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第2章
第68話⑩解決
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「無駄な事を……」
ライオネルを打ち上げると、左肩から剣が抜けた。もうこの左手は絶対に離さない。
左手に力を入れて、掴んでいる右手首を下に引っ張った。
「うおおおおお‼︎」
「ぐうぅぅ……‼︎」
ウルトラソウルを纏った右拳を落ちてくる左頬に打ち込んだ。
反撃も回避も許さない。このままお前を【人間サンドバッグ】にしてやる。
「汚い手で触るな」
「ぐぅっ!」
つもりだったのに……
ライオネルがアイテム鞄から左手で新しい剣を取り出すと、それを俺の左腕に突き刺した。
我慢できずに早くも左手を離してしまった。だけど、ここで逃すわけにはいかない。
距離を取ろうとするライオネルを影俺と一緒に追いかけた。
「ハァッ!」「そりゃー!」
考える時間は必要ない。全力の一撃を目の前の肉の塊にぶつけるだけだ。
死突、暗黒拳、身体への全力体当たり——
とにかく足さえ止められれば捕まえられる。今度は絶対に離さない。
「まるで野獣だな。戦いに知性が感じられない」
「うるせい、サンドバッグは黙ってろ!」
両手に持った剣で俺と影俺の黒剣を余裕で捌いている。剣技のレベルが違う。
だったら野獣で結構だ。知性なんて必要ない。俺の中の殺戮本能を再び呼び覚ましてやる。
初妹ダンジョンで野獣のようにイキ狂った俺を止められると思うなよ。
「ゔがあああ‼︎ 逃すかああ‼︎」
影俺と一緒に両手に持った黒剣の切っ先を向けて突進した。斬られる覚悟のただの突進だ。
予想通り、口を狙った左右同時の剣突きがやって来た。
「うおおっ⁉︎」
「おががぁぁぁ……!」
もちろん俺は避けた。影俺はそのまま突進して、口に剣を貫通させている。
「良くやった、俺! オラッッ‼︎」
その自己犠牲に感謝した。影俺の黒剣がライオネルの腹を貫いている。
この隙を見逃さない。俺の黒剣も腹に突き刺した。
このまま顔面が潰れるまで二人で連打する。
「オラッ、オラッ!」
流石に二人は無理だった。口貫通状態の影俺は棒立ち状態だ。
仕方ないので黒剣から右手を離して、暗黒拳を顔面に打ち込んだ。
「うぐっ、無駄だと言ってる。”閃攻〟‼︎」
「ぐぅ、あああっ‼︎」
また駄目だった。ライオネルの身体が眩しく光ると吹き飛ばされた。
影俺の方は耐え切れずに消滅してしまった。
「おい、一体いつまで頑張るつもりだ。なあ、教えてくれよ。どうしても理解できないんだ。どうして、お前みたいな雑魚が俺を倒せると勘違いしてしまったんだ?」
「はぁはぁ! はぁはぁ!」
黒剣を腹から抜いて、俺に投げ返すと、不思議そうに言ってきた。
頭では挑発だと分かっている。だけど、こんな事言われて我慢できる奴は男じゃない。
黒剣を拾うと走り出した。
「だったら倒してやるよ!」
再び影俺を出して突撃した。お母さんなら娘と同じ目に遭わせている。
男に生まれた事を感謝しろ。ブチ殺すだけで許してやる。
「フンッ、オラァッ!」
右手に持った黒剣と、握り締めた左手の暗黒拳を全力で振り回し続ける。
反撃する隙は与えない。四本の腕で休まず攻撃をし続ける。
身体の一部でもいい。掴んだら死ぬ気で離さない。
「うらあああ! 捕まえたぞ!」
流石は俺だ。影俺がライオネルの両足に体当たりでしがみ付いた。
すると、ライオネルが……
「だったら死ね」
「させるかよ! ”死突〟!」
冷酷な目で影俺を見つめて、脳天を突き刺そうと左手の剣先を向けた。
そんな事させるわけがない。黒剣を頭に向かって突き出した。
最速の黒き槍が飛び出した。
「ぐあっ、くだらん技だ」
顔面に直撃したのに、首が仰け反っただけだった。
でも、これで充分だ。影俺が両足を引っ張って、ライオネルを地面にうつ伏せに倒した。
「ズボン脱がしてやる! ズボン脱がしてやるぞ!」
「このクソが! やめろ、殺すぞ!」
そのまま腹のズボンの縁を掴んで、全力で脱がそうとする。
それを阻止しようとライオネルが左右の手から剣を離した。
その剣を俺が蹴り飛ばすと、
「冗談に決まってるだろ。テメェーの汚ねえキンタマ見るつもりはねえよ」
「ぶはああっ……‼︎」
冷酷な眼差しで言って、暗黒拳を顔面に振り落としてやった。
約束通り、お前を【人間サンドバッグ】にしてやる。
「ぐぅああああっっ‼︎」
ライオネルの右腕に俺、左腕に影俺が乗ると、ウルトラソウルを纏った左右四つの拳を顔面に連打した。
骨を砕き、へし折る手応えを何度も感じる。それなのにライオネルは倒れる素振りを見せない。
本当に俺の攻撃が効いてないのなら、この攻撃に意味はない。
そう思ってしまった。それでも、
「ぐぅっ! この野獣が……」
俺達の攻撃に世界が耐えられなかったようだ。絶対聖域の白い世界にヒビが走った。
拳を打つけるたびにヒビが広がっていく。どうやら意味はあったようだ。
「俺の攻撃は効かないんだよな? ”ダブルトリプル——」
「ま、待てえ!」
だったら、超本気の一撃を喰らわせてやる。
二人の息を合わせて、右拳に最大威力の暗黒拳を凝縮していく。
これに耐えられたら合格だ。不合格になるまで何千発も打ち込んでやる。
「ウルトラソウル〟‼︎」
「ごはぁ、っっ……‼︎」
二つの三倍暗黒拳がライオネルの顔面を同時に殴り壊した。
その瞬間、顔面と同じように世界が崩壊した。
世界が崩壊して、屋敷の庭に戻ってきた。
「おい、嘘だろ……ライオネル様が倒れている‼︎」
「嘘だろ‼︎ アイツがやったのか‼︎」
戦士達が驚き、ざわめいている。
ボスが顔面ズタボロで血だらけになっている。いや、してやった。
そんな戦士達に右腕から立ち上がると大声で言ってやった。
「約束通り娘は貰っていく‼︎ 他に文句ある奴、居ねえよな‼︎」
「くぅ——‼︎」
娘を含めて、誰も名乗り出なかった。お父さんの許可は倒して貰っている。
これは脅迫ではない。つまり遠慮なく貰っていいという事だ。
地面に座り込んでいるヨハネに近づくと、左肩に担ぎ上げた。
「あひゃ⁉︎」
「帰るぞ、俺達の家に」
「う、うん……」
本人の同意も得た。これでトリプルダンジョンが再び俺のものになった。
これは家まで我慢できない。馬車を取り返して、馬車の中で早速攻略開始だ。
「フィリア! リラ! お前達も帰るぞ! さっさと来い!」
「ひゃ、ひゃい!」「あん、待って、お兄ちゃん!」
我慢できずにダブルダンジョンを呼んだ。すぐに返事が返ってきた。
二人もやる気充分みたいだ。これはもう家まで俺の命が持つかだな。
ライオネルを打ち上げると、左肩から剣が抜けた。もうこの左手は絶対に離さない。
左手に力を入れて、掴んでいる右手首を下に引っ張った。
「うおおおおお‼︎」
「ぐうぅぅ……‼︎」
ウルトラソウルを纏った右拳を落ちてくる左頬に打ち込んだ。
反撃も回避も許さない。このままお前を【人間サンドバッグ】にしてやる。
「汚い手で触るな」
「ぐぅっ!」
つもりだったのに……
ライオネルがアイテム鞄から左手で新しい剣を取り出すと、それを俺の左腕に突き刺した。
我慢できずに早くも左手を離してしまった。だけど、ここで逃すわけにはいかない。
距離を取ろうとするライオネルを影俺と一緒に追いかけた。
「ハァッ!」「そりゃー!」
考える時間は必要ない。全力の一撃を目の前の肉の塊にぶつけるだけだ。
死突、暗黒拳、身体への全力体当たり——
とにかく足さえ止められれば捕まえられる。今度は絶対に離さない。
「まるで野獣だな。戦いに知性が感じられない」
「うるせい、サンドバッグは黙ってろ!」
両手に持った剣で俺と影俺の黒剣を余裕で捌いている。剣技のレベルが違う。
だったら野獣で結構だ。知性なんて必要ない。俺の中の殺戮本能を再び呼び覚ましてやる。
初妹ダンジョンで野獣のようにイキ狂った俺を止められると思うなよ。
「ゔがあああ‼︎ 逃すかああ‼︎」
影俺と一緒に両手に持った黒剣の切っ先を向けて突進した。斬られる覚悟のただの突進だ。
予想通り、口を狙った左右同時の剣突きがやって来た。
「うおおっ⁉︎」
「おががぁぁぁ……!」
もちろん俺は避けた。影俺はそのまま突進して、口に剣を貫通させている。
「良くやった、俺! オラッッ‼︎」
その自己犠牲に感謝した。影俺の黒剣がライオネルの腹を貫いている。
この隙を見逃さない。俺の黒剣も腹に突き刺した。
このまま顔面が潰れるまで二人で連打する。
「オラッ、オラッ!」
流石に二人は無理だった。口貫通状態の影俺は棒立ち状態だ。
仕方ないので黒剣から右手を離して、暗黒拳を顔面に打ち込んだ。
「うぐっ、無駄だと言ってる。”閃攻〟‼︎」
「ぐぅ、あああっ‼︎」
また駄目だった。ライオネルの身体が眩しく光ると吹き飛ばされた。
影俺の方は耐え切れずに消滅してしまった。
「おい、一体いつまで頑張るつもりだ。なあ、教えてくれよ。どうしても理解できないんだ。どうして、お前みたいな雑魚が俺を倒せると勘違いしてしまったんだ?」
「はぁはぁ! はぁはぁ!」
黒剣を腹から抜いて、俺に投げ返すと、不思議そうに言ってきた。
頭では挑発だと分かっている。だけど、こんな事言われて我慢できる奴は男じゃない。
黒剣を拾うと走り出した。
「だったら倒してやるよ!」
再び影俺を出して突撃した。お母さんなら娘と同じ目に遭わせている。
男に生まれた事を感謝しろ。ブチ殺すだけで許してやる。
「フンッ、オラァッ!」
右手に持った黒剣と、握り締めた左手の暗黒拳を全力で振り回し続ける。
反撃する隙は与えない。四本の腕で休まず攻撃をし続ける。
身体の一部でもいい。掴んだら死ぬ気で離さない。
「うらあああ! 捕まえたぞ!」
流石は俺だ。影俺がライオネルの両足に体当たりでしがみ付いた。
すると、ライオネルが……
「だったら死ね」
「させるかよ! ”死突〟!」
冷酷な目で影俺を見つめて、脳天を突き刺そうと左手の剣先を向けた。
そんな事させるわけがない。黒剣を頭に向かって突き出した。
最速の黒き槍が飛び出した。
「ぐあっ、くだらん技だ」
顔面に直撃したのに、首が仰け反っただけだった。
でも、これで充分だ。影俺が両足を引っ張って、ライオネルを地面にうつ伏せに倒した。
「ズボン脱がしてやる! ズボン脱がしてやるぞ!」
「このクソが! やめろ、殺すぞ!」
そのまま腹のズボンの縁を掴んで、全力で脱がそうとする。
それを阻止しようとライオネルが左右の手から剣を離した。
その剣を俺が蹴り飛ばすと、
「冗談に決まってるだろ。テメェーの汚ねえキンタマ見るつもりはねえよ」
「ぶはああっ……‼︎」
冷酷な眼差しで言って、暗黒拳を顔面に振り落としてやった。
約束通り、お前を【人間サンドバッグ】にしてやる。
「ぐぅああああっっ‼︎」
ライオネルの右腕に俺、左腕に影俺が乗ると、ウルトラソウルを纏った左右四つの拳を顔面に連打した。
骨を砕き、へし折る手応えを何度も感じる。それなのにライオネルは倒れる素振りを見せない。
本当に俺の攻撃が効いてないのなら、この攻撃に意味はない。
そう思ってしまった。それでも、
「ぐぅっ! この野獣が……」
俺達の攻撃に世界が耐えられなかったようだ。絶対聖域の白い世界にヒビが走った。
拳を打つけるたびにヒビが広がっていく。どうやら意味はあったようだ。
「俺の攻撃は効かないんだよな? ”ダブルトリプル——」
「ま、待てえ!」
だったら、超本気の一撃を喰らわせてやる。
二人の息を合わせて、右拳に最大威力の暗黒拳を凝縮していく。
これに耐えられたら合格だ。不合格になるまで何千発も打ち込んでやる。
「ウルトラソウル〟‼︎」
「ごはぁ、っっ……‼︎」
二つの三倍暗黒拳がライオネルの顔面を同時に殴り壊した。
その瞬間、顔面と同じように世界が崩壊した。
世界が崩壊して、屋敷の庭に戻ってきた。
「おい、嘘だろ……ライオネル様が倒れている‼︎」
「嘘だろ‼︎ アイツがやったのか‼︎」
戦士達が驚き、ざわめいている。
ボスが顔面ズタボロで血だらけになっている。いや、してやった。
そんな戦士達に右腕から立ち上がると大声で言ってやった。
「約束通り娘は貰っていく‼︎ 他に文句ある奴、居ねえよな‼︎」
「くぅ——‼︎」
娘を含めて、誰も名乗り出なかった。お父さんの許可は倒して貰っている。
これは脅迫ではない。つまり遠慮なく貰っていいという事だ。
地面に座り込んでいるヨハネに近づくと、左肩に担ぎ上げた。
「あひゃ⁉︎」
「帰るぞ、俺達の家に」
「う、うん……」
本人の同意も得た。これでトリプルダンジョンが再び俺のものになった。
これは家まで我慢できない。馬車を取り返して、馬車の中で早速攻略開始だ。
「フィリア! リラ! お前達も帰るぞ! さっさと来い!」
「ひゃ、ひゃい!」「あん、待って、お兄ちゃん!」
我慢できずにダブルダンジョンを呼んだ。すぐに返事が返ってきた。
二人もやる気充分みたいだ。これはもう家まで俺の命が持つかだな。
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