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第1章
第1話 賭けの行方
しおりを挟む「お祖父様!私の結婚相手は自分で探します!
政略結婚なんて、愛のない結婚なんて絶対無理です!!
それに、第三王子なんて……私、会ったこともないのに!
王族とか……私、死んじゃいます!」
必死に抗議する私の言葉に、祖父はシュンとしながらも、捲し立てるように返してくる。
「そんなことを言ったって、貴族に生まれた以上、それは宿命というものじゃぞう。
ジュリアには幸せになってほしいから、最大限考慮して見繕ったんじゃ!
第三王子のレイは噂によると、かなりのイケメンらしいぞ?」
平行線のまま言い合う私たちの間に、すっと割り込んできた人物がいた。
「お祖父様もジュリアも、一旦冷静になろうか……」
従兄弟のケン兄だ。
私と祖父の言い分を聞きながら、面白そうに笑みを浮かべる。
「ジュリアは、これから王都学園に入学予定ですよね?
なら、こんな賭けをしてみてはどうでしょう。
ジュリアには不細工に変装してもらって、それでも仮の姿のジュリアに恋焦がれる婿候補を探す――
というのはどうですか?」
私と祖父は二人して困惑する。
「しかし、どんなに変装したとしても、ジュリアの美貌に落ちぬ男はいないのでは?」
嘆く祖父の顔に、ケン兄はクスッと笑う。
「大丈夫です。もちろん、このまま美少女のままで入学はさせませんよ。
ハイエナ共に群がられても困りますしね」
玩具を見つけたような、ケン兄の嬉しそうな表情。
その姿を見て、私は少しだけ笑ってしまった。
「期限は一年。
タイムリミットを過ぎたら、お祖父様の言う政略結婚をする――これでどうです?」
思考が一旦止まる。
婿探し……なんだかスケールが大きくなってきたけれど、この賭けに乗れば、政略結婚を避けられるかもしれない。
「ケン兄……私が婿を取るって、侯爵家の当主になるってことですか?
私が賭けに負けたら、第三王子は我が公爵家の婿になるんでしょう?」
「そうだね……
将来ジュリアはハンズ家の当主になるから、婿取りは必須だ。
政略結婚か、ジュリアが選んだ婿か――それはジュリア次第だよ。
「第三王子はすでに王位継承権を放棄しているから、どこかの公爵家に降嫁しなければならない。
ジュリアとの結婚は、第三王子にとっても願ってもない案件だろう。
まあ、ジュリアが賭けに勝てば、第三王子は別の公爵家にでも降嫁するだろうけどね」
複雑に絡まった家の事情に、私は苦笑いするしかなかった。
でも――悪い話ではない。
「わかりました!その賭けに乗ります!!
絶対、約束は守ってもらいますからね!」
私はニヤリと、ほくそ笑んだ。
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