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第5章 再開を信じて〔太郎の視点〕
35 第5章第9話 誕生日の驚き
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いよいよ、千尋おばさんの誕生日になったんだ。
夕方にメガネ屋さんの1階にみんなで集まった。お店は閉めたあったんだ。大きなテーブルも用意され、ご馳走やケーキが置いてあった。
集まったのは,千尋おばさんの家族と今回の事件で知り合ったぼく達だ。しーちゃん、ミー姉ちゃん、それにみよおばあちゃんだ。
誕生日会は、夕方に始まった。まだ、外は薄明るかった。千尋おばさんの手作りケーキやご馳走が並んだので、なんとなくぼく達が『およばれ』したような感じで、少し違和感はあったんだ。
それでも、千尋おばさんは、嬉しそうだったな。ぼくは、プレゼントも持っていったんだ。
しーちゃんは、千尋おばさんの似顔絵を描いた。ミー姉ちゃんは、千尋おばさんにもトランシーバー付きのバッジをあげた。みよおばあちゃんは、薬草ジュースのレシピを渡していたなあ。
ぼくは、大好きなうちの店のカボチャをもって来たんだ。ちゃんと午前中、お店のお手伝いをして、母さんにもらってきた。
千尋おばさんは、とっても喜んでくれたんだ。息子の悟さんや旦那さんもプレゼントあげていたよ。
その時、悟さんが、待ってましたとばかりに言ったんだ。
「もう1つ、母さんにプレゼントがあるんだけどなあ、受け取ってくれるかい?」
「悟は、まだ何かプレゼントをくれるの?」
「これは、ぼくだけじゃなくて、みんなからって思っていいよ」
そして、部屋の照明が消え、真っ暗になった。
「キャッ!」
千尋おばさんは、急に暗くなったのでびっくりしたようだった。
「大丈夫だよ、母さん。……外を見てくれるかい!」
優しく悟さんが、窓の外を指差したんだ。
「あ!」
千尋おばさんは、外を見るなり、大声をあげて叫び出した。
「あれよ! あの光だわ!」
すると、また悟さんは、ゆっくりと静かに話出した。
「ごめん……母さん。あれは、僕達がやっていることなんだ。別に怖いものでもないし、安心して見ていてくれないかなあ」
窓の向こうの虹の像に映し出されたのは、千尋おばさんへのメッセージだった。感謝の気持ちと楽しい家族の思い出の風景が色鮮やかに光っていたんだ。そんな風景の最後には、ぼくとしーちゃんのメッセージもあったんだ。
「あれは、この間公園で録画したものだ……」
そうか、しーちゃんはあの時からもう分かっていたんだ。やっと、ぼくにも分かって、なんだかホッとしたなあ。
奇麗な光の映像は、最後に公園の像にある虹が、だんだんに大きくなり、大空へ上っていき、夜空にかかる大きな虹になって終了した。
みんなは、自然に拍手をしていたんだ。だけど千尋おばさんだけは、嬉しそうに笑いながらも、ハンカチで涙を拭いていた。
「みなさん、今日は本当にありがとうございました。それに悟、あんなに素晴らしいものを見せてくれてありがとうね。思い出の写真も良かったけど、最後の虹は、本物が飛び出したように見えてびっくりしたよ」
やっぱり、千尋おばさんは、涙を拭いていたけど、嬉しそうにしていたんだ。
「ありがとう、母さん。あれが僕の大学での研究成果なんだ。光が本物のように見えたら素晴らしいだろうなあって思ったんだ」
「そうなのかい。……なのに……いいのかい?……メガネ屋で。本当は、大学で研究を続けたかったんじゃないのかい?」
「違うよ! 僕は、この研究を実際の生活に生かしたいんだ。つまり、この研究でもっと素敵なメガネを発明するんだ。だから、今回の作品をみんなに見てもらいたかったんだ」
「ああ、父さんも応援するからがんばれ!」
「ありがとう」
「いい子じゃのー……。なあー……、ミーちゃん、だから手伝ったんかのー……」
「えー? やっぱり、ミー姉ちゃんも手伝ってたのー?」
「もー、太郎君は鈍感なんだからー」
ぼくは、やっぱりしーちゃんに笑われてしまった。
「実は、そうなんだ。僕は、光の専門家。でもその光をうまく機械で照射できなかったんだ。そこで、機械工学の同級生で、幼馴染の上杉電器のミーちゃんに頼んだというわけさ」
「そう、この間実験の途中、思ったより千尋おばさんが早く帰って来てしまって、うっかりホログラフを見られてしまったのよねー」
「そうか、だから千尋おばさんのうちへの調査に、ミー姉ちゃんは行かなかったんだ。でも、しーちゃんは、いつごろからわかったの?」
「んー、悟さんが、ミーちゃんの同級生って聞いた時かな。それに、千尋おばさんの誕生日がもうすぐって聞いて、ピンときたわ」
「もー、それなら、ぼくにも早く教えてくれれば、いいのにー」
とにかく、これですべてが分かったんだ。そして、楽しい誕生日会を過ごすことができた。ぼく達は、帰りに悟さんから、誕生日会のお礼ということで、『お祝いカード』をもらったんだ。
すべてが終わり、ぼくは幸せな気持ちで家に帰ることができた……はずだった。……その時までは、ドキドキする続きがあるなんて、まだ知らなかったんだ……。
(つづく)
夕方にメガネ屋さんの1階にみんなで集まった。お店は閉めたあったんだ。大きなテーブルも用意され、ご馳走やケーキが置いてあった。
集まったのは,千尋おばさんの家族と今回の事件で知り合ったぼく達だ。しーちゃん、ミー姉ちゃん、それにみよおばあちゃんだ。
誕生日会は、夕方に始まった。まだ、外は薄明るかった。千尋おばさんの手作りケーキやご馳走が並んだので、なんとなくぼく達が『およばれ』したような感じで、少し違和感はあったんだ。
それでも、千尋おばさんは、嬉しそうだったな。ぼくは、プレゼントも持っていったんだ。
しーちゃんは、千尋おばさんの似顔絵を描いた。ミー姉ちゃんは、千尋おばさんにもトランシーバー付きのバッジをあげた。みよおばあちゃんは、薬草ジュースのレシピを渡していたなあ。
ぼくは、大好きなうちの店のカボチャをもって来たんだ。ちゃんと午前中、お店のお手伝いをして、母さんにもらってきた。
千尋おばさんは、とっても喜んでくれたんだ。息子の悟さんや旦那さんもプレゼントあげていたよ。
その時、悟さんが、待ってましたとばかりに言ったんだ。
「もう1つ、母さんにプレゼントがあるんだけどなあ、受け取ってくれるかい?」
「悟は、まだ何かプレゼントをくれるの?」
「これは、ぼくだけじゃなくて、みんなからって思っていいよ」
そして、部屋の照明が消え、真っ暗になった。
「キャッ!」
千尋おばさんは、急に暗くなったのでびっくりしたようだった。
「大丈夫だよ、母さん。……外を見てくれるかい!」
優しく悟さんが、窓の外を指差したんだ。
「あ!」
千尋おばさんは、外を見るなり、大声をあげて叫び出した。
「あれよ! あの光だわ!」
すると、また悟さんは、ゆっくりと静かに話出した。
「ごめん……母さん。あれは、僕達がやっていることなんだ。別に怖いものでもないし、安心して見ていてくれないかなあ」
窓の向こうの虹の像に映し出されたのは、千尋おばさんへのメッセージだった。感謝の気持ちと楽しい家族の思い出の風景が色鮮やかに光っていたんだ。そんな風景の最後には、ぼくとしーちゃんのメッセージもあったんだ。
「あれは、この間公園で録画したものだ……」
そうか、しーちゃんはあの時からもう分かっていたんだ。やっと、ぼくにも分かって、なんだかホッとしたなあ。
奇麗な光の映像は、最後に公園の像にある虹が、だんだんに大きくなり、大空へ上っていき、夜空にかかる大きな虹になって終了した。
みんなは、自然に拍手をしていたんだ。だけど千尋おばさんだけは、嬉しそうに笑いながらも、ハンカチで涙を拭いていた。
「みなさん、今日は本当にありがとうございました。それに悟、あんなに素晴らしいものを見せてくれてありがとうね。思い出の写真も良かったけど、最後の虹は、本物が飛び出したように見えてびっくりしたよ」
やっぱり、千尋おばさんは、涙を拭いていたけど、嬉しそうにしていたんだ。
「ありがとう、母さん。あれが僕の大学での研究成果なんだ。光が本物のように見えたら素晴らしいだろうなあって思ったんだ」
「そうなのかい。……なのに……いいのかい?……メガネ屋で。本当は、大学で研究を続けたかったんじゃないのかい?」
「違うよ! 僕は、この研究を実際の生活に生かしたいんだ。つまり、この研究でもっと素敵なメガネを発明するんだ。だから、今回の作品をみんなに見てもらいたかったんだ」
「ああ、父さんも応援するからがんばれ!」
「ありがとう」
「いい子じゃのー……。なあー……、ミーちゃん、だから手伝ったんかのー……」
「えー? やっぱり、ミー姉ちゃんも手伝ってたのー?」
「もー、太郎君は鈍感なんだからー」
ぼくは、やっぱりしーちゃんに笑われてしまった。
「実は、そうなんだ。僕は、光の専門家。でもその光をうまく機械で照射できなかったんだ。そこで、機械工学の同級生で、幼馴染の上杉電器のミーちゃんに頼んだというわけさ」
「そう、この間実験の途中、思ったより千尋おばさんが早く帰って来てしまって、うっかりホログラフを見られてしまったのよねー」
「そうか、だから千尋おばさんのうちへの調査に、ミー姉ちゃんは行かなかったんだ。でも、しーちゃんは、いつごろからわかったの?」
「んー、悟さんが、ミーちゃんの同級生って聞いた時かな。それに、千尋おばさんの誕生日がもうすぐって聞いて、ピンときたわ」
「もー、それなら、ぼくにも早く教えてくれれば、いいのにー」
とにかく、これですべてが分かったんだ。そして、楽しい誕生日会を過ごすことができた。ぼく達は、帰りに悟さんから、誕生日会のお礼ということで、『お祝いカード』をもらったんだ。
すべてが終わり、ぼくは幸せな気持ちで家に帰ることができた……はずだった。……その時までは、ドキドキする続きがあるなんて、まだ知らなかったんだ……。
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