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51 秘境の楽園? 1 〔誰とめざす…〕
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「メグちゃんや……今日はここを登るのか?」
「そうよ、ここは標高525メートルの簡単なハイキングコースよ!」
「それでも、わしにはこたえるなあ~」
それほどの準備なしでも登れるところを選んだメグミだったが、鎌田の体力は計算外だった。
「大丈夫よ……いざとなったら私が負ぶっていくから安心して」
ベルが、笑顔で背中を押した。確かにベルの体力なら、人間の一人や二人は、平気で担いで登れるだろう。
「じゃあ、技師長はベルとメグミに任せるから頼んだぞ!」
そう言うと、岸川は、一人先頭でハイキングコースを自分のペースで登って行った。
「あーあ、ベルちゃん、キッシーが行っちゃったよー」
「大丈夫よ、すぐに追いつくし、総司だってどこかできっと待っているわ」
それでもメグミは、ベルと岸川を一緒に登らせようと画策していたので、少し残念だった。
「でもね……昨日、海から上がってから、総司がちょっと変なのよねー」
ベルが、鎌田の背中を押しながら、首を傾げていた。
「ひょっとして、あいつベルちゃんの顔をまともに見られてないんじゃないか?」
「……ん~ん、私がね近づくとね~、顔を真っ赤にするんだよね~」
「やっぱりね~、ベルちゃんは、人魚姫だったからなあ~」
「まったく……あいつは……いつまでも小学生じゃあるまいし」
「大丈夫よ、おっちゃん。今晩は、えへへへへ………」
メグミは、不敵な笑みを浮かべながら、楽しそうにベルと一緒に鎌田の背中を押していた。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「これだけ、離れれば大丈夫だろう!……まだ、ベルを見ると、思い出すんだよな……昨日の……あれ?」
岸川の目の前で2人の老人が座り込んでいた。
「どうしたんですか?」
「……ああ、すみませんねえ~。わしの連れがもう疲れたというもので、少し休んでいるんですわ」
背の高い方のおばあちゃんが、もう一人のおばあちゃんを気遣いながら教えてくれた。
「そうですか……ああ、それじゃあ」
岸川は、理由がわかったので、そのまま通り過ぎようとした。
「わしゃ、早く頂上へ行きたいんじゃ~……早く行かないと……」
ところが、急にしゃがみ込んでいたおばあちゃんが、大きな声を出して、立ち上がろうとした。そして、杖を突きながら、踏ん張るがうまくいかず、泣きだしてしまった。
「すまないね~、実は、頂上にはこの人の孫が来ていてな~。先に行って待っておるんじゃ」
岸川は、“先に行って”と、いう言葉を聞いて、妙に自分と重なってしまい、置いて来たベル達のことを思い出してしまった。
ここは、観光地ではないので、人はあまり通らない。人里離れた隠れた秘境と呼ばれるような場所だ。風光明媚、自然が豊かな森に囲まれたハイキングコース。きっと頂上まで登れば、きれいな景色が見られるはずである。
「(お孫さんは何歳なのか知らない……今は、そんなことは関係ない)……俺が負ぶってやろう」
岸川は、しゃがんで背中を見せた。
「おーおー、すまないねー」
そのおばあさんは、喜んで岸川の背中に乗ってきた。
「じゃあ、わしは一足先に行って、お前さんの孫を呼んでくるから、後は頼みましたよ……」
背の高いおばあさんは、少し急ぎ足で頂上を目指して、先に行ってしまった。
ゆっくりと、岸川は一歩一歩登った。背中には、70歳前後のおばあさんを背負った。 しばらく歩いたら、おばあさんの方から話しかけてきた。
「お兄さんは、さっき下で若い女の人達と一緒にいたじゃろ?」
「ええ……見てたんですか?」
「ん、まあ。どうして、一緒に登らなかったんだ? 喧嘩でもしたのかい?」
「いいえ……喧嘩なんか……」
「ほほほう……お前さん……あの中に好きな子がいるんじゃろ?」
「いきなり何ですか? おばあちゃん?」
「いや、なあ……、まあ……それは、あの子か?」
そう、おばあちゃんが言ったと思ったら、遠くからベルの声が聞こえてきた。
「……そーじー、そーじー……待ってよ~」
ベルは、メグと鎌田を担いで、足早にコースを駆け上がってきた。
「ベル? 何やってんだよ……そんなことしたら、疲れるだろうに」
「そういう総司だって……似たようなことしてるじゃない」
そう言って、ベルフィールは、はじけたように笑い出した。
「同じだね、総司! あはははははは………」
「仲がいいんだね……お前さん達は」
岸川の背中にしがみついて、おばあちゃんは耳元でつぶやいた。
「え?……何?……おばあちゃん?」
岸川は、背中のおばあちゃんを確かめようと首を後ろに向けた。
「あっ!」
バランスを崩しかけた岸川の背中で、おばあちゃんは落ちないように再び両手でしっかりと抱き着いた。
「え? ん? やっぱり! 違うよね!!」
岸川は、ゆっくりとおばあちゃんを下に降ろした。
ベルも、メグと鎌田を下に降ろした。
「いっやー!」
そして、瞬時に岸川とおばあちゃんの間に入り、右手の風圧拳を繰り出した。親指以外の指を第2関節より握りしめ、思いっきりおばあちゃんに手の平で風圧をかけたのだ。
ベルの運動量なら、瞬間風速として、秒速20メートルは出る。
「フン!………」
後方に飛びのけてベルの風圧拳を避けた後、そのおばあちゃんは変装を解いた。
「あ! お前は、あのときのホタテ女!」
「ベルちゃん、いい人だったら、離しちゃだめよ!!」
ジョンは、それだけを言い残して、あっという間に姿を消してしまった。
「総司、大丈夫だった? ねえ、何もされてない?」
心配そうに、岸川にまとわりついてあれこれ聞いてくるベルだった。
「あ、少し、いや、背中、うっ……すっかり騙された。ごめんよ、ベル。俺が、悪かったよ」
しっかり、ベルフィールを見て謝った岸川だった。
ここからは、四人一緒に頂上を目指し、時間はかかったが、みんなで鎌田技師を押し上げながら頂上の展望台に着くことができた。
「わーーきれいだね、総司。おっきな、水たまりもあるね~」
「おいおいベル。あれは、湖って言うんだよ。」
「みんなー、今日はね~あの湖のそばの歴史ある旅館に泊まるのよ~楽しい旅館なのよ~」
メグミが旅館の紹介をしたが、何かまた余計なことを計画しているような気配をみんなは感じていた。
「なんか、におうよ、総司。やった? やったでしょ!」
ベルが、鼻をつまんでニヤニヤしていた。
「お前、何言ってんだよ。この匂いは、硫黄って言って、火山から出る煙なの!」
「へー……じゃあ、総司にも、火山ついてんだ!」
ベルはニヤけが止まらなかった。
「うるさいよ! ベル!」
岸川は、赤い顔をしていたが、なぜかとても嬉しかった。
「いやーー、仲直りができたようだのー。硫黄があるということは、ここは、本格的な温泉だ~楽しみじゃな~」
2人を見つめながら鎌田は、上機嫌だった。
(つづく)
「そうよ、ここは標高525メートルの簡単なハイキングコースよ!」
「それでも、わしにはこたえるなあ~」
それほどの準備なしでも登れるところを選んだメグミだったが、鎌田の体力は計算外だった。
「大丈夫よ……いざとなったら私が負ぶっていくから安心して」
ベルが、笑顔で背中を押した。確かにベルの体力なら、人間の一人や二人は、平気で担いで登れるだろう。
「じゃあ、技師長はベルとメグミに任せるから頼んだぞ!」
そう言うと、岸川は、一人先頭でハイキングコースを自分のペースで登って行った。
「あーあ、ベルちゃん、キッシーが行っちゃったよー」
「大丈夫よ、すぐに追いつくし、総司だってどこかできっと待っているわ」
それでもメグミは、ベルと岸川を一緒に登らせようと画策していたので、少し残念だった。
「でもね……昨日、海から上がってから、総司がちょっと変なのよねー」
ベルが、鎌田の背中を押しながら、首を傾げていた。
「ひょっとして、あいつベルちゃんの顔をまともに見られてないんじゃないか?」
「……ん~ん、私がね近づくとね~、顔を真っ赤にするんだよね~」
「やっぱりね~、ベルちゃんは、人魚姫だったからなあ~」
「まったく……あいつは……いつまでも小学生じゃあるまいし」
「大丈夫よ、おっちゃん。今晩は、えへへへへ………」
メグミは、不敵な笑みを浮かべながら、楽しそうにベルと一緒に鎌田の背中を押していた。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「これだけ、離れれば大丈夫だろう!……まだ、ベルを見ると、思い出すんだよな……昨日の……あれ?」
岸川の目の前で2人の老人が座り込んでいた。
「どうしたんですか?」
「……ああ、すみませんねえ~。わしの連れがもう疲れたというもので、少し休んでいるんですわ」
背の高い方のおばあちゃんが、もう一人のおばあちゃんを気遣いながら教えてくれた。
「そうですか……ああ、それじゃあ」
岸川は、理由がわかったので、そのまま通り過ぎようとした。
「わしゃ、早く頂上へ行きたいんじゃ~……早く行かないと……」
ところが、急にしゃがみ込んでいたおばあちゃんが、大きな声を出して、立ち上がろうとした。そして、杖を突きながら、踏ん張るがうまくいかず、泣きだしてしまった。
「すまないね~、実は、頂上にはこの人の孫が来ていてな~。先に行って待っておるんじゃ」
岸川は、“先に行って”と、いう言葉を聞いて、妙に自分と重なってしまい、置いて来たベル達のことを思い出してしまった。
ここは、観光地ではないので、人はあまり通らない。人里離れた隠れた秘境と呼ばれるような場所だ。風光明媚、自然が豊かな森に囲まれたハイキングコース。きっと頂上まで登れば、きれいな景色が見られるはずである。
「(お孫さんは何歳なのか知らない……今は、そんなことは関係ない)……俺が負ぶってやろう」
岸川は、しゃがんで背中を見せた。
「おーおー、すまないねー」
そのおばあさんは、喜んで岸川の背中に乗ってきた。
「じゃあ、わしは一足先に行って、お前さんの孫を呼んでくるから、後は頼みましたよ……」
背の高いおばあさんは、少し急ぎ足で頂上を目指して、先に行ってしまった。
ゆっくりと、岸川は一歩一歩登った。背中には、70歳前後のおばあさんを背負った。 しばらく歩いたら、おばあさんの方から話しかけてきた。
「お兄さんは、さっき下で若い女の人達と一緒にいたじゃろ?」
「ええ……見てたんですか?」
「ん、まあ。どうして、一緒に登らなかったんだ? 喧嘩でもしたのかい?」
「いいえ……喧嘩なんか……」
「ほほほう……お前さん……あの中に好きな子がいるんじゃろ?」
「いきなり何ですか? おばあちゃん?」
「いや、なあ……、まあ……それは、あの子か?」
そう、おばあちゃんが言ったと思ったら、遠くからベルの声が聞こえてきた。
「……そーじー、そーじー……待ってよ~」
ベルは、メグと鎌田を担いで、足早にコースを駆け上がってきた。
「ベル? 何やってんだよ……そんなことしたら、疲れるだろうに」
「そういう総司だって……似たようなことしてるじゃない」
そう言って、ベルフィールは、はじけたように笑い出した。
「同じだね、総司! あはははははは………」
「仲がいいんだね……お前さん達は」
岸川の背中にしがみついて、おばあちゃんは耳元でつぶやいた。
「え?……何?……おばあちゃん?」
岸川は、背中のおばあちゃんを確かめようと首を後ろに向けた。
「あっ!」
バランスを崩しかけた岸川の背中で、おばあちゃんは落ちないように再び両手でしっかりと抱き着いた。
「え? ん? やっぱり! 違うよね!!」
岸川は、ゆっくりとおばあちゃんを下に降ろした。
ベルも、メグと鎌田を下に降ろした。
「いっやー!」
そして、瞬時に岸川とおばあちゃんの間に入り、右手の風圧拳を繰り出した。親指以外の指を第2関節より握りしめ、思いっきりおばあちゃんに手の平で風圧をかけたのだ。
ベルの運動量なら、瞬間風速として、秒速20メートルは出る。
「フン!………」
後方に飛びのけてベルの風圧拳を避けた後、そのおばあちゃんは変装を解いた。
「あ! お前は、あのときのホタテ女!」
「ベルちゃん、いい人だったら、離しちゃだめよ!!」
ジョンは、それだけを言い残して、あっという間に姿を消してしまった。
「総司、大丈夫だった? ねえ、何もされてない?」
心配そうに、岸川にまとわりついてあれこれ聞いてくるベルだった。
「あ、少し、いや、背中、うっ……すっかり騙された。ごめんよ、ベル。俺が、悪かったよ」
しっかり、ベルフィールを見て謝った岸川だった。
ここからは、四人一緒に頂上を目指し、時間はかかったが、みんなで鎌田技師を押し上げながら頂上の展望台に着くことができた。
「わーーきれいだね、総司。おっきな、水たまりもあるね~」
「おいおいベル。あれは、湖って言うんだよ。」
「みんなー、今日はね~あの湖のそばの歴史ある旅館に泊まるのよ~楽しい旅館なのよ~」
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ベルが、鼻をつまんでニヤニヤしていた。
「お前、何言ってんだよ。この匂いは、硫黄って言って、火山から出る煙なの!」
「へー……じゃあ、総司にも、火山ついてんだ!」
ベルはニヤけが止まらなかった。
「うるさいよ! ベル!」
岸川は、赤い顔をしていたが、なぜかとても嬉しかった。
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