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5:厚意のチェイン
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ブチ切れ騒動の翌日には、マグナさんに謝罪をする事が出来たが……マグナさんは上の空だった。
勉強の合間にする話も今日はいいと言われてしまった。やはり、怒っているのだろうか。
使用人達との仕事が増えた。魔法の練習も捗るからいいけど。
「(目標が無くなってしまった……)」
この世界に来て、無意識ながらにも心の支えでもあった男の子を見失ってしまった。何処に居るのかも、生きているのかさえわからない。
一人で外に出る事すら許されない立場。恵まれた境遇なのに、今は檻の中にいる気分だ。
「アーサン」
「はい。ジャナル様」
「使いを頼みたい」
「はい?」
「一人でだ」
急に執務室に呼ばれたと思ったら、お使いを頼まれた。しかも一人で。
奴隷を縛る魔法をかけることも出来るが制限がデカ過ぎて使い勝手が悪いとの事で、私は外出不可を言い付けられていた。許可がないと出れないし、お目付役が絶対付けられる。
それを、一人で。
「……何のお使いでしょうか」
「メモだ。何日かかってもいい。迷ってもいい。街に出て買ってこい」
「…………はい……?」
どういう……奴隷を野放しにしたら帰って来ないかもしれないのに。忠誠を誓っているわけでもない。
「(……別に変わった物は無いな)」
どう考えても、何日もかかるような物ではない。
とりあえず、普通に出かけるか。
「アーサン!」
「マグナ様」
「父さんから聞いた。一人で……行くのか」
「はい。不用心ですよね。まぁ、私の価値は五万ギルですし。居なくなっても、別に困らないでしょう」
「俺は困るぞ! 教会に一緒に行くんだ……ちゃんと帰って来い!」
コレが普通の反応だ。奴隷が一人で外に行くんだから。
「大丈夫ですよ。帰って来ますから」
「絶対だぞ!」
マグナさんが私を大袈裟に見送ってくれた。
行く宛もないし、ココは衣食住がある。
本当になんで……
「……あれ?」
街に出て、気付いた。
指定されている店は、あの売主が奴隷を売る幾つかの定位置を辿るような形で点在している。
「(まさか……いやいや、ジャナル様は私を奴隷として線引きしている。このような粋な計らいをする必要なんてない)」
でも、でもさ……こんなの、そう言ってるもんじゃん。
「(あの子を、探していいって……言ってるようなもんじゃんか!)」
一人の時間。自由に動ける。私は、店で聞き込みを行った。
何件も何件も何件も。売主の事を知ってる人は多いが、最後の奴隷がどうなったかは知らない。
走り回って、口頭ではやはり伝わり辛い。
何日かかってもいいならば、入念にやらせていただくまでだ。
夕方頃に帰宅するとヒースさんが出迎えてくれた。
「ただいま帰りました」
「おかえり。あら、お使いご苦労様」
「いえ。買いきれなくて……」
「いいの。また明日も行ってらっしゃい」
「(……ああ、ヒースさんがジャナルさんにお願いしてくれたのかも)」
そして、マグナさんが泣きそうな顔で、私に飛び付いてきてびっくりした。
約束したのに帰って来ないと思ったらしい。
離れてくれなかったから、一緒の布団で眠る事になった。
懐かしい気分になって、ついつい抱き寄せて、驚かせてしまった。
けど、拒まずに私の背に手を回してくれた。
「(……諦めない。絶対に)」
※※※
教会へ行く日、マグナさんは超絶ウキウキしていた。
私はそんなにテンションは高くなかった。馬車なんて初めて乗った。揺れてケツ痛い。微振動で痒い。
「アーサンは魔力量のランク付けは知ってるか?」
「はい。魔力量を数値化して、数値によってE~Aのランクがあるんですよね」
殆んどの人間が魔力を持っているが、その量は血筋による。生まれ持った紋章と魔力量の掛け合わせで、この世界では人間の価値が見出される。それと同時に、格差もより大きくなった。
私は、最下層の奴隷だし、ランクが高くても魔法教育を受けられるわけではない。奴隷制度が無くなれば、話は別だけど。
「見えてきた」
「……わぁ、大きいですね」
馬車の窓に張り付く私とマグナさんを見て困り気味に溜め息を吐くジャナルさん。
教会と言われて思い浮かべる姿とまんま同じ建造物。
サンダルフォン教会──聖職者達が神の教えを説き、婚礼の儀に祝福を与える場所。
馬車が止まり、私は先に降りてマグナさんの手を取る。
「……んふふ!」
「楽しみですね」
「ああ!」
ジャナルさんに連れられて教会の門に着いた。そこでは私達と似たような背格好の子ども達が保護者同伴でやってきていた。
「判定って日にち決まってるんですか?」
「ん? 言ってなかったか? 半年に一回、六歳以上の子どもが魔力測定を受けられる」
「(そうなんだ……)」
ゲームだと入学式に身体測定の流れで測られてたな。
ジャナルさんが受付で金を二人分払って、教会の中へ。
「(見間違いじゃなければ四万ギル……一人二万ギル? たけぇ~~)」
二万って……奴隷にかける金額じゃない。
「(恐縮……)」
「……なんだアーサン。怖いのか? 俺がついてるから大丈夫だ!」
「貴族の御子息や御令嬢もいらっしゃる。決して、横着するなよ。マグナ」
「なんで俺だけ!」
身を縮こまらせる私を気遣うマグナさんに釘を刺すジャナルさん。
恵まれている。私ばかり、どうしてこんなに……幸せなんだろう。
礼拝堂の長椅子に座って綺麗な内装を眺める。
「(パイプオルガンがある。そうか。結婚式ではリアルタイム演奏か。聖歌隊も居るのだろうか)」
しかも、教会の天井に描かれた絵。印刷じゃない。手描きだ。ちょっと劣化してるけど、凄い西洋画。
「(……絵……描きたいな)」
趣味であったお絵描き…………やばい。思い出したら、禁断症状が……やばい。絵描きたい。メモ帳でもいいから。
手震える。やばい。
「それでは魔力測定を行います」
「今から水晶を配布します」
聖職者の見習いさん達から手のひらサイズの水晶を渡された。子ども用だから結構小さいけど。
「水晶に魔力を流していただくと、魔力に反応して水晶の色が変わります」
色が濃い程魔力量が多い。魔力密度が目に見える水晶。
「…………」
線をイメージして魔力を注ぐ。スーッと水晶の中に線が引かれた。
これって頑張れば、絵描けるじゃん!!!
「ふぬぅ…………!」
「(アーサン、すげえ気合い入れてる。よし、俺も)」
インクも紙も普及はしているけど、奴隷には贅沢品。
ココで堪能しとかないと。
「(……推し)」
そらで描ける推しを思い描く。年齢も名前もわからないけど、マグナ先生と同い年ぐらい。ジャナルさんも若々しい。おっさんの年齢はよくわからないけど。
「おい、アーサン。いつまでやっている」
「もうちょっと」
「無駄な抵抗はよせ」
「あっ」
ジャナルさんに水晶を取り上げられてしまった。まだ髭描いてないのに!
主観の美化が入ってるから、ただの美青年を描いただけだ!
「それでは、こちらへ水晶をお持ちください」
「アーサン行くぞ」
「…………はい」
そうだよな。判定してもらわないといけない。提出するノートに危うい絵を描いてしまった気分だけど、まぁ色の濃さを見るだけなら絵描くのがダメなわけじゃないだろ。
「あ、マグナ様すごい濃いですね」
「ふふん!」
筆を洗った後の水バケツみたいに色が濃い。すごいな。
不透明だし。
聖職者見習いさん達に持っていって、魔力量のランク証明を貰う。
「これは素晴らしい濃度。文句なしのA判定です」
「おっし! アーサンも見てやってくれ」
「マグナ様、自分で言えます。よろしくお願いします」
「ふふ、拝見させていただきます」
私のは、マグナさん程濃くはない。ほぼ線だし。
「……? …………??」
聖職者見習いさんが私の水晶を光にすかしたり、色見本を見比べたりしている。
「何かウチのに不手際が」
「いえ……少々お待ちください」
「マグナ様…………わ、私、処分されちゃうんじゃ」
「飛躍しすぎだろ! どういう頭してるんだ!」
大丈夫だと言われたが、私の判定は最後に回される事になった。
ジャナルさんの眉間の皺が怖い。マジで怖い。
外へ自由に出れるようになって知った。道端で捨てられた奴隷の餓死遺体は普通の可燃塵と共に処分される。野良の犬猫と同じかそれ以下の扱い。
「ドルフィン様、少々お時間よろしいですか?」
「はい」
ジャナルさんが神父様に声をかけられて私達の側を離れる。
私は、不安に泣きそうになっていた。周りからの視線、クスクス笑っている声が全て自分に向けられているようだった。
「ぅ……ぁ…………」
「?」
赤ちゃんみたいな声が聞こえた。それと、数人の子どもの声。
教会の庭に通じる礼拝堂の横扉。部外者でも使える扉だ。気になってしまい、マグナさんの隣を離れて扉の向こうの庭を覗いた。
赤ちゃんが誰かにあやされているのかと思っていたけど、そこにあったのはそんな可愛い光景じゃない。
勉強の合間にする話も今日はいいと言われてしまった。やはり、怒っているのだろうか。
使用人達との仕事が増えた。魔法の練習も捗るからいいけど。
「(目標が無くなってしまった……)」
この世界に来て、無意識ながらにも心の支えでもあった男の子を見失ってしまった。何処に居るのかも、生きているのかさえわからない。
一人で外に出る事すら許されない立場。恵まれた境遇なのに、今は檻の中にいる気分だ。
「アーサン」
「はい。ジャナル様」
「使いを頼みたい」
「はい?」
「一人でだ」
急に執務室に呼ばれたと思ったら、お使いを頼まれた。しかも一人で。
奴隷を縛る魔法をかけることも出来るが制限がデカ過ぎて使い勝手が悪いとの事で、私は外出不可を言い付けられていた。許可がないと出れないし、お目付役が絶対付けられる。
それを、一人で。
「……何のお使いでしょうか」
「メモだ。何日かかってもいい。迷ってもいい。街に出て買ってこい」
「…………はい……?」
どういう……奴隷を野放しにしたら帰って来ないかもしれないのに。忠誠を誓っているわけでもない。
「(……別に変わった物は無いな)」
どう考えても、何日もかかるような物ではない。
とりあえず、普通に出かけるか。
「アーサン!」
「マグナ様」
「父さんから聞いた。一人で……行くのか」
「はい。不用心ですよね。まぁ、私の価値は五万ギルですし。居なくなっても、別に困らないでしょう」
「俺は困るぞ! 教会に一緒に行くんだ……ちゃんと帰って来い!」
コレが普通の反応だ。奴隷が一人で外に行くんだから。
「大丈夫ですよ。帰って来ますから」
「絶対だぞ!」
マグナさんが私を大袈裟に見送ってくれた。
行く宛もないし、ココは衣食住がある。
本当になんで……
「……あれ?」
街に出て、気付いた。
指定されている店は、あの売主が奴隷を売る幾つかの定位置を辿るような形で点在している。
「(まさか……いやいや、ジャナル様は私を奴隷として線引きしている。このような粋な計らいをする必要なんてない)」
でも、でもさ……こんなの、そう言ってるもんじゃん。
「(あの子を、探していいって……言ってるようなもんじゃんか!)」
一人の時間。自由に動ける。私は、店で聞き込みを行った。
何件も何件も何件も。売主の事を知ってる人は多いが、最後の奴隷がどうなったかは知らない。
走り回って、口頭ではやはり伝わり辛い。
何日かかってもいいならば、入念にやらせていただくまでだ。
夕方頃に帰宅するとヒースさんが出迎えてくれた。
「ただいま帰りました」
「おかえり。あら、お使いご苦労様」
「いえ。買いきれなくて……」
「いいの。また明日も行ってらっしゃい」
「(……ああ、ヒースさんがジャナルさんにお願いしてくれたのかも)」
そして、マグナさんが泣きそうな顔で、私に飛び付いてきてびっくりした。
約束したのに帰って来ないと思ったらしい。
離れてくれなかったから、一緒の布団で眠る事になった。
懐かしい気分になって、ついつい抱き寄せて、驚かせてしまった。
けど、拒まずに私の背に手を回してくれた。
「(……諦めない。絶対に)」
※※※
教会へ行く日、マグナさんは超絶ウキウキしていた。
私はそんなにテンションは高くなかった。馬車なんて初めて乗った。揺れてケツ痛い。微振動で痒い。
「アーサンは魔力量のランク付けは知ってるか?」
「はい。魔力量を数値化して、数値によってE~Aのランクがあるんですよね」
殆んどの人間が魔力を持っているが、その量は血筋による。生まれ持った紋章と魔力量の掛け合わせで、この世界では人間の価値が見出される。それと同時に、格差もより大きくなった。
私は、最下層の奴隷だし、ランクが高くても魔法教育を受けられるわけではない。奴隷制度が無くなれば、話は別だけど。
「見えてきた」
「……わぁ、大きいですね」
馬車の窓に張り付く私とマグナさんを見て困り気味に溜め息を吐くジャナルさん。
教会と言われて思い浮かべる姿とまんま同じ建造物。
サンダルフォン教会──聖職者達が神の教えを説き、婚礼の儀に祝福を与える場所。
馬車が止まり、私は先に降りてマグナさんの手を取る。
「……んふふ!」
「楽しみですね」
「ああ!」
ジャナルさんに連れられて教会の門に着いた。そこでは私達と似たような背格好の子ども達が保護者同伴でやってきていた。
「判定って日にち決まってるんですか?」
「ん? 言ってなかったか? 半年に一回、六歳以上の子どもが魔力測定を受けられる」
「(そうなんだ……)」
ゲームだと入学式に身体測定の流れで測られてたな。
ジャナルさんが受付で金を二人分払って、教会の中へ。
「(見間違いじゃなければ四万ギル……一人二万ギル? たけぇ~~)」
二万って……奴隷にかける金額じゃない。
「(恐縮……)」
「……なんだアーサン。怖いのか? 俺がついてるから大丈夫だ!」
「貴族の御子息や御令嬢もいらっしゃる。決して、横着するなよ。マグナ」
「なんで俺だけ!」
身を縮こまらせる私を気遣うマグナさんに釘を刺すジャナルさん。
恵まれている。私ばかり、どうしてこんなに……幸せなんだろう。
礼拝堂の長椅子に座って綺麗な内装を眺める。
「(パイプオルガンがある。そうか。結婚式ではリアルタイム演奏か。聖歌隊も居るのだろうか)」
しかも、教会の天井に描かれた絵。印刷じゃない。手描きだ。ちょっと劣化してるけど、凄い西洋画。
「(……絵……描きたいな)」
趣味であったお絵描き…………やばい。思い出したら、禁断症状が……やばい。絵描きたい。メモ帳でもいいから。
手震える。やばい。
「それでは魔力測定を行います」
「今から水晶を配布します」
聖職者の見習いさん達から手のひらサイズの水晶を渡された。子ども用だから結構小さいけど。
「水晶に魔力を流していただくと、魔力に反応して水晶の色が変わります」
色が濃い程魔力量が多い。魔力密度が目に見える水晶。
「…………」
線をイメージして魔力を注ぐ。スーッと水晶の中に線が引かれた。
これって頑張れば、絵描けるじゃん!!!
「ふぬぅ…………!」
「(アーサン、すげえ気合い入れてる。よし、俺も)」
インクも紙も普及はしているけど、奴隷には贅沢品。
ココで堪能しとかないと。
「(……推し)」
そらで描ける推しを思い描く。年齢も名前もわからないけど、マグナ先生と同い年ぐらい。ジャナルさんも若々しい。おっさんの年齢はよくわからないけど。
「おい、アーサン。いつまでやっている」
「もうちょっと」
「無駄な抵抗はよせ」
「あっ」
ジャナルさんに水晶を取り上げられてしまった。まだ髭描いてないのに!
主観の美化が入ってるから、ただの美青年を描いただけだ!
「それでは、こちらへ水晶をお持ちください」
「アーサン行くぞ」
「…………はい」
そうだよな。判定してもらわないといけない。提出するノートに危うい絵を描いてしまった気分だけど、まぁ色の濃さを見るだけなら絵描くのがダメなわけじゃないだろ。
「あ、マグナ様すごい濃いですね」
「ふふん!」
筆を洗った後の水バケツみたいに色が濃い。すごいな。
不透明だし。
聖職者見習いさん達に持っていって、魔力量のランク証明を貰う。
「これは素晴らしい濃度。文句なしのA判定です」
「おっし! アーサンも見てやってくれ」
「マグナ様、自分で言えます。よろしくお願いします」
「ふふ、拝見させていただきます」
私のは、マグナさん程濃くはない。ほぼ線だし。
「……? …………??」
聖職者見習いさんが私の水晶を光にすかしたり、色見本を見比べたりしている。
「何かウチのに不手際が」
「いえ……少々お待ちください」
「マグナ様…………わ、私、処分されちゃうんじゃ」
「飛躍しすぎだろ! どういう頭してるんだ!」
大丈夫だと言われたが、私の判定は最後に回される事になった。
ジャナルさんの眉間の皺が怖い。マジで怖い。
外へ自由に出れるようになって知った。道端で捨てられた奴隷の餓死遺体は普通の可燃塵と共に処分される。野良の犬猫と同じかそれ以下の扱い。
「ドルフィン様、少々お時間よろしいですか?」
「はい」
ジャナルさんが神父様に声をかけられて私達の側を離れる。
私は、不安に泣きそうになっていた。周りからの視線、クスクス笑っている声が全て自分に向けられているようだった。
「ぅ……ぁ…………」
「?」
赤ちゃんみたいな声が聞こえた。それと、数人の子どもの声。
教会の庭に通じる礼拝堂の横扉。部外者でも使える扉だ。気になってしまい、マグナさんの隣を離れて扉の向こうの庭を覗いた。
赤ちゃんが誰かにあやされているのかと思っていたけど、そこにあったのはそんな可愛い光景じゃない。
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