51 / 98
第7章 虹ヶ丘小学校とみょんちゃん先生の幸せ〔あーちゃんの視点・他〕
51 第7章第3話 再会と平穏
しおりを挟む
晴天に恵まれた第6回虹ヶ丘小学校卒業式。
特に、形式にとらわれることもなく、ただ卒業する子供達を祝うことだけを願って始まったの。集ったのは、卒業する私達はもちろん、在校生、保護者、地域の人など様々だったわ。
もちろん、誰が来賓とか誰が主催とかいうことは、みょんちゃん校長先生にとってまったく関係ないみたい。だから、私達も、みんなに、同じように、『おめでとう』って言われて、嬉しかったの。やっぱり、その言葉に尽きるのね。
みょんちゃん校長先生は、今日も嬉しそう。でも、いつも以上にニコニコしているような気がするの。私には、昨日夕方に見た、あの光景が重なって、私も口元が緩んでしまいそう。
私にとって、最後の校長先生のお話をしっかり聞かなきゃ……。
「この虹ヶ丘小学校が開校して早6年、ようやく今年で6年間の学校生活をすべて過ごした卒業生の卒業式です。自分達のめざしてた学びに自信をもって、これからも、今までの卒業生やこれから卒業していくみんなと力を合わせて、この世の中を進んでいってほしいと思います……」
次は、私の出番なの。卒業生を代表して、私、本田彩子が挨拶をしたの。
「小さい頃からよく美代乃校長先生に本を読んでいただいたり、お話をしたりしていただきました。私は、本も好きだし、お話も大好きです。だけど、それよりもっと好きなのが、美代乃校長先生です。きっと私だけではないはずです」
私は、ちらっとみょんちゃん校長先生の方を見たの。もう、ハンカチを出してるわ。
「一緒にいると何でもできそうな気持になるのです。何でもやろういう気持ちになるのです。失敗しても次にがんばろうという気持ちになるのです。だから私も、そんなふうに人を勇気づけられる人になりたいと思っています」
みょんちゃん校長先生も一緒に頷いてくれてる。
「自分には、何ができるかわかりませんが、やりたいことを1つずつ試してみます。どうかこれからも、虹ヶ丘小学校を卒業する私達を見守っていてください。私達もこの虹ヶ丘を見続けていくことを誓います」
5人の卒業生も、会場にいた多くの人達も、みんな頷てくれていた。きっと私と同じ気持ちなんだろうって思って安心したの。
挨拶が終わった後は、会場にある黒板の絵の説明や思い出話など、各々の人同士で話をしたの。狭い会場なために、順に訪れた人との雑談になったわ。本当に、形式に捕らわれない卒業式なの。
お陰で、会場に来てくれた人達といっぱい話ができたの。
「あーちゃん、久しぶり、大きくなったね」
親しげに声をかけてくれたのは、上杉先輩だった。上杉先輩は、桜山先輩と一緒に電気や機械の勉強をするために東京へ行ったの。今日の卒業式に合わせて帰ってきたのね。
「あ、上杉先輩こそ、お久しぶりです」
横から割り込んで入ってきたのは、北野先生だった。
「なーんだ北野、今、あーちゃんと話しているのに、お前は、あと、あと」
「何言ってんですか? あーちゃんは、僕の教え子なんですよ。僕は、担任なんですよ、僕が先にお話ししても、いいじゃないですか!」
「なんだ、北野、お前、しばらく見ないうちに、一太に似てきたなーーははは」
「もー、上杉先輩、お久しぶりです。ようやくお帰りになったんですか?」
「ああ、やっと帰ってきたぞー。あーちゃん、おめでとう! そして、北野、お疲れ様!」
上杉先輩と北野先生も、先輩後輩の関係になるのね、あの時、みんなでこの虹小を改築してたわ。
「それで、先輩は、これからどうするんですか?」
「俺は、ここで、電器屋を開業するぞ! この虹ヶ丘を明るくしてやるから、まってろ!」
「わかりました、お願いしますね」
何だか夢のような話を聞いていると、次々に人が集まって来たの。
「なーんだ、万ちゃん、もう電器屋のこと話しちゃたのか?」
「あ、岡崎先輩だ!」
「なんだ、みんな、早いな」
「ああ、桜山先輩もいるぞ!」
そして、知り合いを見つけると、先輩達は大きな声で呼び集めてたの。
「おーい、一太、トウちゃん、こっちこいよ」
「なんだー、どうした?」
「ああ、みんな、懐かしい顔がいっぱいいるんだねー」
そして、私の周りには、あの懐かしい人達の顔が揃ったの。
やっと卒業して先輩に近づける私、本田彩子ことあーちゃん。
機械や電気が得意の上杉万作こと上杉先輩。
医者になりたい岡崎芯也こと岡崎先輩。
虹ヶ丘小学校の中村一太先生、北野大空先生、多田野等先生。
設計と建築に興味があった桜山建造こと桜山先輩。
6年の歳月を経て、今ここで、再会したの。
「上杉先輩が電器屋をやるって聞いたんですけど……」
私は、岡崎先輩に尋ねたの。すると、メガネをちょっと持ち上げて、当たり前だというような顔で説明してくれたの。
「それは、当たり前ですよ。なんせ、この6年間で発明特許を取った数が千を超えるというんですよ。それも、勉強や仕事をしながらというんだから驚いてしまいます。特許の分のお金だけでも、お店の2軒や3軒は簡単にできるはずですよ、な、万ちゃん!」
「何言ってんだよ、芯也だって、もう医者になって、病院で働いてるじゃないか。聞くところによれば、内科、小児科、外科……他にもいろいろな専門科をあっという間に修得したらいいな。お前の病院、俺が作ってやろうか?」
「あははは……病院を作るなら、桜山先輩に頼むさ。お前には、医療機械を頼むよ、あはははは」
「おう、任せとけ! それより、お前も帰って来るんだろ?」
「ん? ああ、…………まだなんだ。まだ、僕は帰る訳にはいかないんだ。……あと、もう1つあるんだよ。もう1つな…………。それよりも、桜山先輩? 上手くいったんですか?き・の・う?」
「芯也、お前、何言ってんだ? なんのことだ? 俺にも教えろよ!」
「いやあ、これは、本人に言って貰わないとね……ね? 先輩!」
「あ? ん! ああ、まあ……何とか受けてくれたよ!」
「おお! そうですか! それじゃあちょっとまっててくださいね……」
何だか、急に岡崎先輩は、その場から離れて、向こうで話をしているみょんちゃん校長を連れて戻ってきたの。
「ああ、みんなも、戻ってきてたのね、上杉君、岡崎君、お帰りなさい。お仕事は上手くいっているの?」
「ああ美代乃校長先生、とっても懐かしいんだけど、ちょっとそれは、後回しで……」
「え? どういうこと?」
他のみんなも、少し意味が分からずキョトンと瞬きを忘れてしまいそうになっていたわ。 そんなことにかまわず、岡崎先輩は、大きな声を張り上げていきなり叫び出したの。
「おめでとうございます! 美代乃校長先生、桜山先輩!!」
「おい、おい」
桜山先輩は、小さな声で岡崎先輩を止めようとしたの。みょんちゃん校長先生に至っては、恥ずかしそうに下を向いてしまったわ。でも、なんだか、2人はとっても嬉しそうに見えたの。
「あーーーー! なるほどねーーーー!」
上杉先輩と中村先生は、ピンときたのか、2人で目くばせして、みょんちゃん校長先生と桜山先輩を両脇に挟んで、お互いに押し付けて隣同士にしてくっつけたの。そして、もう一度、大きな声で、
「ご結婚、おめでとうございまーーーーーす!」
って、叫んだ後、大きな拍手をしたの。すると、会場にいたみんなも、両手を挙げて大きな拍手を始めたわ、すると、小さな教室で、大きな拍手が重なり合って鳴り響いたのよ。
みょんちゃん校長先生は、横の桜山先輩の手を固く握って背中に隠れ、目から溢れる涙をそっと隠していたの。それでも、みょんちゃん校長先生は、嬉しそうに微笑んでいたわ。
しばらくして、会場も落ち着いてきた頃、岡崎先輩は学校の変化に気づいみたい。
「あーちゃん、それにしても、この本どうしたんだい?」
教室の壁中は本棚になり、短い廊下もほとんど本棚になっていたの。多分、北野先生達の手作り本棚は、多少曲がってはいたんだけど、有に数千冊を超える蔵書を支えていたわ。
「みんなで集めました。隣町や親戚、それから手紙を書いて送ってもらったところもあります。最初は、自分達で絵本を描いていたんです。でも、畑仕事で、野菜を買いに来る業者の人に本が好きだと言ったら、仕事のお礼と言って本をくれるようになったんです。そこで、校長先生にお願いして、みんなで畑仕事を手伝うから、その分好きな本をもらえるように業者の人にお願いしてもらったりしたんです」
「そうか、すごいなー、あーちゃんは」
「私達の集めた本をみんなが読んでくれて、とっても嬉しかったんです。私、この虹ヶ丘に図書館をつくりたいと思うようになったんです。いつかきっと、大きな図書館を作ってみせます」
「そっか、実はね、また僕は東京の病院へ働きに行くんだ。東京には、たくさんの本屋があるから、たくさん本を送ってあげるよ」
「ありがとうございます。楽しみにしてます」
岡崎先輩は、いつものように、また離れたところでみんなを眺めている多田野先生を見つけて近寄っていったわ。
「やあ、トウちゃん。6年間ありがとうな」
「なあに、大丈夫だったよ」
「なあ、美代乃校長先生は、どのくらい……だった」
「……うん、……1年に1度くらいかな。でも、最近は、ちょっと、ひどいんだ……」
「そうか。気をつけてることは?」
「できるだけ夜は、仕事しないようにしてもらってる。先生も2人増やしたし、校舎まわりの草刈りや書類の仕事に町の人をお願いしている」
「そうか、トウちゃんもいろいろ気をつかって大変だと思うが、あともう少し頑張ってくれ」
「うん、待ってるよ。芯さんだって大変でしょ?」
「なあに、あと1つできれば、完璧なんだ」
(つづく)
特に、形式にとらわれることもなく、ただ卒業する子供達を祝うことだけを願って始まったの。集ったのは、卒業する私達はもちろん、在校生、保護者、地域の人など様々だったわ。
もちろん、誰が来賓とか誰が主催とかいうことは、みょんちゃん校長先生にとってまったく関係ないみたい。だから、私達も、みんなに、同じように、『おめでとう』って言われて、嬉しかったの。やっぱり、その言葉に尽きるのね。
みょんちゃん校長先生は、今日も嬉しそう。でも、いつも以上にニコニコしているような気がするの。私には、昨日夕方に見た、あの光景が重なって、私も口元が緩んでしまいそう。
私にとって、最後の校長先生のお話をしっかり聞かなきゃ……。
「この虹ヶ丘小学校が開校して早6年、ようやく今年で6年間の学校生活をすべて過ごした卒業生の卒業式です。自分達のめざしてた学びに自信をもって、これからも、今までの卒業生やこれから卒業していくみんなと力を合わせて、この世の中を進んでいってほしいと思います……」
次は、私の出番なの。卒業生を代表して、私、本田彩子が挨拶をしたの。
「小さい頃からよく美代乃校長先生に本を読んでいただいたり、お話をしたりしていただきました。私は、本も好きだし、お話も大好きです。だけど、それよりもっと好きなのが、美代乃校長先生です。きっと私だけではないはずです」
私は、ちらっとみょんちゃん校長先生の方を見たの。もう、ハンカチを出してるわ。
「一緒にいると何でもできそうな気持になるのです。何でもやろういう気持ちになるのです。失敗しても次にがんばろうという気持ちになるのです。だから私も、そんなふうに人を勇気づけられる人になりたいと思っています」
みょんちゃん校長先生も一緒に頷いてくれてる。
「自分には、何ができるかわかりませんが、やりたいことを1つずつ試してみます。どうかこれからも、虹ヶ丘小学校を卒業する私達を見守っていてください。私達もこの虹ヶ丘を見続けていくことを誓います」
5人の卒業生も、会場にいた多くの人達も、みんな頷てくれていた。きっと私と同じ気持ちなんだろうって思って安心したの。
挨拶が終わった後は、会場にある黒板の絵の説明や思い出話など、各々の人同士で話をしたの。狭い会場なために、順に訪れた人との雑談になったわ。本当に、形式に捕らわれない卒業式なの。
お陰で、会場に来てくれた人達といっぱい話ができたの。
「あーちゃん、久しぶり、大きくなったね」
親しげに声をかけてくれたのは、上杉先輩だった。上杉先輩は、桜山先輩と一緒に電気や機械の勉強をするために東京へ行ったの。今日の卒業式に合わせて帰ってきたのね。
「あ、上杉先輩こそ、お久しぶりです」
横から割り込んで入ってきたのは、北野先生だった。
「なーんだ北野、今、あーちゃんと話しているのに、お前は、あと、あと」
「何言ってんですか? あーちゃんは、僕の教え子なんですよ。僕は、担任なんですよ、僕が先にお話ししても、いいじゃないですか!」
「なんだ、北野、お前、しばらく見ないうちに、一太に似てきたなーーははは」
「もー、上杉先輩、お久しぶりです。ようやくお帰りになったんですか?」
「ああ、やっと帰ってきたぞー。あーちゃん、おめでとう! そして、北野、お疲れ様!」
上杉先輩と北野先生も、先輩後輩の関係になるのね、あの時、みんなでこの虹小を改築してたわ。
「それで、先輩は、これからどうするんですか?」
「俺は、ここで、電器屋を開業するぞ! この虹ヶ丘を明るくしてやるから、まってろ!」
「わかりました、お願いしますね」
何だか夢のような話を聞いていると、次々に人が集まって来たの。
「なーんだ、万ちゃん、もう電器屋のこと話しちゃたのか?」
「あ、岡崎先輩だ!」
「なんだ、みんな、早いな」
「ああ、桜山先輩もいるぞ!」
そして、知り合いを見つけると、先輩達は大きな声で呼び集めてたの。
「おーい、一太、トウちゃん、こっちこいよ」
「なんだー、どうした?」
「ああ、みんな、懐かしい顔がいっぱいいるんだねー」
そして、私の周りには、あの懐かしい人達の顔が揃ったの。
やっと卒業して先輩に近づける私、本田彩子ことあーちゃん。
機械や電気が得意の上杉万作こと上杉先輩。
医者になりたい岡崎芯也こと岡崎先輩。
虹ヶ丘小学校の中村一太先生、北野大空先生、多田野等先生。
設計と建築に興味があった桜山建造こと桜山先輩。
6年の歳月を経て、今ここで、再会したの。
「上杉先輩が電器屋をやるって聞いたんですけど……」
私は、岡崎先輩に尋ねたの。すると、メガネをちょっと持ち上げて、当たり前だというような顔で説明してくれたの。
「それは、当たり前ですよ。なんせ、この6年間で発明特許を取った数が千を超えるというんですよ。それも、勉強や仕事をしながらというんだから驚いてしまいます。特許の分のお金だけでも、お店の2軒や3軒は簡単にできるはずですよ、な、万ちゃん!」
「何言ってんだよ、芯也だって、もう医者になって、病院で働いてるじゃないか。聞くところによれば、内科、小児科、外科……他にもいろいろな専門科をあっという間に修得したらいいな。お前の病院、俺が作ってやろうか?」
「あははは……病院を作るなら、桜山先輩に頼むさ。お前には、医療機械を頼むよ、あはははは」
「おう、任せとけ! それより、お前も帰って来るんだろ?」
「ん? ああ、…………まだなんだ。まだ、僕は帰る訳にはいかないんだ。……あと、もう1つあるんだよ。もう1つな…………。それよりも、桜山先輩? 上手くいったんですか?き・の・う?」
「芯也、お前、何言ってんだ? なんのことだ? 俺にも教えろよ!」
「いやあ、これは、本人に言って貰わないとね……ね? 先輩!」
「あ? ん! ああ、まあ……何とか受けてくれたよ!」
「おお! そうですか! それじゃあちょっとまっててくださいね……」
何だか、急に岡崎先輩は、その場から離れて、向こうで話をしているみょんちゃん校長を連れて戻ってきたの。
「ああ、みんなも、戻ってきてたのね、上杉君、岡崎君、お帰りなさい。お仕事は上手くいっているの?」
「ああ美代乃校長先生、とっても懐かしいんだけど、ちょっとそれは、後回しで……」
「え? どういうこと?」
他のみんなも、少し意味が分からずキョトンと瞬きを忘れてしまいそうになっていたわ。 そんなことにかまわず、岡崎先輩は、大きな声を張り上げていきなり叫び出したの。
「おめでとうございます! 美代乃校長先生、桜山先輩!!」
「おい、おい」
桜山先輩は、小さな声で岡崎先輩を止めようとしたの。みょんちゃん校長先生に至っては、恥ずかしそうに下を向いてしまったわ。でも、なんだか、2人はとっても嬉しそうに見えたの。
「あーーーー! なるほどねーーーー!」
上杉先輩と中村先生は、ピンときたのか、2人で目くばせして、みょんちゃん校長先生と桜山先輩を両脇に挟んで、お互いに押し付けて隣同士にしてくっつけたの。そして、もう一度、大きな声で、
「ご結婚、おめでとうございまーーーーーす!」
って、叫んだ後、大きな拍手をしたの。すると、会場にいたみんなも、両手を挙げて大きな拍手を始めたわ、すると、小さな教室で、大きな拍手が重なり合って鳴り響いたのよ。
みょんちゃん校長先生は、横の桜山先輩の手を固く握って背中に隠れ、目から溢れる涙をそっと隠していたの。それでも、みょんちゃん校長先生は、嬉しそうに微笑んでいたわ。
しばらくして、会場も落ち着いてきた頃、岡崎先輩は学校の変化に気づいみたい。
「あーちゃん、それにしても、この本どうしたんだい?」
教室の壁中は本棚になり、短い廊下もほとんど本棚になっていたの。多分、北野先生達の手作り本棚は、多少曲がってはいたんだけど、有に数千冊を超える蔵書を支えていたわ。
「みんなで集めました。隣町や親戚、それから手紙を書いて送ってもらったところもあります。最初は、自分達で絵本を描いていたんです。でも、畑仕事で、野菜を買いに来る業者の人に本が好きだと言ったら、仕事のお礼と言って本をくれるようになったんです。そこで、校長先生にお願いして、みんなで畑仕事を手伝うから、その分好きな本をもらえるように業者の人にお願いしてもらったりしたんです」
「そうか、すごいなー、あーちゃんは」
「私達の集めた本をみんなが読んでくれて、とっても嬉しかったんです。私、この虹ヶ丘に図書館をつくりたいと思うようになったんです。いつかきっと、大きな図書館を作ってみせます」
「そっか、実はね、また僕は東京の病院へ働きに行くんだ。東京には、たくさんの本屋があるから、たくさん本を送ってあげるよ」
「ありがとうございます。楽しみにしてます」
岡崎先輩は、いつものように、また離れたところでみんなを眺めている多田野先生を見つけて近寄っていったわ。
「やあ、トウちゃん。6年間ありがとうな」
「なあに、大丈夫だったよ」
「なあ、美代乃校長先生は、どのくらい……だった」
「……うん、……1年に1度くらいかな。でも、最近は、ちょっと、ひどいんだ……」
「そうか。気をつけてることは?」
「できるだけ夜は、仕事しないようにしてもらってる。先生も2人増やしたし、校舎まわりの草刈りや書類の仕事に町の人をお願いしている」
「そうか、トウちゃんもいろいろ気をつかって大変だと思うが、あともう少し頑張ってくれ」
「うん、待ってるよ。芯さんだって大変でしょ?」
「なあに、あと1つできれば、完璧なんだ」
(つづく)
0
あなたにおすすめの小説
エリクサーは不老不死の薬ではありません。~完成したエリクサーのせいで追放されましたが、隣国で色々助けてたら聖人に……ただの草使いですよ~
シロ鼬
ファンタジー
エリクサー……それは生命あるものすべてを癒し、治す薬――そう、それだけだ。
主人公、リッツはスキル『草』と持ち前の知識でついにエリクサーを完成させるが、なぜか王様に偽物と判断されてしまう。
追放され行く当てもなくなったリッツは、とりあえず大好きな草を集めていると怪我をした神獣の子に出会う。
さらには倒れた少女と出会い、疫病が発生したという隣国へ向かった。
疫病? これ飲めば治りますよ?
これは自前の薬とエリクサーを使い、聖人と呼ばれてしまった男の物語。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
アルフレッドは平穏に過ごしたい 〜追放されたけど謎のスキル【合成】で生き抜く〜
芍薬甘草湯
ファンタジー
アルフレッドは貴族の令息であったが天から与えられたスキルと家風の違いで追放される。平民となり冒険者となったが、生活するために竜騎士隊でアルバイトをすることに。
ふとした事でスキルが発動。
使えないスキルではない事に気付いたアルフレッドは様々なものを合成しながら密かに活躍していく。
⭐︎注意⭐︎
女性が多く出てくるため、ハーレム要素がほんの少しあります。特に苦手な方はご遠慮ください。
大和型戦艦、異世界に転移する。
焼飯学生
ファンタジー
第二次世界大戦が起きなかった世界。大日本帝国は仮想敵国を定め、軍事力を中心に強化を行っていた。ある日、大日本帝国海軍は、大和型戦艦四隻による大規模な演習と言う名目で、太平洋沖合にて、演習を行うことに決定。大和、武蔵、信濃、紀伊の四隻は、横須賀海軍基地で補給したのち出港。しかし、移動の途中で濃霧が発生し、レーダーやソナーが使えなくなり、更に信濃と紀伊とは通信が途絶してしまう。孤立した大和と武蔵は濃霧を突き進み、太平洋にはないはずの、未知の島に辿り着いた。
※ この作品は私が書きたいと思い、書き進めている作品です。文章がおかしかったり、不明瞭な点、あるいは不快な思いをさせてしまう可能性がございます。できる限りそのような事態が起こらないよう気をつけていますが、何卒ご了承賜りますよう、お願い申し上げます。
大学生活を謳歌しようとしたら、女神の勝手で異世界に転送させられたので、復讐したいと思います
町島航太
ファンタジー
2022年2月20日。日本に住む善良な青年である泉幸助は大学合格と同時期に末期癌だという事が判明し、短い人生に幕を下ろした。死後、愛の女神アモーラに見初められた幸助は魔族と人間が争っている魔法の世界へと転生させられる事になる。命令が嫌いな幸助は使命そっちのけで魔法の世界を生きていたが、ひょんな事から自分の死因である末期癌はアモーラによるものであり、魔族討伐はアモーラの私情だという事が判明。自ら手を下すのは面倒だからという理由で夢のキャンパスライフを失った幸助はアモーラへの復讐を誓うのだった。
アガルタ・クライシス ―接点―
来栖とむ
SF
神話や物語で語られる異世界は、空想上の世界ではなかった。
九州で発見され盗難された古代の石板には、異世界につながる何かが記されていた。
同時に発見された古い指輪に偶然触れた瞬間、平凡な高校生・結衣は不思議な力に目覚める。
不審な動きをする他国の艦船と怪しい組織。そんな中、異世界からの来訪者が現れる。政府の秘密組織も行動を開始する。
古代から権力者たちによって秘密にされてきた異世界との関係。地球とアガルタ、二つの世界を巻き込む陰謀の渦中で、古代の謎が解き明かされていく。
異世界転移からふざけた事情により転生へ。日本の常識は意外と非常識。
久遠 れんり
ファンタジー
普段の、何気ない日常。
事故は、予想外に起こる。
そして、異世界転移? 転生も。
気がつけば、見たことのない森。
「おーい」
と呼べば、「グギャ」とゴブリンが答える。
その時どう行動するのか。
また、その先は……。
初期は、サバイバル。
その後人里発見と、自身の立ち位置。生活基盤を確保。
有名になって、王都へ。
日本人の常識で突き進む。
そんな感じで、進みます。
ただ主人公は、ちょっと凝り性で、行きすぎる感じの日本人。そんな傾向が少しある。
異世界側では、少し非常識かもしれない。
面白がってつけた能力、超振動が意外と無敵だったりする。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる