悪役令嬢の逆襲

すけさん

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ソラの困惑

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あれから数時間がたちやっと頭の中も整理できた。


とりあえずメイドのソラに紙と鉛筆をもってくるように言うが


「お嬢様鉛筆というものはどんなものでしょうか?」

「あ、そうねペンを持ってきてくれる?」

「畏まりました。」

はぁ、困ったな
これが夢なら目がさめれば現実に戻るけど、今の所はこれが現実なのね


そしてソラから受け取った紙に、今までの経緯とこれから起こるであろう事柄を思い出せるだけ絞りだし書き出す。
これからどうなるか分からないのだ、このまま前世の記憶も薄れていくだろう
今の内に忘れないように記録に残しておきたいと思った。


一応念のため、バレた時に意味が分からないように日本語で書き出す。
一心不乱で何かに取り憑かれたように書く私の姿にソラは怯えていた。


そしてソラが苦笑いしながら私を気遣うようにお茶を持ってきてくれた。


「お嬢様、少し休憩してはいかがでしょうか?病み上がりですし無理をなさっては病気が再発してしまいます!お茶をお持ちしましたのでどうぞ召し上がりください」

顔をあげるとソラが紅茶とクッキーを運んでくれていた。


「そうね、少しこん詰めすぎたわ、ありがとう頂くわ。」


私の言葉にソラが驚愕の表情を浮かべてる。


「あの、お、あの我儘を絵にかいたようなお嬢様がお礼を言うなんて・・・
本当にポーツ家のお、お嬢様でしょうか?」



アハハハ、マジでやっぱりあの乙ゲーの世界なのね
って事は、やっぱり私って悪役令嬢って事か・・・・
私の未来は断罪されて追放されちゃう運命なのね


先程から混乱してるソラに向かって笑顔を浮かべる。


「もう、私を見てそんなに怯えないでよ!
そう、貴方の専属のお嬢様に間違いないから安心して頂戴」


そうね、私って根っからの悪役令嬢だったわよね
戸惑ってしまうのもしょうがないわ


それにしても、ソラの話だと私は高熱を出して寝込んでいたみたいだけど、
普通は娘を心配する筈の両親は何してるのかしらね


「ソラ、お父様とお母様は何処にいるの?」


急にソラの視線が泳ぎだす。
口ごもりながらも申し訳ない様な声で


「旦那様と奥様は、アンナ様と一緒に観劇に行かれました。」


ふーん、高熱の娘を無視して妹のアンナと観劇を楽しんでるのか


あ、そうだったわね・・・・
記憶の扉が再び開くと、今までの状況が走馬灯のように過ぎ去る。


そう、ジュリアンの両親は私には関心がなく、妹のアンナにしか興味がない
私がいくら勉強を頑張ってもスルーされてアンナしか可愛がらないから性格がこんなにも歪んでしまったんだったわ

意地悪で、我儘なプライドだけが高い傲慢な令嬢ってまわりの人は私を見てるけど
本質を見れば、それは作られた表の部分の私しか写してない

乙ゲーでは我儘の悪役令嬢っていう括りだけど、両親や妹に蔑まれていたなんて情報はなかったわよね。

だって、この乙ゲーの世界では妹のアンナがヒロインなんだものね


「お嬢様、大丈夫ですか?」


「大丈夫よ、そういえばソラだけは私のそばにいつも居てくれたわね!
それなのに私は敵と味方も区別がつかずに貴方に酷い仕打ちをしてたわよね?
今までごめんなさいね」

私の態度にソラは困惑しながら軽く頷く。


「確かソラに子供がいたわよね?確か病気じゃなかったかしら?」

何故知ってるの?って表情で私を見てる


そう、乙ゲーの中で子供を亡くしたソラが私の前から居なくなるんだっけ
こうして唯一の味方が居なくなってしまい私の気持ちは荒れ狂うのよ


「お嬢様、何でそんな事をご存知なんですか?」


「うん、詳ししい説明は出来ないんだけど・・・・
これからソラの家にお医者様を連れて行きましょう!」


「あのお嬢様、どういう意味でしょうか?
私は解雇になるのでしょうか?」


「違うわよ、ソラの子供の病気を治すのよ!」


宝石箱から何点かアクセサリーを持ち出し、ソラと一緒に屋敷を飛び出す。


「お嬢様、本当に宜しいのでしょうか?
私のような者にこのような情けをかけていただいても・・・・」


悲しそうなソラの両手を握ると


「それじゃ、ソラは私に絶対服従しなさい!
何があっても私の味方にいること!絶対よ!」


「それは今までと変わらないのではないですか?」


「全然違うわよ!この見返りで私と貴方の絆は強くなるでしょ?
いい?貴方の為ってより私の為よ!」


宝石をお金に換金して、その足で医者にソラの子供を見てもらう。
直ぐに薬を処方してもらいゆっくりと快方に向かってるようで良かった。


そっかー
今回は宝石でなんとか誤魔化したけど
やっぱりお金って大事になってくるわよね
追放されたらどうやって生きてくか考えなきゃいけないし


ソラは涙を流しながら何度も私にお礼を言う。

いやいや、別に普通の事よ
私だって遠い昔に子供がいたんだから辛い気持ちは分かるわよ!


「それにしてもお嬢様は、いつも綺麗な豪華なドレスばかりをお召しになってましたが、下町のエプロンドレスなんて着て抵抗がないのでしょうか?」


「全然抵抗ないわよ!勿論ドレスも好きだけど、平凡なエプロンドレスも可愛くて好きよ」


私の言葉にソラは何を思ったか真面目な顔で私を見つめる


「貴方は本当は誰ですか?お嬢様じゃないですよね?」


「そうね、強いて言えば貴方の知ってるお嬢様も私の一部って事かしら」

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