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第3章 悪の組織が本格始動
30 運動会危機一髪 7 〔微かな光が……〕
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「さあ、今日も行くぞ、ドローン発進!」
「発進しまーす!」
6回目ともなると板についたもので、キング司令と部下のトールは、目をつぶっていても、一連の動作ができるようになった。
今日は、金曜の朝である。あれから運動会は、毎日順延になっている。
「あーあ、暇だんべ!……おら、な~んも、することないんだべ~……つまんないな~」
部下のタンクは、半分不貞腐れて、寝そべっていた。
「何を言ってるの、あなたの役目は、ここまであの大切なドローンを運ぶ事よ!」
ジョセフィーヌは、少しきつい口調で、タンクを叱った。
「だってよ、ここは学校の屋上だべよ! この学校は、4階建てだから、屋上は、5階分も階段を上らないとダメだんべ! 学校だから、エレベーターはねえしヨー、オレ疲れただよ」
「そんなこと言わないで、あなたは、体力だけが取り柄なんだから……頑張りなさい!」
何とか、なだめて言うことを聞かせようとするジョセフィーヌだった。
「なあ!……1回でいいから、オラにも、そのドローンを操縦させてけれ! おねげえだ!なあ……」
必死に頼むタンクを見て、ジョセフィーヌはついほだされてしまったのだ。
「……じゃあ、雲を作った後だったら、いいわよ。それだったら、多少失敗しても影響ないから……」
「よーーーーーーーし、オラ、がんばるぞおお!!」
俄然、やる気を出して、上空を睨みつけたタンクだった。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「じゃあ、ほら、交代だ……荷物は、空っぽだけど、気を付けろよ……」
心配そうにトールは、操縦桿を静かにタンクに渡した。
「よーし、……アクセル全開だ!……右旋回………左旋回………急下降……」
「あああーーそんな余計なことしないでーーー壊れたらどうするの?」
ジョセフィーヌは、悲鳴を上げそうになった。
「そのドローンは、レンタルなのよ! 性能が良くて、とっても買えないの。まして、壊したりしたら……………ヒエエエエエエ………………」
顔がみるみる真っ青になっていくジョセフィーヌだった。
「こら! タンク、いい加減にしろ!」
トールが、タンクの頭を一発殴って、操縦桿を取り戻した。
「まったく、お前ってやつは……」
キング司令もタンクにコンコンとお説教を始めた。
「おかしいぞ! ジョン……ドローンが……」
「急激に負荷をかけたからだと思うわ。通常のホバリング運転で様子を見てちょうだい」
「ああ……大丈夫だ、元にもどった。びっくりしたぜ……本当に焦るぜ、タンク」
それでも、トールはタンクのことをそんなに怒るでもなく、少し気にかけながら、またドローンの運転を続けて、無事着陸させた。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
【その日、雨が降り始めた時】
「……やっぱり、今日も雨だね、教頭……」
ベルフィールは、残念そうに職員室で教頭のそばに寄ってきた。
「ああ、でも、お弁当は、また一緒に食べられるだろう」
半ば、あきらめた様子で、教頭がつぶやいた。
「んー、でもね、一緒に食べてるみんながね。……楽しくなさそうなんだよ……やっぱり、楽しいお弁当じゃないと、いくら総司のお弁当でも、やっぱりダメ」
ベルフィールは、悲しそうに答えた。
「そっか……」
力なく、岸川教頭は、ベルフィールの言葉を頭の中で繰り返した。その時、校務技師の鎌田が、職員室に駆け込んで来た。
「総司、防衛隊のみんなを作戦室に集めてくれ、頼む!」
「え? 何かあったのか?」
「大変なことが分かったかもしれないんだ!」
「よし、全員集合だ!!」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「これを見てくれ!」
鎌田技師は、大きなビデオパネルに、ここ1週間の天気図を拡大表示した。しかも、この第1古里小学校周辺のみだった。
「次は、これが日付と時間経過だ」
運動会が順延になった日の朝に限定し、しかも雨が降り出した時間前後に絞った天気図だけを並べた。
「最後は、これだ……」
「「「ああああああ!……こ、これは!……」」」
集まった、防衛隊は、全員驚愕の声をあげた。
「よく調べましたね……いや、分析しましたね、さすが技師長だ!!」
岸川教頭は、満面の笑みをもって、防衛隊技師長の鎌田を誉め讃えた。
「すごいよ、鎌田のおっちゃん、もう給食室の食材が限界だったのよ。これ以上運動会が延びたら、給食用の買いだめした食材を捨てなきゃいけないとこだったのよねー」
「ステキーおっちゃん!! これで、敵をやっつければ、みんなで楽しいお弁当を食べられるのね……私、頑張るからね、総司」
明るい笑顔が戻ったベルフィールだった。
技師長鎌田の示した天気図は、ビデオパネルによって気象衛星と融合され、詳細な雲画像に変換された。
加えて、GPSや近くの防犯カメラともリンクさせ、上空を飛ぶドローンが映し出されていたのだった。
しかも、学校の屋上には、それを操縦する悪の組織の姿もはっきり見ることができた。
「よし、明日の朝こそは絶対に雨は降らせないぞ!!」
「「「おーーー!!」」」
(つづく)
「発進しまーす!」
6回目ともなると板についたもので、キング司令と部下のトールは、目をつぶっていても、一連の動作ができるようになった。
今日は、金曜の朝である。あれから運動会は、毎日順延になっている。
「あーあ、暇だんべ!……おら、な~んも、することないんだべ~……つまんないな~」
部下のタンクは、半分不貞腐れて、寝そべっていた。
「何を言ってるの、あなたの役目は、ここまであの大切なドローンを運ぶ事よ!」
ジョセフィーヌは、少しきつい口調で、タンクを叱った。
「だってよ、ここは学校の屋上だべよ! この学校は、4階建てだから、屋上は、5階分も階段を上らないとダメだんべ! 学校だから、エレベーターはねえしヨー、オレ疲れただよ」
「そんなこと言わないで、あなたは、体力だけが取り柄なんだから……頑張りなさい!」
何とか、なだめて言うことを聞かせようとするジョセフィーヌだった。
「なあ!……1回でいいから、オラにも、そのドローンを操縦させてけれ! おねげえだ!なあ……」
必死に頼むタンクを見て、ジョセフィーヌはついほだされてしまったのだ。
「……じゃあ、雲を作った後だったら、いいわよ。それだったら、多少失敗しても影響ないから……」
「よーーーーーーーし、オラ、がんばるぞおお!!」
俄然、やる気を出して、上空を睨みつけたタンクだった。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「じゃあ、ほら、交代だ……荷物は、空っぽだけど、気を付けろよ……」
心配そうにトールは、操縦桿を静かにタンクに渡した。
「よーし、……アクセル全開だ!……右旋回………左旋回………急下降……」
「あああーーそんな余計なことしないでーーー壊れたらどうするの?」
ジョセフィーヌは、悲鳴を上げそうになった。
「そのドローンは、レンタルなのよ! 性能が良くて、とっても買えないの。まして、壊したりしたら……………ヒエエエエエエ………………」
顔がみるみる真っ青になっていくジョセフィーヌだった。
「こら! タンク、いい加減にしろ!」
トールが、タンクの頭を一発殴って、操縦桿を取り戻した。
「まったく、お前ってやつは……」
キング司令もタンクにコンコンとお説教を始めた。
「おかしいぞ! ジョン……ドローンが……」
「急激に負荷をかけたからだと思うわ。通常のホバリング運転で様子を見てちょうだい」
「ああ……大丈夫だ、元にもどった。びっくりしたぜ……本当に焦るぜ、タンク」
それでも、トールはタンクのことをそんなに怒るでもなく、少し気にかけながら、またドローンの運転を続けて、無事着陸させた。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
【その日、雨が降り始めた時】
「……やっぱり、今日も雨だね、教頭……」
ベルフィールは、残念そうに職員室で教頭のそばに寄ってきた。
「ああ、でも、お弁当は、また一緒に食べられるだろう」
半ば、あきらめた様子で、教頭がつぶやいた。
「んー、でもね、一緒に食べてるみんながね。……楽しくなさそうなんだよ……やっぱり、楽しいお弁当じゃないと、いくら総司のお弁当でも、やっぱりダメ」
ベルフィールは、悲しそうに答えた。
「そっか……」
力なく、岸川教頭は、ベルフィールの言葉を頭の中で繰り返した。その時、校務技師の鎌田が、職員室に駆け込んで来た。
「総司、防衛隊のみんなを作戦室に集めてくれ、頼む!」
「え? 何かあったのか?」
「大変なことが分かったかもしれないんだ!」
「よし、全員集合だ!!」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「これを見てくれ!」
鎌田技師は、大きなビデオパネルに、ここ1週間の天気図を拡大表示した。しかも、この第1古里小学校周辺のみだった。
「次は、これが日付と時間経過だ」
運動会が順延になった日の朝に限定し、しかも雨が降り出した時間前後に絞った天気図だけを並べた。
「最後は、これだ……」
「「「ああああああ!……こ、これは!……」」」
集まった、防衛隊は、全員驚愕の声をあげた。
「よく調べましたね……いや、分析しましたね、さすが技師長だ!!」
岸川教頭は、満面の笑みをもって、防衛隊技師長の鎌田を誉め讃えた。
「すごいよ、鎌田のおっちゃん、もう給食室の食材が限界だったのよ。これ以上運動会が延びたら、給食用の買いだめした食材を捨てなきゃいけないとこだったのよねー」
「ステキーおっちゃん!! これで、敵をやっつければ、みんなで楽しいお弁当を食べられるのね……私、頑張るからね、総司」
明るい笑顔が戻ったベルフィールだった。
技師長鎌田の示した天気図は、ビデオパネルによって気象衛星と融合され、詳細な雲画像に変換された。
加えて、GPSや近くの防犯カメラともリンクさせ、上空を飛ぶドローンが映し出されていたのだった。
しかも、学校の屋上には、それを操縦する悪の組織の姿もはっきり見ることができた。
「よし、明日の朝こそは絶対に雨は降らせないぞ!!」
「「「おーーー!!」」」
(つづく)
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