みょんちゃんが奏でる虹色のメロディー ~皆で紡ぐ、楽しい学校と素敵な町並み~

根 九里尾

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第7章 虹ヶ丘小学校とみょんちゃん先生の幸せ〔あーちゃんの視点・他〕 

52 第7章第4話 絆の光

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 〔美代乃みよのの視点〕



 卒業式の次の日、上杉うえすぎ君は、みんなを虹の木の所に集めてくれたの。『にじ』っていうのはね、虹ヶ丘小学校の校庭にある大きなどんぐりの木のことなの。

 校庭を作る時、ほとんどの木は切り倒したわ。でも、隅にあった他の木よりも太めのこの木だけは、この虹ヶ丘小学校の象徴として残しておくことにしたの。
 
 昨日の卒業式は、あんなに晴れていたのに、今朝は明け方から小雨が降っているわ。3月とはいえ、外はまだ雪が残っているので、こんな小雨でも雪はだいぶ溶けるのが進むの。この時期の雨は、春を告げる暖かい贈り物に感じることがあるわ。

 風もなく、気温もそんなに低くないけど、まだお昼前だというのに小雨のせいで薄暗く感じるの。なんだか私は、ちょっと気持ちも晴れないわ。



「何だよ、ばんちゃん。こんな天気に」
「うるさいよ、一太。お前は、黙ってなさい。……えー、みなさん、雨の中、お集りいただきましてありがとうございます」

「……あのう、みんな、ごめんなさい。私のせいなんです」
「何のことですか? 校長先生」

「実は、私が、上杉君にお願いしたんです」
「校長先生、また、変なお願いしたんでしょ!」

「何を失敬な!」
 上杉君は、少し茶化して、わざともったいぶって、話し始めたわ。

「今日集まってもらったのは、美代乃校長先生に、あるものを作って、みんなに渡してほしと頼まれたからなんだ」

「何を作ったんですか?」
 あーちゃんが、興味をそそられたのか、目を丸くして質問したわ。

「美代乃先生は、ここにいる7人に、お礼がしたいと言い出したんだ」
「7人って、僕と万ちゃんと岡崎君と一太と北野と多田野、それに彩子ちゃんかい?」
「そうなんです、桜山先輩」

「どうして? お礼って、何だい?」

「それは私が説明するわね。……この虹ヶ丘小学校を作るって言った時、最初私は、反対だったの。でもね、あの人達に会って話をするうちに、夢のような学校もいいかなって思ったのよ。そして、その話にみんなは、黙って協力してくれたわ。絶対に無理なことがたくさんあるってわかっていたはずなのに……。だから、この気持ちをいつまでも繋いで持ち続けれるようなものをお願いしたの」

「……そこで、俺は考えたのさ。この6年間の技術の粋を集めて完成させたのが、この『三角軸の鉛筆』なのさ。秘密はいろいろあるけど、まずはこれを1本ずつ空に向けて持って、自分の名前を叫んでもらうよ」


 岡崎君が叫ぶと、鉛筆の先からは赤い光が出たの。
 多田野が叫ぶと、橙の光が出たわ。
 一太君が叫ぶと、黄色い光が出たわ。
 北野君が叫ぶと、緑の光がてたの。
 上杉君が叫ぶと、青い光が出たの。
 あーちゃんが叫ぶと、藍色の光が出たの。
 けんちゃんが叫ぶと、紫の光が出たわ。

 いずれも、奇麗で、透明、蛍光色だったわ。


「わーあ! 凄い、きれいな光ね……」
 みんなは、口々に感想を言ったの。


 上杉君が次の指示を出したわ。
「みんな、鉛筆の光を一点に集中させてくれ!」

 すると、手でもっている鉛筆を調整して、光を真ん中に寄せ集めたの。7人の光が集められたその場所には、奇麗な白色の光の玉ができあがったわ。
 そして、その光の玉の中に私の姿が浮かびあがり、7人に向けてメッセージを語りかけてきたの。
 
 その言葉は、虹ヶ丘小学校が軌道にのっている現在の喜びと、それまでの感謝の気持ちがあふれるように光の中から7人に降りそそいだの。




「……あー、……んーん……」




 みんな、返事ともなんと言われない声を出して、私のメッセージに答えようとしていたみたい。でも。みんなの笑顔は、あふれる涙で、言葉にはならなかったみたいなの。

 しばらくして、上杉君は、静かに付け加えたわ。

「この鉛筆には、まだたくさんの秘密があるんだ。きっと、僕達が壁にぶつかった時、みょんちゃんが助けてくれるはずさ。いや、僕達のやろうとしていることを信じてくれるはずなんだ。だから、この鉛筆は、大切にしてほしい、これから先ずうっーーとな」

 いつしか、鉛筆の光は、雲をよけて、青空を広げていた。そして、まん丸い虹を『虹の木』の真上にもたらしていたわ。

 次第に広がる青空とそれを繋ぐきれいな虹を見上げて、私の気持ちもだんだんと晴れていくような気がしたの。



(つづく)
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