56 / 57
56 エルフィーナの夢 1 (両手のぬくもり)
しおりを挟む
「やあ、エルフィーナ先生、もうすぐ1学期も終わりなんですが、夏休みの計画はできたのかなあ?」
「あ、校長先生。そうですね……子ども達は、自由研究や作品作りなど、いろいろと自分の好きなことを極めたいと計画をしていますよ」
「あはははは…………そうじゃなくてさ。君の計画さ……例えば、直人君とどっか出かけるとかね」
笑顔で校長先生が茶化し始めたので、僕は、急いでエルの傍に行った。
「田中校長先生、職員室でエルフィーナ先生に変なこと言わないでくださいよ~」
そして、僕は慌ててエルを引っ張って連れて来てしまった。
そしたら校長先生が、やたら笑顔で傍に居る先生に話し掛けていた。
「ねえ、山田先生。やっぱりエルフィーナ先生と素田教頭先生は、お似合いだと思うんですけどね~」
「私達、みんなそう思っていますよ、……なあ」
「そうなんです、みんな知ってますからね。気づいてないと思っているのは、教頭先生だけなんですから」
一条先生が、笑いながら言っているのが聞こえてきた。
職員室のあちこちから、笑い声が上った。え? どういうこと? みんな何を知ってるの?
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
『いやー校長先生には、まいったね……。エル、また、村長のアレクさんと同じように、からかわれたら恥ずかしいじゃないか。まったく……なあ。……エル?……エル?……どうした?』
「直人?……今……村長のアレクって?……アレクって知ってるの?」
「村長?……アレク?……僕、そんなこと言ったかい?……言ってないよ、気のせいだよ、エル」
廊下の隅で、僕達は不思議な感覚に襲われていたんだ。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「エールーせんせーいー……」
グラウンドで遊んでいる女の子に遠くから声を掛けられていた。
「きょうーとーせんせーせー……」
その子は、反対方向を歩いていた僕も見つけて声を掛け、2人を同じ場所に呼びつけたんだ。
「どうしたの? 美穂ちゃん」
「はあ、はあ……は、は……な、な、なんかあったかい?」
僕は、走って来たので、息が上がってしまっていたが、呼びつけた橋本美穂ちゃんは、エルと並んだそんな僕を見つめて、嬉しそうに言ったんだ。
「ねえ、教頭先生にも、生えたのね。……きれいだよ……。エル先生と御揃いだね!」
と、言って僕達の間に入って両手で手を繋いで嬉しそうにしたんだ。
「な、何が生えたって?」
慌てて、僕は、繋いでいない方の手で、顔や頭をなでてて確かめてみたが、何もなかった。
「ねえ、美穂ちゃんだっけ?……教えてくれないかな……何かな……どこに生えたかな?」
慌てる僕に、美穂ちゃんは、エル先生を指さして、「同じだよ……ここ!」と、背中を示した。
僕が、自分の背中を見ようとしても見ることはできない。すぐ僕は、エルの顔を見たんだ。そして、ただ事ではないことが、エルの表情からわかった。
「エル、エル……どうしたの?」
美穂ちゃんには聞こえないように小声でささやくと、エルも我に返った。
「美穂ちゃん、ありがとうね。……わかったわ……。じゃあ、後は任せてね」
と、言って美穂ちゃんを、また一人で遊びに行かせた。
「どうしたんだい、エル?」
美穂ちゃんが居なくなって、すぐに僕は聞いた。
「見えたのよ。直人の背中に、エルフの羽根が4枚。……しかもオルナートの羽根が……」
エルは、嬉しいのか、驚いたのか、また思い出して悲しいのか、……どれも混じった、……どれとも言えない、なんとも言えない表情を見せていたんだ。
「エル、あそこで少し休もうか」
七月の晴れた空の下、中休みのグランドは、もう夏の訪れを感じた。グラウンドの真ん中では、子ども達がサッカーをして遊んでいる。その周りでは、鬼ごっこをしたり、鉄棒をしたり、ブランコに乗ったりしている子もいる。
賑やかで、楽しい風景だ。グラウンドの周りには、大きな木が日よけになっている。 エルは、そこに設置してあるベンチに腰を下ろした。
その近くに、子どもの姿はない。日陰のここだけは、静かだった。
『エル、今、水を汲んでくるから少し待っていておくれ。……この前の満月の夜は、僕が水を汲んできてもらったのに、飲めなくてすまなかったね……』
「え?……直人?……あなた、今、何て! ね、オルナートなの?……待って!……行かないで! また、置いていかないでーーー!!」
エルは、グラウンドの木陰で気を失ってしまった。
「さ、エル、エル、水だよ……」
エルを抱き起し、汲んできた水を口にふくませた。
「あ!……あなたは誰?」
「何、言ってるの……直人だよ……どうしたの?」
「直人―――」
エルは、僕にしがみつき、泣き出してしまった。そこへ、さっきの美穂ちゃんがやって来て言ったんだ。
「エル先生、どうしたの? 何、泣いてるの? ……良かったよね。羽根の人だよ。教頭先生が羽根の人だったんだよ。泣くことないんだよ! よかったんだよ!」
そして、また遊びに行ってしまった。
「え? 羽根の人? 直人が……どういうことなの? よかった?」
エルは、またそのまま気を失ってしまった。
・・・・・・・・・・・・・・・
「気が付いたかい? エル」
「ああ、直人……、ここは?」
「保健室だよ……」
周りに、心配して集まっていたのは、校長先生や保健の先生だけではなく、学年主任の平野先生達も来ていた。
「どうもご心配をおかけしまして……ちょっと、暑さにやられたのかもしれません」
「そうか、エルフィーナ先生の国は、こんなに夏は暑くないからねえ……」
校長先生が口裏を合わせて、みんなを納得させた。結局、エルは、軽い熱中症で倒れたということで、学校は早退することにしたが、もちろん僕が付き添うことにした。
帰り際、僕は、田中校長先生に呼び止められた。
「教頭先生、エルフィーナ先生は、とてもよく頑張ってくれている。知らない世界にきて、4か月が過ぎようとしているんだ。普通の先生でも、そろそろ心がオーバーワークを起こす時期なんだよ。自分では気が付かなくても、寂しくなったり、孤独感にさいなまれたりするもんだ。君には、彼女を召喚した責任があるんだ。いや、彼女が、君だからこの召喚に応じたのかもしれないんだ。この召喚は、彼女自身が選んだと言っていただろう……。だから、やっぱり、君がしっかり面倒をみてあげて欲しい。……これは、命令じゃない……お願いなんだ」
校長先生は、いつものいい加減さは微塵もなく、真剣に頭を下げていた。
「校長先生、頭を上げてください。……わかっています。僕は、エルが、大好きです。先生としても、それから………。だから…………任せてください」
僕も真剣だったが、だんだんと顔が赤くって行くのがわかった。
「さあ、エル、今日は帰ろうか……」
少し早いけど、お昼で切り上げ、午後から2人で年休をとろう。
(つづく)
「あ、校長先生。そうですね……子ども達は、自由研究や作品作りなど、いろいろと自分の好きなことを極めたいと計画をしていますよ」
「あはははは…………そうじゃなくてさ。君の計画さ……例えば、直人君とどっか出かけるとかね」
笑顔で校長先生が茶化し始めたので、僕は、急いでエルの傍に行った。
「田中校長先生、職員室でエルフィーナ先生に変なこと言わないでくださいよ~」
そして、僕は慌ててエルを引っ張って連れて来てしまった。
そしたら校長先生が、やたら笑顔で傍に居る先生に話し掛けていた。
「ねえ、山田先生。やっぱりエルフィーナ先生と素田教頭先生は、お似合いだと思うんですけどね~」
「私達、みんなそう思っていますよ、……なあ」
「そうなんです、みんな知ってますからね。気づいてないと思っているのは、教頭先生だけなんですから」
一条先生が、笑いながら言っているのが聞こえてきた。
職員室のあちこちから、笑い声が上った。え? どういうこと? みんな何を知ってるの?
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
『いやー校長先生には、まいったね……。エル、また、村長のアレクさんと同じように、からかわれたら恥ずかしいじゃないか。まったく……なあ。……エル?……エル?……どうした?』
「直人?……今……村長のアレクって?……アレクって知ってるの?」
「村長?……アレク?……僕、そんなこと言ったかい?……言ってないよ、気のせいだよ、エル」
廊下の隅で、僕達は不思議な感覚に襲われていたんだ。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「エールーせんせーいー……」
グラウンドで遊んでいる女の子に遠くから声を掛けられていた。
「きょうーとーせんせーせー……」
その子は、反対方向を歩いていた僕も見つけて声を掛け、2人を同じ場所に呼びつけたんだ。
「どうしたの? 美穂ちゃん」
「はあ、はあ……は、は……な、な、なんかあったかい?」
僕は、走って来たので、息が上がってしまっていたが、呼びつけた橋本美穂ちゃんは、エルと並んだそんな僕を見つめて、嬉しそうに言ったんだ。
「ねえ、教頭先生にも、生えたのね。……きれいだよ……。エル先生と御揃いだね!」
と、言って僕達の間に入って両手で手を繋いで嬉しそうにしたんだ。
「な、何が生えたって?」
慌てて、僕は、繋いでいない方の手で、顔や頭をなでてて確かめてみたが、何もなかった。
「ねえ、美穂ちゃんだっけ?……教えてくれないかな……何かな……どこに生えたかな?」
慌てる僕に、美穂ちゃんは、エル先生を指さして、「同じだよ……ここ!」と、背中を示した。
僕が、自分の背中を見ようとしても見ることはできない。すぐ僕は、エルの顔を見たんだ。そして、ただ事ではないことが、エルの表情からわかった。
「エル、エル……どうしたの?」
美穂ちゃんには聞こえないように小声でささやくと、エルも我に返った。
「美穂ちゃん、ありがとうね。……わかったわ……。じゃあ、後は任せてね」
と、言って美穂ちゃんを、また一人で遊びに行かせた。
「どうしたんだい、エル?」
美穂ちゃんが居なくなって、すぐに僕は聞いた。
「見えたのよ。直人の背中に、エルフの羽根が4枚。……しかもオルナートの羽根が……」
エルは、嬉しいのか、驚いたのか、また思い出して悲しいのか、……どれも混じった、……どれとも言えない、なんとも言えない表情を見せていたんだ。
「エル、あそこで少し休もうか」
七月の晴れた空の下、中休みのグランドは、もう夏の訪れを感じた。グラウンドの真ん中では、子ども達がサッカーをして遊んでいる。その周りでは、鬼ごっこをしたり、鉄棒をしたり、ブランコに乗ったりしている子もいる。
賑やかで、楽しい風景だ。グラウンドの周りには、大きな木が日よけになっている。 エルは、そこに設置してあるベンチに腰を下ろした。
その近くに、子どもの姿はない。日陰のここだけは、静かだった。
『エル、今、水を汲んでくるから少し待っていておくれ。……この前の満月の夜は、僕が水を汲んできてもらったのに、飲めなくてすまなかったね……』
「え?……直人?……あなた、今、何て! ね、オルナートなの?……待って!……行かないで! また、置いていかないでーーー!!」
エルは、グラウンドの木陰で気を失ってしまった。
「さ、エル、エル、水だよ……」
エルを抱き起し、汲んできた水を口にふくませた。
「あ!……あなたは誰?」
「何、言ってるの……直人だよ……どうしたの?」
「直人―――」
エルは、僕にしがみつき、泣き出してしまった。そこへ、さっきの美穂ちゃんがやって来て言ったんだ。
「エル先生、どうしたの? 何、泣いてるの? ……良かったよね。羽根の人だよ。教頭先生が羽根の人だったんだよ。泣くことないんだよ! よかったんだよ!」
そして、また遊びに行ってしまった。
「え? 羽根の人? 直人が……どういうことなの? よかった?」
エルは、またそのまま気を失ってしまった。
・・・・・・・・・・・・・・・
「気が付いたかい? エル」
「ああ、直人……、ここは?」
「保健室だよ……」
周りに、心配して集まっていたのは、校長先生や保健の先生だけではなく、学年主任の平野先生達も来ていた。
「どうもご心配をおかけしまして……ちょっと、暑さにやられたのかもしれません」
「そうか、エルフィーナ先生の国は、こんなに夏は暑くないからねえ……」
校長先生が口裏を合わせて、みんなを納得させた。結局、エルは、軽い熱中症で倒れたということで、学校は早退することにしたが、もちろん僕が付き添うことにした。
帰り際、僕は、田中校長先生に呼び止められた。
「教頭先生、エルフィーナ先生は、とてもよく頑張ってくれている。知らない世界にきて、4か月が過ぎようとしているんだ。普通の先生でも、そろそろ心がオーバーワークを起こす時期なんだよ。自分では気が付かなくても、寂しくなったり、孤独感にさいなまれたりするもんだ。君には、彼女を召喚した責任があるんだ。いや、彼女が、君だからこの召喚に応じたのかもしれないんだ。この召喚は、彼女自身が選んだと言っていただろう……。だから、やっぱり、君がしっかり面倒をみてあげて欲しい。……これは、命令じゃない……お願いなんだ」
校長先生は、いつものいい加減さは微塵もなく、真剣に頭を下げていた。
「校長先生、頭を上げてください。……わかっています。僕は、エルが、大好きです。先生としても、それから………。だから…………任せてください」
僕も真剣だったが、だんだんと顔が赤くって行くのがわかった。
「さあ、エル、今日は帰ろうか……」
少し早いけど、お昼で切り上げ、午後から2人で年休をとろう。
(つづく)
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
バッドエンド予定の悪役令嬢が溺愛ルートを選んでみたら、お兄様に愛されすぎて脇役から主役になりました
美咲アリス
恋愛
目が覚めたら公爵令嬢だった!?貴族に生まれ変わったのはいいけれど、美形兄に殺されるバッドエンドの悪役令嬢なんて絶対困る!!死にたくないなら冷酷非道な兄のヴィクトルと仲良くしなきゃいけないのにヴィクトルは氷のように冷たい男で⋯⋯。「どうしたらいいの?」果たして私の運命は?
大根令嬢の雑学無双、王弟殿下を添えて。~ 前世を思い出したので、許婚をほったらかして人助けしまくります!!
古森真朝
恋愛
気弱な伯爵令嬢のカレンは、自分勝手な婚約者レナートに振り回されていた。耐え続けていたある日、舞踏会で何者かに突き飛ばされ、階段から落ちてしまう。
その傷が元で儚く……なるかと思いきや。衝撃で前世を思い出したカレンは一転、かの『ド根性大根』みたいな超・ポジティブ人間になっていた。
『モラハラ婚約者の思惑なんぞ知るか!! 今度こそ好きなことやって、目いっぱい幸せに長生きするんだから!!!』
昔ひたすら読書に耽って身に着けた『雑学』を武器に、うっかり採れ過ぎた作物や、開墾しようとすると不幸に見舞われる土地、不治の病にかかった王族、等々の問題をどんどん解決。
領地の内外で心強い友人が出来たり、いつの間にかものすごく有名になっていたり、何かと協力してくれる王弟ヴィクトルから好意を寄せられたり(注:気付いてない)する中、温かい家族と共に仕事に励んでいく。
一方、前世から因縁のある人々もまた、こちらに転生していて――
敗戦国の姫は、敵国将軍に掠奪される
clayclay
恋愛
架空の国アルバ国は、ブリタニア国に侵略され、国は壊滅状態となる。
状況を打破するため、アルバ国王は娘のソフィアに、ブリタニア国使者への「接待」を命じたが……。
王女の中身は元自衛官だったので、継母に追放されたけど思い通りになりません
きぬがやあきら
恋愛
「妻はお妃様一人とお約束されたそうですが、今でもまだ同じことが言えますか?」
「正直なところ、不安を感じている」
久方ぶりに招かれた故郷、セレンティア城の月光満ちる庭園で、アシュレイは信じ難い光景を目撃するーー
激闘の末、王座に就いたアルダシールと結ばれた、元セレンティア王国の王女アシュレイ。
アラウァリア国では、新政権を勝ち取ったアシュレイを国母と崇めてくれる国民も多い。だが、結婚から2年、未だ後継ぎに恵まれないアルダシールに側室を推す声も上がり始める。そんな頃、弟シュナイゼルから結婚式の招待が舞い込んだ。
第2幕、連載開始しました!
お気に入り登録してくださった皆様、ありがとうございます! 心より御礼申し上げます。
以下、1章のあらすじです。
アシュレイは前世の記憶を持つ、セレンティア王国の皇女だった。後ろ盾もなく、継母である王妃に体よく追い出されてしまう。
表向きは外交の駒として、アラウァリア王国へ嫁ぐ形だが、国王は御年50歳で既に18人もの妃を持っている。
常に不遇の扱いを受けて、我慢の限界だったアシュレイは、大胆な計画を企てた。
それは輿入れの道中を、自ら雇った盗賊に襲撃させるもの。
サバイバルの知識もあるし、宝飾品を処分して生き抜けば、残りの人生を自由に謳歌できると踏んでいた。
しかし、輿入れ当日アシュレイを攫い出したのは、アラウァリアの第一王子・アルダシール。
盗賊団と共謀し、晴れて自由の身を望んでいたのに、アルダシールはアシュレイを手放してはくれず……。
アシュレイは自由と幸福を手に入れられるのか?
幽閉王女と指輪の精霊~嫁いだら幽閉された!餓死する前に脱出したい!~
二階堂吉乃
恋愛
同盟国へ嫁いだヴァイオレット姫。夫である王太子は初夜に現れなかった。たった1人幽閉される姫。やがて貧しい食事すら届かなくなる。長い幽閉の末、死にかけた彼女を救ったのは、家宝の指輪だった。
1年後。同盟国を訪れたヴァイオレットの従兄が彼女を発見する。忘れられた牢獄には姫のミイラがあった。激怒した従兄は同盟を破棄してしまう。
一方、下町に代書業で身を立てる美少女がいた。ヴィーと名を偽ったヴァイオレットは指輪の精霊と助けあいながら暮らしていた。そこへ元夫?である王太子が視察に来る。彼は下町を案内してくれたヴィーに恋をしてしまう…。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる