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第二十一話 冷たい雨が降る
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「ペトラ、大丈夫‼︎」
包丁を地面に置くと、お腹血だらけで目を閉じているペトラに呼びかけた。
「……ぅぅぅ」
良かった。小さいけど呻き声が聞こえた。まだ生きている。
だけど、早く手当しないと死んじゃう。この敏朗の力なら助けられるかもしれない。
地面の包丁を右手で掴んで『お願い助けて!』と強く念じた。
「‼︎」
私の願いが通じたのか、敏朗がパァッと輝き始めた。
縦と横にどんどん広がって、四角い巨大な何かに変わっていく。
「こ、これは……?」
輝きがおさまると、見覚えのある銀色に輝く金属の四角い箱が完成した。
高さ七十センチ、縦七十センチ、横二メートル……絶対に『冷蔵庫』だ。
大きな扉が一つで横に倒れているけど、この長方形の物体は冷蔵庫で間違いない。
つまりこの冷蔵庫にペトラを入れろという事だ。
「……ぁぅっ……ル、ルカさん……」
「ペトラ、もう大丈夫だからね! すぐに街に連れて行くからね!」
冷蔵庫に人を入れるとか馬鹿なこと考えていると、ペトラが意識を取り戻した。
弱々しい声と瞳だけど、しっかりと私の顔を見ている。
冷たい小さな右手を急いで両手で握り締めて、大丈夫だと呼びかけた。
安心したいのは私の方だけど、二人で安心した方が良いに決まっている。
「ご、ごめんなさぃ……待って……いられな……」
「いいの! 私の買い物が遅かったのが悪いんだ! ペトラは何も悪くないよ!」
息をするのも苦しそうだ。
弱々しく話すペトラを見ていると、私の胸がギュッと締め付けられるようだ。
首を左右に振って、ペトラは悪くないと否定するけど……
「いいえ、ルカさんは悪くないです。私、知ってたんです……お母さんが助からないって。でも……死ぬのを待つなんて出来なくて……それなのに……ルカさんに……一杯迷惑かけ……」
「もう喋らなくていいから! ゆっくり寝てて! ペトラもお母さんも私が助けるから! もう大丈夫だから!」
「はぁ……はぁ……だから、きっと……罰が当たったんです……」
「違う、違うよ! そんなわけないでしょ! ペトラは何も悪くない! こんな良い子は他にいないよ!」
ペトラは死ぬ前の懺悔みたいに謝るのを止めない。
こんな事言われたら、泣いてしまう。
ポタポタとダラシなく涙を流して、何も悪くないとペトラの謝罪を強く否定し続ける。
「ル、ルカさん……お願いがあるんです……」
「何でも言って! 私に出来る事なら何でもするから!」
これ以上喋らせたくないのに、ペトラがお願いがあると言ってきた。
もちろん聞いてあげるに決まってる。
「私が死んだら……お母さんと一緒のお墓に……入れて——」
「——出来るわけないでしょ‼︎」
何でも聞いてあげるけど、こんな悲しいお願い聞けるわけない‼︎
死ぬ前の最後のお願いを言うペトラに必要なのは優しさなんかじゃない。
生きる為の強い言葉だ。
「お母さん、ううん、ラナさん言ってたよ。私が死んだらペトラをお願いって。私がラナさんの代わりになるから。頼りないし、嫌かもしれないけど、それでも頑張るから。だから、ペトラも頑張って! 最後まで諦めないで! ラナさんの分まで生きないと駄目だよ‼︎」
死にそうだからって弱気になるのは駄目だ。
死ぬ気になったら何でも出来るけど、死ぬ気で死ぬのは絶対駄目だ。
お母さんと一緒に死にたいと願うペトラを強く否定して、二人で生きようと励ます。
「……お母さんの分まで……?」
「そうだよ! ペトラがお母さんの分まで幸せにならないと駄目なんだよ! それがお母さんの願いなんだよ!」
私の必死の説得が効いたのか、ペトラの雰囲気が変わった。
苦しそうにしていたのに、何かを考えるようにボーッと一点を見つている。
そして、小さな声で呟いた。
「そんなの無理だよ……」
「えっ?」
ペトラの茶色い目からポロリの涙が溢れた。
「ぅぅぅ……ぅぅぅ……お母さんがいないのに……生きたくなんかないよ……」
「ペ、ペトラ……」
駄目だ。もう何も言えない。なんて言ったらいいのか分からない。
何処かで聞いたような薄い台詞で必死に元気づけてたけど、本気で死にたい人を止める言葉なんて知らない。
ペトラと同じように世界で一番大切な人が死んだ時、私は明日も生きたいと思うだろうか?
……きっと笑えない。笑える自信なんてない。
死んだように生きる事は出来ても、幸せだと思える日は永遠に来ないと思う。
今日会ったばかりのペトラが死にそうだというだけで、私の心は苦しくて壊れそうなのに。
長い年月を一緒に過ごした大好きなお母さんが死んだら、ペトラの心も一緒に死んでしまう。
そんな死んだ心の人に私なんかが軽々しく『生きろ』なんて言えない。言ってはいけない。
「ぐぅっ!」
何も言えずに歯を食い縛り、自分の無力に黙って耐えるしかない。
ラナさんを救う事が出来ないなら、最初から依頼を受けるべきじゃなかった。
私の所為でペトラまで死んでしまう。私の所為で……
(雨……?)
ただ見ているだけしか出来ない私の頬に、水滴がポタッと落ちてきた。
暗い雨雲が星空を覆い隠し、次々に弱々しい冷たい雨が降ってきた。
まるで世界が泣いているみたいだ。
「……ペトラ?」
「…………」
瞬きしないペトラの目を見つめて呼びかけた。
返事が聞こえない。冷たい雨音しか聞こえない。
目を開けたままのペトラの身体が雨に打たれて冷たくなっていく。
このまま……
「駄目だ! そんなの絶対駄目だ!」
このまま楽に死なせない! それがペトラの願いだとして、私には出来ない!
辛くても悲しくても、生きてさえいれば幸せだと思える日は必ずやって来る。
例え恨まれたとしても、私がそう思える日を作ってあげる!
「うわあああああ‼︎」
悲しみも後悔も全部叫び出すと、冷蔵庫の大きな扉を持ち上げた。
冷蔵庫の中の壁には氷の膜が張り付いていた。冷蔵庫じゃなくて、冷凍庫だった。
「ごめん、ペトラ。ちょっと冷たいけど我慢して」
「…………」
返事はない。無言のペトラの背中と膝に腕を回して持ち上げた。
そのまま大人四人は入れそうな冷凍庫の中に、ペトラを優しく寝かせた。
今助けるのは無理でも、必ずお母さんとペトラを助ける方法を見つける。
だから……死にたいなんて悲しいこと二度と言わないで。
包丁を地面に置くと、お腹血だらけで目を閉じているペトラに呼びかけた。
「……ぅぅぅ」
良かった。小さいけど呻き声が聞こえた。まだ生きている。
だけど、早く手当しないと死んじゃう。この敏朗の力なら助けられるかもしれない。
地面の包丁を右手で掴んで『お願い助けて!』と強く念じた。
「‼︎」
私の願いが通じたのか、敏朗がパァッと輝き始めた。
縦と横にどんどん広がって、四角い巨大な何かに変わっていく。
「こ、これは……?」
輝きがおさまると、見覚えのある銀色に輝く金属の四角い箱が完成した。
高さ七十センチ、縦七十センチ、横二メートル……絶対に『冷蔵庫』だ。
大きな扉が一つで横に倒れているけど、この長方形の物体は冷蔵庫で間違いない。
つまりこの冷蔵庫にペトラを入れろという事だ。
「……ぁぅっ……ル、ルカさん……」
「ペトラ、もう大丈夫だからね! すぐに街に連れて行くからね!」
冷蔵庫に人を入れるとか馬鹿なこと考えていると、ペトラが意識を取り戻した。
弱々しい声と瞳だけど、しっかりと私の顔を見ている。
冷たい小さな右手を急いで両手で握り締めて、大丈夫だと呼びかけた。
安心したいのは私の方だけど、二人で安心した方が良いに決まっている。
「ご、ごめんなさぃ……待って……いられな……」
「いいの! 私の買い物が遅かったのが悪いんだ! ペトラは何も悪くないよ!」
息をするのも苦しそうだ。
弱々しく話すペトラを見ていると、私の胸がギュッと締め付けられるようだ。
首を左右に振って、ペトラは悪くないと否定するけど……
「いいえ、ルカさんは悪くないです。私、知ってたんです……お母さんが助からないって。でも……死ぬのを待つなんて出来なくて……それなのに……ルカさんに……一杯迷惑かけ……」
「もう喋らなくていいから! ゆっくり寝てて! ペトラもお母さんも私が助けるから! もう大丈夫だから!」
「はぁ……はぁ……だから、きっと……罰が当たったんです……」
「違う、違うよ! そんなわけないでしょ! ペトラは何も悪くない! こんな良い子は他にいないよ!」
ペトラは死ぬ前の懺悔みたいに謝るのを止めない。
こんな事言われたら、泣いてしまう。
ポタポタとダラシなく涙を流して、何も悪くないとペトラの謝罪を強く否定し続ける。
「ル、ルカさん……お願いがあるんです……」
「何でも言って! 私に出来る事なら何でもするから!」
これ以上喋らせたくないのに、ペトラがお願いがあると言ってきた。
もちろん聞いてあげるに決まってる。
「私が死んだら……お母さんと一緒のお墓に……入れて——」
「——出来るわけないでしょ‼︎」
何でも聞いてあげるけど、こんな悲しいお願い聞けるわけない‼︎
死ぬ前の最後のお願いを言うペトラに必要なのは優しさなんかじゃない。
生きる為の強い言葉だ。
「お母さん、ううん、ラナさん言ってたよ。私が死んだらペトラをお願いって。私がラナさんの代わりになるから。頼りないし、嫌かもしれないけど、それでも頑張るから。だから、ペトラも頑張って! 最後まで諦めないで! ラナさんの分まで生きないと駄目だよ‼︎」
死にそうだからって弱気になるのは駄目だ。
死ぬ気になったら何でも出来るけど、死ぬ気で死ぬのは絶対駄目だ。
お母さんと一緒に死にたいと願うペトラを強く否定して、二人で生きようと励ます。
「……お母さんの分まで……?」
「そうだよ! ペトラがお母さんの分まで幸せにならないと駄目なんだよ! それがお母さんの願いなんだよ!」
私の必死の説得が効いたのか、ペトラの雰囲気が変わった。
苦しそうにしていたのに、何かを考えるようにボーッと一点を見つている。
そして、小さな声で呟いた。
「そんなの無理だよ……」
「えっ?」
ペトラの茶色い目からポロリの涙が溢れた。
「ぅぅぅ……ぅぅぅ……お母さんがいないのに……生きたくなんかないよ……」
「ペ、ペトラ……」
駄目だ。もう何も言えない。なんて言ったらいいのか分からない。
何処かで聞いたような薄い台詞で必死に元気づけてたけど、本気で死にたい人を止める言葉なんて知らない。
ペトラと同じように世界で一番大切な人が死んだ時、私は明日も生きたいと思うだろうか?
……きっと笑えない。笑える自信なんてない。
死んだように生きる事は出来ても、幸せだと思える日は永遠に来ないと思う。
今日会ったばかりのペトラが死にそうだというだけで、私の心は苦しくて壊れそうなのに。
長い年月を一緒に過ごした大好きなお母さんが死んだら、ペトラの心も一緒に死んでしまう。
そんな死んだ心の人に私なんかが軽々しく『生きろ』なんて言えない。言ってはいけない。
「ぐぅっ!」
何も言えずに歯を食い縛り、自分の無力に黙って耐えるしかない。
ラナさんを救う事が出来ないなら、最初から依頼を受けるべきじゃなかった。
私の所為でペトラまで死んでしまう。私の所為で……
(雨……?)
ただ見ているだけしか出来ない私の頬に、水滴がポタッと落ちてきた。
暗い雨雲が星空を覆い隠し、次々に弱々しい冷たい雨が降ってきた。
まるで世界が泣いているみたいだ。
「……ペトラ?」
「…………」
瞬きしないペトラの目を見つめて呼びかけた。
返事が聞こえない。冷たい雨音しか聞こえない。
目を開けたままのペトラの身体が雨に打たれて冷たくなっていく。
このまま……
「駄目だ! そんなの絶対駄目だ!」
このまま楽に死なせない! それがペトラの願いだとして、私には出来ない!
辛くても悲しくても、生きてさえいれば幸せだと思える日は必ずやって来る。
例え恨まれたとしても、私がそう思える日を作ってあげる!
「うわあああああ‼︎」
悲しみも後悔も全部叫び出すと、冷蔵庫の大きな扉を持ち上げた。
冷蔵庫の中の壁には氷の膜が張り付いていた。冷蔵庫じゃなくて、冷凍庫だった。
「ごめん、ペトラ。ちょっと冷たいけど我慢して」
「…………」
返事はない。無言のペトラの背中と膝に腕を回して持ち上げた。
そのまま大人四人は入れそうな冷凍庫の中に、ペトラを優しく寝かせた。
今助けるのは無理でも、必ずお母さんとペトラを助ける方法を見つける。
だから……死にたいなんて悲しいこと二度と言わないで。
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