みょんちゃんが奏でる虹色のメロディー ~皆で紡ぐ、楽しい学校と素敵な町並み~

根 九里尾

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第6章 虹ヶ丘小学校、その歴史のはじまり〔美代乃の視点〕

46 第6章第8話 憧れて……

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 〔北野きたのの視点〕



 虹ヶ丘にも収穫の季節が来たんだ。

 畑には、いろいろな作物が実り、大人から子供まで作業に駆り出されている。特に、ジャガイモは虹ヶ丘の代表的な作物になっていて、多くの場所で芋ほりがされていた。

 開拓に入ったばかりの頃は、ここが農耕に適した場所かもわからず、手当たり次第に様々な野菜の品種を植えていたなあ。
 ジャガイモも、どの品種がこの土地に合うかわからず、最初の数年は品種選びの年だったみたいだ。いくつか成長のいい品種を見つけてからは、村長の発案で違う品種同士の交配をして、品種改良にも取り組んだらしい。
 
 おかげで今では、どこにも負けないおいしいジャガイモが採れるようになったんだ。
 



 僕は北野大空きたの おおぞら。学校の改修を手伝っているんだ。休憩時間になって、草むらに寝っ転がって空を見ていた。

 どこまでも透き通る……青い空はいいなあ。……どこまでも行けそうな気がするなあ。こんな大きな空を見ていると、僕は、何でもできそうな気になるんだ。



 先日、教員試験を受けて来たんだ。僕は、その時のことを思い出していてた。

 別に、先生になりたい訳じゃなかったんだ。……ただ……僕は、みょんちゃんに会って、不思議な気持ちになったんだ……。あの時の空も青かったなあ……。





 僕が、開拓でこの虹ヶ丘に来た時は、まだ子供だったんだ。その頃の僕は、美代乃さんをやっぱりみょんちゃんと呼んで慕っていたんだ。

 みょんちゃんと一緒にいると、何でもできると思えた。一緒に遊んでいる時も楽しかったし、歌を歌っている時も楽しかった。何かを教わっている時も楽しかったんだ。
 どうしてかは、わからなかったけど、村のみんなも、楽しそうにしていたなあ。





 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 僕は、あの時のことをよく思い出すんだ。

 そりゃ、上手くいかないことも、いっぱいあったんだ。友達の一太の方が、相撲は強かった。でも、みょんちゃんは、『だいじょうぶ』って言ったんだ。
 
 等が、めんこで勝った時も、みょんちゃんは笑って見ててくれたんだ。
 
 僕が、友達に勉強を教えて役に立ったら、みょんちゃんは褒めてくれた。逆に僕が困って、みんなに助けてもらったら、『よくお願いしたね』って、僕が褒められちゃった。

 みょんちゃんは、いつも僕のことを……いや、みんなのことを、見てくれていたんだ……。だから、みょんちゃんと一緒にいると楽しかったんじゃないかなあ………………。




 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 そんな、みょんちゃんが、先生になる……いや学校を作るっていうから助けたいだけなんだ……。




 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



「…………ソラ!…………ソラってば!………また、ボーっとして……………………試験に受かるかどうか、心配してるのか?」

 一太いちたが、僕の傍に寄って来て、顔を覗き込んで声を掛けた。

「あ、一太か。…………誰が、心配なんかするかよ。あんな試験。………………大丈夫に決まってるさ。お前こそ、大丈夫か?」

「俺だって、大丈夫さ…………あははははははは」

 僕達は、ジャガイモ畑で寝転んでふざけ合った。



「そっか…………お前、また、美代乃先生のこと考えてたろ?」
「……ん? 何言ってんだよ!」

 僕は、少しムキになって否定したが、一太は、かまわず続けた。
「だめだぞお前、美代乃先生は、桜山先輩の彼女なんだからな……」

「うるさい! そんなのは、みんな知ってるよ!」

 僕達は、起き上がり、顔を見合わせて、軽く笑った。




「それにしても、俺は、みょんちゃんのような先生になりたいなあ……」
「そうだなあ、僕もあんな先生になれたらいいなあ。あの時は、傍にいるだけで、何でもできそうな気がしたんだ」

「俺は、今でも、何でもできそうな気がするぞ!」
「あ! ずるいぞ、僕だって!」


 もうすぐ教員試験の結果が発表されるんだ。虹ヶ丘小学校の申請が通るかどうかも決まる時期だ。そして、それに合わせて、もう1つ新たな旅立ちが始まるかな…………。



(つづく)
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