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第3章
第70話②インサイティング・イベント
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「あぁー、結婚って疲れるんだなぁ」
『ヒイイィン』
一人と一頭っきりになったので、愛馬に結婚生活の愚痴を言ってみた。
嫌われるのも疲れるけど、愛されるのも疲れるものだ。
最近は一人っきりの時間がない。常に三人のうちの誰かが隣にいた。
朝起きたらエッチ、昼になったからエッチ、寝る前のエッチ……家の中でエッチしかしてない。
そりゃー、新婚だから沢山するとは思うけど、やるにも限度がある。
聖剣も指も口も一旦ダンジョンとは距離を置きたくなるに決まっている。
もうエッチし過ぎて、性欲がパンパンに満たされている。
食欲と同じでお腹がいっぱいだと食べたいとは思わない。
女子のケーキは別腹みたいな意味不明な感覚で、満腹状態なのにエッチが出来るわけがない。
「さてと、これが何なのかやっと分かる」
アイテム鞄を撫でながら言った。
街に行く目的は息抜きと、AA級ダンジョンで倒した昆虫・植物モンスターの素材売り、ボス【千年竜木】を倒した時に出たデカイ木の実の鑑定だ。
モンスターの素材とレシピを調べる機関【研究所】に行けば、情報がたくさんあるから必ず分かるはずだ。
もしも貴重な素材なら高値で買取ってくれるから、今晩の食事が豪華なものになる。
でも、そうなると元気になった三人に俺がデザートとして食べられてしまう。
これだと本末転倒だ。内緒で何か自分の為になる物でも買うしかないな。
「よし、見えてきたな」
色々と考えていると【ルクセルべギア】の街が見えてきた。
街の建物の多くが、赤の屋根と白の外壁という特徴を持つ街だ。
人も店も多いから、昔の俺はこっちに住みたいと思っていた。
今は人目を気にせずにエッチが出来る、郊外の一軒家の方が気に入っている。
もしかすると、妹は人目を気にせずに俺とエッチがしたくてあの家を買ったのかもしれない。
「まあ、それはあり得ないか」
うん、間違いなく妄想だな。
やりたいなら、家買った日に俺が襲われているはずだ。
襲われてないという事はそういう事だ。
くだらない事を考えつつ、街の整備された道を進んで研究所に向かう。
研究所は建物が広いから馬車を止められる場所が確保されている。
「ちょっとかかるかもしれないけど、お利口にしてるんだぞ」
『ヒィン』
目的地に到着した。御者台から降りると、愛馬を優しく撫でて言った。
予想では30分もあれば終わると思う。大きな円型の研究所の建物に入った。
「えっと、こっちだな」
建物に入ると時計回りに進んでいく。
素材の買取りカウンターは低級ダンジョンから上級ダンジョンまで細かく分かれている。
上級になるほどにカウンターが空いているので、早く買取ってもらえる。
逆に低級が多いかと言われるとそうでもない。低級素材だと生活費を稼げない。
中級が一番多いのだが、ここは競争率が高いのでモンスターの奪い合いになってしまう。
それを避ける為に少し下とか少し上のダンジョンに挑戦する冒険者が多い。
「すみません。買取りお願いします」
「ご苦労様です。こちらに素材の入手ダンジョンの名前をご記入ください」
カウンターにいた白い制服の女性に話しかけると、笑顔で用紙を差し出してきた。
売りたい素材は【魔鏡樹海セントヘルナーデ】の物だけなので、用紙に書くのはこれだけでいい。
複数のダンジョンをハシゴして、まとめ売りする場合は行ったダンジョンは覚えてないと大変だ。
「魔鏡樹海セントヘルナーデですね。確かにAA級です。素材の入ったアイテム鞄をお願いします」
「はい、これです」
「では、あちらのお席で少々お待ちください」
制服女性に言われて、準備していた素材入りのアイテム鞄を渡した。
鞄を受け取ると外壁の椅子を手で指してくれた。あとは待つだけだ。
「お待たせしました」
17分ぐらいだろうか。
椅子に座って待っていると、俺のアイテム鞄を持った別の制服女性がやって来た。
買取りが終わったみたいだ。
「買取り合計金額は【482769バルス】になります。よろしかったでしょうか?」
「あー、はい。大丈夫です」
「ありがとうございます」
多いと言えば多いかなぐらいだ。木の実は大した価値はなかったみたいだ。
それでも何に使えるのか気になる。地面に埋めたら何かが育つのだろうか。
「あの、すみません……」
「はい、何でしょうか?」
とりあえず、茶色い髪と金色の瞳の20歳ちょうどぐらいの小顔な制服女性に聞いてみた。
「デカイ木の実みたいな物が入っていたと思うんですけど、あれは何になるんですか?」
「ああ、あれですね。申し訳ありませんが、あちらは買取り不可になりました。こちらのアイテム鞄に入っています」
すると、アイテム鞄にそのまま入っていると言われてしまった。
ボス素材が返品されるとは思ってなかった。
「えっ? ボスモンスターの素材なんですけど」
「えっ? ボスモンスターの素材ですか⁉︎ だとしたら未発見素材の可能性もあります! 一体どのようなモンスターでしたか!」
ゴミじゃなくて、ボス素材だと聞いて、制服女性の目の色が変わった。
未発見素材は研究所にとっては涎が出るほどに欲しいものだ。
「こう竜みたいにデカくて、全身が苔に覆われていて」
「はい? そのようなダンジョンボスは私が知る限り魔鏡樹海では確認されていません。その場合は未発見ボスになります。本当に間違いありませんか?」
俺の説明を聞いて明らかに制服女性の目の色が変わった。変わったというか落ちた。
明らかに俺が嘘を吐いている目で見ている。
だけど、その目で俺も分かってしまった。
この木の実は【レアボス素材】だ。【状態異常魔法の杖】みたいな物が手に入るかもしれない。
ここは貴重アイテムを独占する為に、本当の事を嘘だと捻じ曲げよう。
「知りたいなら、続きは宿屋に行ってからだ。それでもいいなら話してやるぜ」
「……」
冒険者が制服女性を誘う、よくある手だ。外壁を親指でキメ顔で指してみた。
たまに見かけるけど、成功した奴は見た事がない。
『ヒイイィン』
一人と一頭っきりになったので、愛馬に結婚生活の愚痴を言ってみた。
嫌われるのも疲れるけど、愛されるのも疲れるものだ。
最近は一人っきりの時間がない。常に三人のうちの誰かが隣にいた。
朝起きたらエッチ、昼になったからエッチ、寝る前のエッチ……家の中でエッチしかしてない。
そりゃー、新婚だから沢山するとは思うけど、やるにも限度がある。
聖剣も指も口も一旦ダンジョンとは距離を置きたくなるに決まっている。
もうエッチし過ぎて、性欲がパンパンに満たされている。
食欲と同じでお腹がいっぱいだと食べたいとは思わない。
女子のケーキは別腹みたいな意味不明な感覚で、満腹状態なのにエッチが出来るわけがない。
「さてと、これが何なのかやっと分かる」
アイテム鞄を撫でながら言った。
街に行く目的は息抜きと、AA級ダンジョンで倒した昆虫・植物モンスターの素材売り、ボス【千年竜木】を倒した時に出たデカイ木の実の鑑定だ。
モンスターの素材とレシピを調べる機関【研究所】に行けば、情報がたくさんあるから必ず分かるはずだ。
もしも貴重な素材なら高値で買取ってくれるから、今晩の食事が豪華なものになる。
でも、そうなると元気になった三人に俺がデザートとして食べられてしまう。
これだと本末転倒だ。内緒で何か自分の為になる物でも買うしかないな。
「よし、見えてきたな」
色々と考えていると【ルクセルべギア】の街が見えてきた。
街の建物の多くが、赤の屋根と白の外壁という特徴を持つ街だ。
人も店も多いから、昔の俺はこっちに住みたいと思っていた。
今は人目を気にせずにエッチが出来る、郊外の一軒家の方が気に入っている。
もしかすると、妹は人目を気にせずに俺とエッチがしたくてあの家を買ったのかもしれない。
「まあ、それはあり得ないか」
うん、間違いなく妄想だな。
やりたいなら、家買った日に俺が襲われているはずだ。
襲われてないという事はそういう事だ。
くだらない事を考えつつ、街の整備された道を進んで研究所に向かう。
研究所は建物が広いから馬車を止められる場所が確保されている。
「ちょっとかかるかもしれないけど、お利口にしてるんだぞ」
『ヒィン』
目的地に到着した。御者台から降りると、愛馬を優しく撫でて言った。
予想では30分もあれば終わると思う。大きな円型の研究所の建物に入った。
「えっと、こっちだな」
建物に入ると時計回りに進んでいく。
素材の買取りカウンターは低級ダンジョンから上級ダンジョンまで細かく分かれている。
上級になるほどにカウンターが空いているので、早く買取ってもらえる。
逆に低級が多いかと言われるとそうでもない。低級素材だと生活費を稼げない。
中級が一番多いのだが、ここは競争率が高いのでモンスターの奪い合いになってしまう。
それを避ける為に少し下とか少し上のダンジョンに挑戦する冒険者が多い。
「すみません。買取りお願いします」
「ご苦労様です。こちらに素材の入手ダンジョンの名前をご記入ください」
カウンターにいた白い制服の女性に話しかけると、笑顔で用紙を差し出してきた。
売りたい素材は【魔鏡樹海セントヘルナーデ】の物だけなので、用紙に書くのはこれだけでいい。
複数のダンジョンをハシゴして、まとめ売りする場合は行ったダンジョンは覚えてないと大変だ。
「魔鏡樹海セントヘルナーデですね。確かにAA級です。素材の入ったアイテム鞄をお願いします」
「はい、これです」
「では、あちらのお席で少々お待ちください」
制服女性に言われて、準備していた素材入りのアイテム鞄を渡した。
鞄を受け取ると外壁の椅子を手で指してくれた。あとは待つだけだ。
「お待たせしました」
17分ぐらいだろうか。
椅子に座って待っていると、俺のアイテム鞄を持った別の制服女性がやって来た。
買取りが終わったみたいだ。
「買取り合計金額は【482769バルス】になります。よろしかったでしょうか?」
「あー、はい。大丈夫です」
「ありがとうございます」
多いと言えば多いかなぐらいだ。木の実は大した価値はなかったみたいだ。
それでも何に使えるのか気になる。地面に埋めたら何かが育つのだろうか。
「あの、すみません……」
「はい、何でしょうか?」
とりあえず、茶色い髪と金色の瞳の20歳ちょうどぐらいの小顔な制服女性に聞いてみた。
「デカイ木の実みたいな物が入っていたと思うんですけど、あれは何になるんですか?」
「ああ、あれですね。申し訳ありませんが、あちらは買取り不可になりました。こちらのアイテム鞄に入っています」
すると、アイテム鞄にそのまま入っていると言われてしまった。
ボス素材が返品されるとは思ってなかった。
「えっ? ボスモンスターの素材なんですけど」
「えっ? ボスモンスターの素材ですか⁉︎ だとしたら未発見素材の可能性もあります! 一体どのようなモンスターでしたか!」
ゴミじゃなくて、ボス素材だと聞いて、制服女性の目の色が変わった。
未発見素材は研究所にとっては涎が出るほどに欲しいものだ。
「こう竜みたいにデカくて、全身が苔に覆われていて」
「はい? そのようなダンジョンボスは私が知る限り魔鏡樹海では確認されていません。その場合は未発見ボスになります。本当に間違いありませんか?」
俺の説明を聞いて明らかに制服女性の目の色が変わった。変わったというか落ちた。
明らかに俺が嘘を吐いている目で見ている。
だけど、その目で俺も分かってしまった。
この木の実は【レアボス素材】だ。【状態異常魔法の杖】みたいな物が手に入るかもしれない。
ここは貴重アイテムを独占する為に、本当の事を嘘だと捻じ曲げよう。
「知りたいなら、続きは宿屋に行ってからだ。それでもいいなら話してやるぜ」
「……」
冒険者が制服女性を誘う、よくある手だ。外壁を親指でキメ顔で指してみた。
たまに見かけるけど、成功した奴は見た事がない。
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