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王様ルート★
第四十五話★ 洞窟の中の別荘
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「これが別荘ですか? 洞窟じゃなくて……」
暗い洞窟の住居、畑の野菜、湧き水の飲料水と麻未が期待していた別荘は、丸太で作られたログハウスだったはずだ。けれども、疲れ果てて到着した場所には洞窟しかなかった。こんな所に泊まるぐらいなら、今からでも山を降りたいと思っている顔をしている。
「三日の辛抱だよ。キャンプが流行っているから作らせたんだよ。洞窟の中は二人ぐらいは住めるぐらいの広さがあるから、入って見れば分かるよ」
「うわぁ~。虫とか住んでいないですよね?」
恐る恐る麻未は洞窟の中を進んで行く。麻未を先頭にして進ませているのは、引き返させるつもりがないからだ。洞窟の外にも、町にもだ。
「当然いるけど、テントの中に入っていれば安全に寝る事は出来るよ。俺は外に寝ているから安心して一人で寝ていいから」
「えっ……いいですよ! 近くに寝てください。何もしないならいいですから!」
「んんっ……何もしない自信はないから、やっぱり外に寝るよ。それにテントの中なら大丈夫だけど、洞窟の床に寝ていたら毒蛇に噛まれそうだしね」
麻未に対して子供っぽい嫌がらせを続ける。素っ気ない態度を続ける事に効果があるのか分からない。
怖いから近くに寝ていて欲しい気持ちは分かる。けれども、テントの中とテントの外はまったくの別世界だ。夜中に身体を這う虫に飛び起きるつもりはない。麻未を怖らがせていけば、何もしないという条件で、テントの中までは入る事が出来る。
「ええっ⁉︎ 毒蛇がいるのに安全に寝れるんですか! 夜に噛まれたら死にますよね!」
「噛まれたら確実に死ぬだろうね。でも、テントの入り口をしっかりと閉めていれば、安全だから大丈夫。あとは夜にトイレに起きないように、寝る前には出す物は出しておいた方がいいよ」
「トイレ……なんて無いですよね。紙はありますか?」
当然、トイレットペーパーはないけど、本ならある。かなり拭きにくいから使い辛いだろうけど、水で濡らした素手でやるよりは抵抗はないはずだ。自分でやるのが嫌ならば代わりにやっても問題はない。お尻の穴だろうと、前の穴だろうと喜んで綺麗にしてあげられる。
「ほら、早く進んで」
「でも…」
「外よりもテントの中の方が安全だよ。外には猪や猿が徘徊しているし、どっちも噛まれたら傷口から細菌が入って高熱が出るよ。それでもいいの?」
「嫌です。でも、何か先の方から飛び出して来そうで怖いんです」
足取りの重くなった麻未の背中を押しながら前に向かって進ませる。少し怖がらせ過ぎてしまったようだ。毒蛇ではなく、ムカデの方がよかったかもしれない。まあ、命の危険がある方がテントの中に入りやすい。このまま毒蛇がいるという設定で行こう。美味しい蛇がいる事は間違いない事実だ。
「大丈夫だって。この狭さなら大型動物は入って来れないし、奥は行き止まりだよ。何かいるなら物音が聞こえるし、絶対に何もいないから……分かった。何かいたら山を降りて、ホテルを探そう。暗い山道を歩くと遭難するかもしれないけど……その方がいいんだよね?」
「……えっ…と、それは……」
マンションで麻未が追い詰められるのに弱いのは知っている。山を降りるという選択肢を与えているようで、実は今日は泊まるしかないと論理的に理解させている。それに帰るという選択肢を選んでも、道を間違えるつもりだ。結局は夜中になんとか洞窟に戻って来て、泊まるという形になる。
「大丈夫、任せておいて。麻未ちゃんは俺が守るから」
「あっ、んっ……はい」
麻未を背後から優しく抱き締めると、大丈夫だと何度も何度も言い聞かせる。この山で頼れる人間は私しかいない。麻未が抱きついている私を払い退けないのは、頼らないと危険な目に遭うと分かっているからだ。
柔らかな麻未の身体を抱き締めたまま、麻未の身体を前に押していく。汗の匂いに、怯えた表情、麻未の持つ懐中電灯の明かりは上に下にと落ち着きがない。私も洞窟に初めて入った時はこんな感じに怯えていたのかもしれないな。
暗い洞窟の住居、畑の野菜、湧き水の飲料水と麻未が期待していた別荘は、丸太で作られたログハウスだったはずだ。けれども、疲れ果てて到着した場所には洞窟しかなかった。こんな所に泊まるぐらいなら、今からでも山を降りたいと思っている顔をしている。
「三日の辛抱だよ。キャンプが流行っているから作らせたんだよ。洞窟の中は二人ぐらいは住めるぐらいの広さがあるから、入って見れば分かるよ」
「うわぁ~。虫とか住んでいないですよね?」
恐る恐る麻未は洞窟の中を進んで行く。麻未を先頭にして進ませているのは、引き返させるつもりがないからだ。洞窟の外にも、町にもだ。
「当然いるけど、テントの中に入っていれば安全に寝る事は出来るよ。俺は外に寝ているから安心して一人で寝ていいから」
「えっ……いいですよ! 近くに寝てください。何もしないならいいですから!」
「んんっ……何もしない自信はないから、やっぱり外に寝るよ。それにテントの中なら大丈夫だけど、洞窟の床に寝ていたら毒蛇に噛まれそうだしね」
麻未に対して子供っぽい嫌がらせを続ける。素っ気ない態度を続ける事に効果があるのか分からない。
怖いから近くに寝ていて欲しい気持ちは分かる。けれども、テントの中とテントの外はまったくの別世界だ。夜中に身体を這う虫に飛び起きるつもりはない。麻未を怖らがせていけば、何もしないという条件で、テントの中までは入る事が出来る。
「ええっ⁉︎ 毒蛇がいるのに安全に寝れるんですか! 夜に噛まれたら死にますよね!」
「噛まれたら確実に死ぬだろうね。でも、テントの入り口をしっかりと閉めていれば、安全だから大丈夫。あとは夜にトイレに起きないように、寝る前には出す物は出しておいた方がいいよ」
「トイレ……なんて無いですよね。紙はありますか?」
当然、トイレットペーパーはないけど、本ならある。かなり拭きにくいから使い辛いだろうけど、水で濡らした素手でやるよりは抵抗はないはずだ。自分でやるのが嫌ならば代わりにやっても問題はない。お尻の穴だろうと、前の穴だろうと喜んで綺麗にしてあげられる。
「ほら、早く進んで」
「でも…」
「外よりもテントの中の方が安全だよ。外には猪や猿が徘徊しているし、どっちも噛まれたら傷口から細菌が入って高熱が出るよ。それでもいいの?」
「嫌です。でも、何か先の方から飛び出して来そうで怖いんです」
足取りの重くなった麻未の背中を押しながら前に向かって進ませる。少し怖がらせ過ぎてしまったようだ。毒蛇ではなく、ムカデの方がよかったかもしれない。まあ、命の危険がある方がテントの中に入りやすい。このまま毒蛇がいるという設定で行こう。美味しい蛇がいる事は間違いない事実だ。
「大丈夫だって。この狭さなら大型動物は入って来れないし、奥は行き止まりだよ。何かいるなら物音が聞こえるし、絶対に何もいないから……分かった。何かいたら山を降りて、ホテルを探そう。暗い山道を歩くと遭難するかもしれないけど……その方がいいんだよね?」
「……えっ…と、それは……」
マンションで麻未が追い詰められるのに弱いのは知っている。山を降りるという選択肢を与えているようで、実は今日は泊まるしかないと論理的に理解させている。それに帰るという選択肢を選んでも、道を間違えるつもりだ。結局は夜中になんとか洞窟に戻って来て、泊まるという形になる。
「大丈夫、任せておいて。麻未ちゃんは俺が守るから」
「あっ、んっ……はい」
麻未を背後から優しく抱き締めると、大丈夫だと何度も何度も言い聞かせる。この山で頼れる人間は私しかいない。麻未が抱きついている私を払い退けないのは、頼らないと危険な目に遭うと分かっているからだ。
柔らかな麻未の身体を抱き締めたまま、麻未の身体を前に押していく。汗の匂いに、怯えた表情、麻未の持つ懐中電灯の明かりは上に下にと落ち着きがない。私も洞窟に初めて入った時はこんな感じに怯えていたのかもしれないな。
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