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第5章 ありふれた日常の変化
39 第5章第2話 夏野所長の原点
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ここは、夏野太陽の研究室。
『試食販売ウレソー』との死闘の後、太陽は深い眠りに落ちていた。湖路奈の膝の上で。
『……ふ…れ…あ…さん…………ぼ、ぼく………ぜったい……ふにゃふにゃ……』
「……所長、また布礼愛の夢見てるの事ですね…………」
******10年前の夏野太陽******
「やったー、やったー……これで、ボクも研修者の仲間入りだ! 頑張るぞ~」
夏野太陽14歳、中3の夏の事だった。ある学校法人の懸賞論文に応募し、佳作に選ばれたのである。夏野の論文は、『温暖化の地球における冷却効果がある水着開発について』というものだった。
後に画期的な発明で、世間を凌駕するこの水着の発想は、すでに彼が中学生の頃には完成していたのであった。
「夏野君、副賞として本校の高校へ特別入学を許可しよう。そして、本校に設置してある『地球温暖研究室』の一員となるべく研究員の資格を授与したいと思うが、どうかな?」
当時、虹ノ森学園高等部校長だった厚着好男は、微笑みを交えながら夏野にそう告げた。
「喜んで、お受けします! ボクは一生懸命この研究を続け、実用化まで邁進したいと思います」
「そうか、ありがとう……それから、この研究室にはもう1人研究者がいるんだ。彼女とも仲良くやってくれたまえ!」
それが、太陽と布礼愛が出たった最初だった。
早速夏野は、中3の夏から虹ノ森高校へ通うことになる。
研究室は、別館の4階にあった。4階のフロアをすべて研究室として開放していたのだ。この学校の校長自身が、地球温暖化にとても興味をもっていて、たくさんの研究論文を集めていた。
夏野が初めて研究室を訪れた時、彼女はすでに研究室で論文の執筆中であった。
「は、はじめ、まして。夏野太陽と申します!」
「あら、あなたが夏野君? ……わたしは、上杉布礼愛といいます。あなたも中3って、聞いたけど、わたしもよ。うふふふ……よろしくね」
彼女は、清楚で可憐だった(夏野談)。笑顔で、右手を出してきた。もちろん握手のためだが、夏野は舞いがって布礼愛の右手を両手で握ってしまったのだ。すぐに気が付き、夏野も右手で握手をしたが、時すでに遅く、夏野は耳まで真っ赤になっていた。
「うふふ……夏野君って、面白いのね……一緒に頑張りましょうね!」
「はい!」
夏野は、今でもその笑顔を忘れられず、夢にも度々現れる。それだけに、後悔が……
『……もっといっぱい話しておけば……もっといっぱい……』……その想いが、今の夏野の原動力と言ってもいいかもしれない。
******現在の夏野太陽******
「……だから、いっぱい話してほしい事ですねえ~……今は、傍にいるの事でしょ……ねえってばーの事ですよー」
湖路奈は、膝の上で眠る夏野太陽の頭を撫でながら、ゆっくりと呟いた。
(つづく)
『試食販売ウレソー』との死闘の後、太陽は深い眠りに落ちていた。湖路奈の膝の上で。
『……ふ…れ…あ…さん…………ぼ、ぼく………ぜったい……ふにゃふにゃ……』
「……所長、また布礼愛の夢見てるの事ですね…………」
******10年前の夏野太陽******
「やったー、やったー……これで、ボクも研修者の仲間入りだ! 頑張るぞ~」
夏野太陽14歳、中3の夏の事だった。ある学校法人の懸賞論文に応募し、佳作に選ばれたのである。夏野の論文は、『温暖化の地球における冷却効果がある水着開発について』というものだった。
後に画期的な発明で、世間を凌駕するこの水着の発想は、すでに彼が中学生の頃には完成していたのであった。
「夏野君、副賞として本校の高校へ特別入学を許可しよう。そして、本校に設置してある『地球温暖研究室』の一員となるべく研究員の資格を授与したいと思うが、どうかな?」
当時、虹ノ森学園高等部校長だった厚着好男は、微笑みを交えながら夏野にそう告げた。
「喜んで、お受けします! ボクは一生懸命この研究を続け、実用化まで邁進したいと思います」
「そうか、ありがとう……それから、この研究室にはもう1人研究者がいるんだ。彼女とも仲良くやってくれたまえ!」
それが、太陽と布礼愛が出たった最初だった。
早速夏野は、中3の夏から虹ノ森高校へ通うことになる。
研究室は、別館の4階にあった。4階のフロアをすべて研究室として開放していたのだ。この学校の校長自身が、地球温暖化にとても興味をもっていて、たくさんの研究論文を集めていた。
夏野が初めて研究室を訪れた時、彼女はすでに研究室で論文の執筆中であった。
「は、はじめ、まして。夏野太陽と申します!」
「あら、あなたが夏野君? ……わたしは、上杉布礼愛といいます。あなたも中3って、聞いたけど、わたしもよ。うふふふ……よろしくね」
彼女は、清楚で可憐だった(夏野談)。笑顔で、右手を出してきた。もちろん握手のためだが、夏野は舞いがって布礼愛の右手を両手で握ってしまったのだ。すぐに気が付き、夏野も右手で握手をしたが、時すでに遅く、夏野は耳まで真っ赤になっていた。
「うふふ……夏野君って、面白いのね……一緒に頑張りましょうね!」
「はい!」
夏野は、今でもその笑顔を忘れられず、夢にも度々現れる。それだけに、後悔が……
『……もっといっぱい話しておけば……もっといっぱい……』……その想いが、今の夏野の原動力と言ってもいいかもしれない。
******現在の夏野太陽******
「……だから、いっぱい話してほしい事ですねえ~……今は、傍にいるの事でしょ……ねえってばーの事ですよー」
湖路奈は、膝の上で眠る夏野太陽の頭を撫でながら、ゆっくりと呟いた。
(つづく)
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