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2・引っ越し

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「引っ越し?」
「そう。もっと、俺と焔の職場が近くて、広い場所に引っ越そうって話だ」
「ああ、良いじゃん。そうしよう」

 朝、青斗が時幸に引っ越しの話題を出せば、二つ返事で了承された。

「まぁ、物件探しは焔に頼むけどな」
「はいはい」
「俺、ヤり部屋欲しい」
「結局全部屋ヤり部屋になるから気にすんな」
「……仕事用の」

 ああ。動画用の部屋が欲しいのか。
 うーん。特定される可能性もあるから、あまり特徴の無い量産型物件がいいかもな。広い部屋仕切って三分割してる状態だから、ちゃんと三部屋あるところにしよう。それなら、ヤり部屋(仕事用)として機能するだろう。
 あと、防音設備は必須。最中の俺と時幸の喘ぎ声は勿論、青斗の趣味であるDIYの騒音とか。
 俺がピックアップした物件を三人で内見して決めるって感じだ。
 








 それから、二ヶ月後には引っ越し手続きを終えて、新しいマンションへと移り住んだ。

「広いな」
「なんか、あっという間だった……はぁ、一息吐ける」
「段ボールだらけだと、まさに引っ越し中感出るね」

 新生活が始まる。
 運び込んだ段ボールを各々の部屋で開封して、荷物や衣類を備え付けの棚やクローゼットに収納する。
 寝室にしようと思っていた部屋へ敷き布団を持っていくと、三人で横になってもだいぶ余裕がある。
 
「(ソファーやテレビ置いてもいいかも)」
「焔、飯にしよう」
「あ、うん。今行く」

 早速キッチンで青斗が三人前のパスタを茹で、明太子を和えて刻み海苔とネギを振りかけたものを食卓へ運んでいた。
 普通に美味い。
 男三人でいざこざが起きずにルームシェアが続いているのは、全員それなりに料理が出来るからだろう。
 あと、金銭面のルールと料理以外の家事は役割を完全固定にしてるのもデカい。
 セックスでも、相手に拒否されたらしないってルールを設けてる。
 ルームシェアは社会だ。秩序は保たなければならない。

「……青斗、部屋の片付け終わったらセックスしよ」
「いいぞ。どこでする?」
「うーん……一発目はやっぱり、ちゃんと寝室でシよう」
「わかった」
「あ、俺も終わり次第混ざるから」

 風紀は有り得ないレベルで乱れているけど、俺達の関係性は概ね良好だ。
 部屋の片付けを終えて、寝室で青斗に抱かれて、途中合流した時幸を抱いて……変わらずいつもの快楽遊戯だ。

「はぁ、んぁ……んふぅ」
「あ、ぁ、やばぃ、ほむ、ら」
「……三人で繋がんの、何気久しぶりだな」

 時幸と青斗に挟まれて、三人分の熱気で汗だくになりながら腰を振り続けた。

「はぁ、ん……もぅ、やば……」
「ん、俺も……」
「っ……」

 時幸の中がうねり、強く締め付けられ二人同時にイった。

「はぁ……ん、焔」
「……ぅ、んん」

 中から引き抜こうと身動きすると、青斗にグッと腰を掴まれる。

「ほむ、ら……俺まだイッてない」
『ズン!』
「ンンッ!!」
「ぅあ!」

 まだイっていない青斗の揺さぶりは俺の下にいる時幸にも多大な影響を与えている。

『ズッ、グチュ』
「あおと、待って、イったばっかで、やばぃ、からぁ」
「んっ、あお、と! 激し……って、また、イく、あっあっぁあ!」

 青斗からの振動に二人して喘ぎっ放しだ。

『チュッ』

 青斗が俺に覆い被さって、時幸に口付けた。圧のかけられる青斗と繋いだ部分からビリビリとした快感が止まらない。

「んっ、んん……はぁ、ん」
「あお、俺も……」
「はぁ……んっ」

 強い快楽を受け流すのにキスは効果的だ。
 青斗の次は、時幸にも口付ける。


「んっ、ん……ふ」
「はぁ……ん、はっ」
「ふっ…………焔、中に出す、から」
「んっ! ンンッ!!」

 ドチュッと奥まで突き上げ、そのまま青斗は達した。その反動で俺も一緒に絶頂し、時幸の中に再び欲をぶち撒けた。
 青斗は満足したようで、俺の中からズルんとイチモツを引き抜いた。

『ちゅぽっ』
「……あ、はぁ……ん」

 俺と時幸は汗だくのまま脱力して、シーツに手足を投げ出した。

「……風呂」
「ちょっと休ませてくれ」
「……俺も……少し、休まして……」
「時幸、寝るなよ」

 スッキリして、心地良い倦怠感に身を委ねていたら青斗が寝室から出ていった。暫くして、風呂の用意をしてくれたのか湯を張る音が聞こえてきた。

「……焔」
「ん?」
「キスしていい?」
「どした急に」
「フラッシュバックしそう」

 俺はメスイキしても、微弱なムラつきが続くだけだが、時幸はフラッシュバック体質で波の様にメスイキのぶり返しがやってくる事がある。

「仕方ないな」
「んっ」

 俺の横に転がっていた時幸と、口付けを交わす。舌を絡ませ、お互いの咥内を貪る。

「はぁ……んん」

 唇を離して、呼吸を整えて再び時幸の口を舌で塞ぐ。ブルッと身を震わせたと思ったら、身を丸めて悶え始めた。

「んっ、ンゥッ、ぁふ……んぅっ!」

 時幸が落ち着くのを待ち、ゆっくり口を離す。

「落ち着いた?」
「ん、少し……」

 トロンと蕩けた表情で余韻に浸る時幸。俺はその頭を撫でてやった。
 瞼がゆるゆると下がっていくのが見えて、慌てて声を掛ける。

「起きろ。風呂入って、シーツとかも変えて寝ないと……」
「あ~」

 結局、俺と青斗で寝てしまった時幸を風呂に入れた。もはや慣れきった作業だ。
 シーツを取り換えて、時幸をベッドに転がしたところで俺と青斗も眠気に襲われた。
 川の字で寝っ転がり、そのまま意識が落ちていった。
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