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第3章
第92話⑧プロットポイント②
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「ふぅ~。今日はこの辺で許してやるか」
ベッドは置いていってやろう。
メイド二人が完全に虫の息だ。ピクリとも動かない。
身も心も聖剣もスッキリお掃除してもらった。
死霊廃城での用事を片付けたら、帰り道に拾って帰るとしよう。
その頃には多分元気になっているはずだ。
身体を綺麗にタオルで拭くと、服を着て馬車に向かった。
二人は始末した事にして、明日はエルシアの馬車は影俺に操術させる。
ヨハネの馬車は俺が操術すれば問題ない。
「遅かったわね」
荷台のカーテンを開けると、起きていたエルシアが早速聞いてきた。
「他に仲間がいないか訊問してきました。なかなか口を割らないから苦労しました」
「へぇー、それでいたの?」
「いえ、それが喋る前に死んでしまいまして……」
まあ、ほとんど半殺しというか、虫の息だ。喋れないのは嘘ではない。
「はぁー、役に立たないわね。まあ、いいわ。明日には全てが終わるから」
「申し訳ありません。私はあちらの馬車に行かせてもらいます。あとは頼んだぞ」
一体何が終わるのか気になるが、余計な真似はしない。
この植物女を拷問すれば話すかもしれないけど、話さない可能性もある。
このまま無難に魅了されたフリだ。影俺を出すとヨハネの馬車に向かった。
メイド二人がいなくなった理由を聞かれたら「俺を信じろ!」の一言で解決する。
出来ない場合は拘束魔法で死霊廃城まで連れて行くしかない。
翌日の朝……
「ちょっと止まってよ‼︎ 漏れる‼︎ 本当に漏れるから‼︎」
「あれか……」
言葉だけじゃ解決できなかった。なので、拘束術で解決した。
何だか嫌な予感がする。朝だというのに暗雲が立ち込めている。
険しい岩山の道を進み続けていると、目的地の死霊廃城が見えてきた。
灰色の古びた大きな城だ。城門を通り抜けると壊れた噴水の前で馬車を止めた。
「ようやく帰って来れた。さあ、入りましょう」
「分かりました。おい、遅れずに付いて来いよ」
馬車から降りたエルシアが廃城を懐かしそうに見上げると、俺を待たずに進み出した。
荷台に乗る三人の拘束魔法を解除すると、影俺を影に戻して、後に続いた。
「漏れる言うたやろがあ‼︎」
「はぐぅっ!」
けれども、エルシアに追いつく前に、猛ダッシュで追いかけてきたリラが俺の後頭部を強殴打した。
振り返るとズボンと太ももが濡れていた。通り雨が降ったみたいだ。
アイテム鞄からタオルを出すと、無言で渡した。これが男の優しさだ。
「テメェーが拭け‼︎」
「はふぅ!」
そう思っていたのに、腹に怒りの鉄拳がブチ込まれた。やっぱり駄目だった。
「くぅっ!」
だけど、ここで拭くわけにはいかない。今の俺はエルシアに魅了中だ。
ズボンとパンティを脱がして、タオルで股を拭くなんて変態がする事だ。
敵を欺くには味方から。許してくれとは言わないが、俺を信じてくれ。
「フンッ!」
「ああっ‼︎ この野朗ぉー‼︎」
お漏らし妻にタオルを投げつけると、猛ダッシュで城の中に駆け込んだ。
俺は四つ目の職業を手に入れるのに忙しい。相手ならあとでたっぷりしてやる。
「分かっていると思うけど、雑魚は相手にするだけ時間の無駄よ。玉座まで最短で行くわよ」
「了解しました」
城の扉の前で、俺が追いつくのをエルシアが立ち止まって待っていた。
おっぱいからミルクを出す能力しかないから、俺がいないと死霊達の餌になってしまう。
賢明な判断だ。
といっても、ここに来るのは初めてだ。
調べようにもS級ダンジョンの情報は貴重だ。
死霊モンスターと言われても、幽霊とかゾンビぐらいしか思いつかない。
『ウアアア……』
『グゥルルル……』
なるほど。こんな感じか。
城に入ってすぐの玄関広間にある二つの階段の右側を上ると、早速死霊と遭遇した。
真っ黒なローブを頭から被り、右手には錆びた剣を持っている。
左右に赤い目の黒い狼を連れている。
この城に無断で住んでいる浮浪者にも見えるけど、多分モンスターだ。
急に肌寒くなったし、半透明の身体は生きているとは思えない。
存在感がどんなに薄くても、生きてる人間は半透明にはならない。
「すぐに片付けます」
死霊達の前に立つとエルシアに言った。
死霊と言っても、亜人一人に狼二匹だ。俺の敵じゃない。
殴る瞬間に右拳にウルトラヒールをかける。それで倒せるはずだ。
「言ったでしょ。相手をするだけ時間の無駄だって。あっちに任せればいいわ」
それなのに戦う必要はないと、エルシアが階段の下を指差した。
「コラッー‼︎ よくもやったわね‼︎」
「あっ!」
少し遅いと思ったら、リラが下を着替えてやって来た。
大声で叫んでいるけど、それは静かな廃城では禁止事項だ。
天井や壁、床をすり抜けて、死霊モンスターがウジャウジャ集まってきた。
「まったく、クロウリアに対策を聞いてなかったら終わりでしたね。フィリア、リラの身体に聖属性付与してください」
「任せておいて! ”ホーリーギフト〟」
リラに続いて、ヨハネと妹が入ってきた。
ヨハネに頼まれて、妹が魔法を唱えた。
すると、リラの身体が白い光に覆われた。
「あ、あれは⁉︎」
間違いない。僧侶の俺が見間違うはずがない。
あれは聖属性魔法だ。脳筋妹が魔法を使っている。
「一体いつの間に……」
ベッドは置いていってやろう。
メイド二人が完全に虫の息だ。ピクリとも動かない。
身も心も聖剣もスッキリお掃除してもらった。
死霊廃城での用事を片付けたら、帰り道に拾って帰るとしよう。
その頃には多分元気になっているはずだ。
身体を綺麗にタオルで拭くと、服を着て馬車に向かった。
二人は始末した事にして、明日はエルシアの馬車は影俺に操術させる。
ヨハネの馬車は俺が操術すれば問題ない。
「遅かったわね」
荷台のカーテンを開けると、起きていたエルシアが早速聞いてきた。
「他に仲間がいないか訊問してきました。なかなか口を割らないから苦労しました」
「へぇー、それでいたの?」
「いえ、それが喋る前に死んでしまいまして……」
まあ、ほとんど半殺しというか、虫の息だ。喋れないのは嘘ではない。
「はぁー、役に立たないわね。まあ、いいわ。明日には全てが終わるから」
「申し訳ありません。私はあちらの馬車に行かせてもらいます。あとは頼んだぞ」
一体何が終わるのか気になるが、余計な真似はしない。
この植物女を拷問すれば話すかもしれないけど、話さない可能性もある。
このまま無難に魅了されたフリだ。影俺を出すとヨハネの馬車に向かった。
メイド二人がいなくなった理由を聞かれたら「俺を信じろ!」の一言で解決する。
出来ない場合は拘束魔法で死霊廃城まで連れて行くしかない。
翌日の朝……
「ちょっと止まってよ‼︎ 漏れる‼︎ 本当に漏れるから‼︎」
「あれか……」
言葉だけじゃ解決できなかった。なので、拘束術で解決した。
何だか嫌な予感がする。朝だというのに暗雲が立ち込めている。
険しい岩山の道を進み続けていると、目的地の死霊廃城が見えてきた。
灰色の古びた大きな城だ。城門を通り抜けると壊れた噴水の前で馬車を止めた。
「ようやく帰って来れた。さあ、入りましょう」
「分かりました。おい、遅れずに付いて来いよ」
馬車から降りたエルシアが廃城を懐かしそうに見上げると、俺を待たずに進み出した。
荷台に乗る三人の拘束魔法を解除すると、影俺を影に戻して、後に続いた。
「漏れる言うたやろがあ‼︎」
「はぐぅっ!」
けれども、エルシアに追いつく前に、猛ダッシュで追いかけてきたリラが俺の後頭部を強殴打した。
振り返るとズボンと太ももが濡れていた。通り雨が降ったみたいだ。
アイテム鞄からタオルを出すと、無言で渡した。これが男の優しさだ。
「テメェーが拭け‼︎」
「はふぅ!」
そう思っていたのに、腹に怒りの鉄拳がブチ込まれた。やっぱり駄目だった。
「くぅっ!」
だけど、ここで拭くわけにはいかない。今の俺はエルシアに魅了中だ。
ズボンとパンティを脱がして、タオルで股を拭くなんて変態がする事だ。
敵を欺くには味方から。許してくれとは言わないが、俺を信じてくれ。
「フンッ!」
「ああっ‼︎ この野朗ぉー‼︎」
お漏らし妻にタオルを投げつけると、猛ダッシュで城の中に駆け込んだ。
俺は四つ目の職業を手に入れるのに忙しい。相手ならあとでたっぷりしてやる。
「分かっていると思うけど、雑魚は相手にするだけ時間の無駄よ。玉座まで最短で行くわよ」
「了解しました」
城の扉の前で、俺が追いつくのをエルシアが立ち止まって待っていた。
おっぱいからミルクを出す能力しかないから、俺がいないと死霊達の餌になってしまう。
賢明な判断だ。
といっても、ここに来るのは初めてだ。
調べようにもS級ダンジョンの情報は貴重だ。
死霊モンスターと言われても、幽霊とかゾンビぐらいしか思いつかない。
『ウアアア……』
『グゥルルル……』
なるほど。こんな感じか。
城に入ってすぐの玄関広間にある二つの階段の右側を上ると、早速死霊と遭遇した。
真っ黒なローブを頭から被り、右手には錆びた剣を持っている。
左右に赤い目の黒い狼を連れている。
この城に無断で住んでいる浮浪者にも見えるけど、多分モンスターだ。
急に肌寒くなったし、半透明の身体は生きているとは思えない。
存在感がどんなに薄くても、生きてる人間は半透明にはならない。
「すぐに片付けます」
死霊達の前に立つとエルシアに言った。
死霊と言っても、亜人一人に狼二匹だ。俺の敵じゃない。
殴る瞬間に右拳にウルトラヒールをかける。それで倒せるはずだ。
「言ったでしょ。相手をするだけ時間の無駄だって。あっちに任せればいいわ」
それなのに戦う必要はないと、エルシアが階段の下を指差した。
「コラッー‼︎ よくもやったわね‼︎」
「あっ!」
少し遅いと思ったら、リラが下を着替えてやって来た。
大声で叫んでいるけど、それは静かな廃城では禁止事項だ。
天井や壁、床をすり抜けて、死霊モンスターがウジャウジャ集まってきた。
「まったく、クロウリアに対策を聞いてなかったら終わりでしたね。フィリア、リラの身体に聖属性付与してください」
「任せておいて! ”ホーリーギフト〟」
リラに続いて、ヨハネと妹が入ってきた。
ヨハネに頼まれて、妹が魔法を唱えた。
すると、リラの身体が白い光に覆われた。
「あ、あれは⁉︎」
間違いない。僧侶の俺が見間違うはずがない。
あれは聖属性魔法だ。脳筋妹が魔法を使っている。
「一体いつの間に……」
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