じるのは、本当に手掛かりがない時に使うものだ。懐中電灯の明かりをつけると、暗い洞窟の中に入っていく。すぐに警察官一人の死体を発見した。喉を鋭利な刃物で裂かれたようだ。
心の中で、『ごめん』と謝りながら、死体の腰を踏んで洞窟の先を目指した。
「誰もいないようだ。このサイズのテントだと、二人ぐらいしか寝れないだろう。三人は少しキツイな」
天然の洞窟を時間をかけて、リフォームしたようだ。床にコンクリートを塗って、平らにしている。それに使用済みの殺虫剤『バルサン』が置いてある。害虫退治も定期的にやっているようだ。
服は……女性物がある。おそらく松島麻未の物だろう。この場所で一緒に生活していたとしたら、監禁生活か。全体的に見て、物の数が明らかに少ない。住んでいる人間は基本的に一人と見ていい。
「やっぱり単独犯か……」
だとしたら、向かう可能性が高くなるのは東になる。短絡的な犯罪者は太く短い人生を選びやすい。無線機で連絡すると、相模にも聞かれてしまう。俺一人が東に向かって、追いかけるしかない。もしかすると違う可能性もあるのだから……。
洞窟の前までやって来たのに誰もいなかった。現場検証に、応援の到着、やる事はまだまだある……まさか、全員下山して、俺だけが忘れられた存在という訳じゃないだろう。それとも何も見つからなかったから、嫌がらせか?
「確かに山を探そうと言い出したのは俺だけど……山の中で放置はやり過ぎでしょう」
洞窟の周辺は明らかに生活感がある。畑の周りには、相模が購入した物と同じプラスチックボックスがゴミ箱のように配置されている。ご丁寧に四角い木蓋が取り付けられているので、穴空きボックスの中に臭いの出る物でも入れて、動物を誘き出しているのかもしれない。畑の周囲には落とし穴トラップが配置されていた。
「これは痛そうだ。誰か一人、落とし穴に落ちている。怪我したから、全員でヘリコプターが近づける場所に、移動したのかもしれないな……なんて訳はない」
負傷した警察官がいるのに連絡がないのは明らかにおかしい。それに無線機の連絡に答えていた人は、必ず数分後、数十後には連絡が取れなくなってしまう。誰かが居場所を聞き出して襲っているとしか思えない。
相模に共犯者がいるという情報はない。けれども、これだけの人数の警察官と連絡が取れなくなったのは不自然だ。無線機の男の声に答えなくても、スイッチをオンにしていると、その男の声が自分の無線機から出てしまうので居場所が分かってしまう。だからといって、使わない訳にはいかない。
「いっそ、洞窟の中に無線機を投げ入れていれば、相模か共犯者が入って行くんじゃないのか?」
いや、明らかに罠の臭いしかしない場所にやって来るはずがない。けれども、逃げるだけならば警察官を襲う必要はない。襲う必要があるから襲っていると考えると、その理由はなんだろうか?
例えば時間稼ぎ。共犯者がいるなら、警察官を一人が足止めしている間に、もう一人が松島麻未を連れて行く事が出来る。
警察官が襲われているならば、応援が急行するのは間違いなく北側の町になる。南側は住吉警察署の管轄なので、人数を集めるのに多少は時間がかかる可能性もあるけど、長くても一時間程度の誤差でしかない。あっち側も問題ない。山を降りて逃げる前に山の周囲は完全に包囲されている。逃げ場はやっぱりない。
「逃げられないと分かっているから、道連れに警察官を襲っている可能性があるのか……でも、本当にそれだけか?」
洞窟の場所さえ分かっていれば、町から洞窟まで、そこまでの距離はなかった。山を真っ直ぐに降りて行けば、三時間もあれば町に出られるはずだ。運が良ければ不完全な包囲網を突破できる可能性がある。
でも、相模は常に警察の裏の裏を考えて、用心深く行動している。洞窟の北側と南側が、既に警察が待ち構えているから、逃げられないと判断したのならば、逃げようとするのは東側と西側になる。
西側には山が数キロ続いているので、そっち側に逃げられたら、捜索範囲が広過ぎて警察官の数が足りなくなってしまう。包囲網の穴を見つけられて、突破される可能性がある。東側には海がある。山の途中からは崖になっている。飛び降りてもコンクリートの地面に落下するだけだ。常識的に考えて選ぶのは西側だ。
けれども、ここから逃げられたとしても相模は完全に追われる人間になる。すぐに捕まるかは不明だが、いずれは捕まる。だとしたら、遺書を書いて海で自殺したフリをした奴なら……西と東、どっちを選ぶ?
「相模が単独犯か複数犯かで答えは違うか……まずは洞窟の中を探してみよう。何か手掛かりが残っているはずだ」
この山にいる警察官は自分だけじゃない。刑事の勘とかいうものを信じるのは、本当に手掛かりがない時に使うものだ。懐中電灯の明かりをつけると、暗い洞窟の中に入っていく。すぐに警察官一人の死体を発見した。喉を鋭利な刃物で裂かれたようだ。
心の中で、『ごめん』と謝りながら、死体の腰を踏んで洞窟の先を目指した。
「誰もいないようだ。このサイズのテントだと、二人ぐらいしか寝れないだろう。三人は少しキツイな」
天然の洞窟を時間をかけて、リフォームしたようだ。床にコンクリートを塗って、平らにしている。それに使用済みの殺虫剤『バルサン』が置いてある。害虫退治も定期的にやっているようだ。
服は……女性物がある。おそらく松島麻未の物だろう。この場所で一緒に生活していたとしたら、監禁生活か。全体的に見て、物の数が明らかに少ない。住んでいる人間は基本的に一人と見ていい。
「やっぱり単独犯か……」
だとしたら、向かう可能性が高くなるのは東になる。短絡的な犯罪者は太く短い人生を選びやすい。無線機で連絡すると、相模にも聞かれてしまう。俺一人が東に向かって、追いかけるしかない。もしかすると違う可能性もあるのだから……。
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