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39・acceso②※

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「変な、かんじ……する、ぅあ!」
「(球を呑み込んだ孔がヒクヒクしてる……嫌がってるわけじゃないみたい)」

 恐らく、このバイブを使っていた時期は義手のない時だ。
 ボタンに気付いていたとしても押せない状態だったから、こういった機能を知らなかったんだ。

「振動を強くも出来るみたいですね」
「ぃあ、ま、まだ……待って!」

 天手さんの静止も聞かず、振動のレベルを上げる。

『ヴイイ!』
「ああッ!」

 途端に内壁を強振動で刺激された天手さんの身体が反り返った。
 慌てて義手で口元を押さえて声を抑えようとしているが、そんな事で抑えきれるものじゃない。
 ボクはゆっくりと手を這わせて、天手さんのモノに触れた。
 ローションに濡れた手で派手に音を立てながら、上下に擦り上げていく。

「んあ! だめ……同時はッ……やめ……あっ」
『ヴィィィイン!』
「ぃや……おね、がい……イ、きそう……だから、離して……」

 必死になって懇願してくる天手さんに、胸の奥から愛しさと加虐心が溢れ出てくる。
 ボクの手を義手ではなく脚で挟み込んでる辺り、まだ脚が主体の感覚が抜けていないようだ。
 天手さんのモノと脚から手を引いた。

「もっと、よく見せてください……天手さん」
『グイン!』
「んっ!」

 閉じられた脚を持ち上げて左右に大胆に開かせて天手さんのヒクつきで揺れるバイブをガン見する。

「うぁ、だ、ダメだ……こんな……ぁ、ぁ、あ……見るなぁ」
「どうしてですか? こんなに可愛いのに」
『カチッ』

 もう一段階レベルを上げれば、震えるだけの振動からグネグネとナカを掻き乱す動きに変わる。

「あぐっ、あ、ああ! ダメ、それダメ!」
「天手さんの……反応してピクピク揺れてるの、丸見えですね」
「い、言うなって! こ、こんな、の……知らない……あ、あ、ぁあ」

 円を描くように揺れるバイブを咥え込んで、快楽に翻弄される様は、見ているだけでボクはイってしまいそうだ。

「気持ちいいですか?」
「ぅ、ぅうう」
「……身体がビクビク揺れる度に、猫耳も揺れてるんですよ。天手さん、とても可愛くて、素敵です」
「ぁあ……あ、も、もう……ん、んんぅうう!」
『ビュクッ!』

 白濁液を黒い起毛生地にまで散らした天手さんは、荒くなった呼吸を整えようと肩で息をする。
 ボクはバイブのスイッチを切ってから持ち手を掴んで、天手さんの後孔から引き抜いた。

「あ……ぅ」
『ピリ』
「……?」

 ボクはパジャマのポケットから取り出したモノをスムーズに装着する。

「見てくださいよ。ちゃんと練習してコンドーム手早く付けれるようになったんです」
「こん……ど……ぇ、あっ、待って、今イったばっか」

 完全装備のボクのモノを見て、天手さんが驚愕に目を見開いていた。

「ボクも限界なんで……天手さんのあんな姿を見てたら、もう……」
「で、でも……あ、ぁ、あ」
『ズプッ』
「ん!」

 バイブでトロトロに解れた後孔は、抵抗無く、ボクを受け入れていく。

「はぁ……すごい……一息で全部入っちゃいました」
「はっ……はっ……あ……天音」
「はい……」
「動かない、で……ぎゅって、して」

 両手を少し広げてハグを強請ってくる天手さん。
 幼い物言いに胸がいっぱいになる。
 天手さんをぎゅっと抱き締めて、少しだけ腰を揺らせば、甘い声が耳元で聞こえてくる。

「あ……んんぅ……ん」
「はぁ……はぁ……」

 天手さんも義手を背中に回して抱きしめ返してくれた。
 ひんやりして気持ちがいい。

『くちゅ……くちゅ……』
「天手さん、天手さん……」
「ぁ……あ……天音」

 甘えるように額や頬を擦り付ける天手さん。
 この姿に、どうしようもなく興奮してしまう。
 ゆっくりとした動きに、じれったさを感じるぐらい余裕が出来てきたようで息が整ってきた。

「はっ……ん、もう動いて、大丈夫」
「…………」
『ぐるん』
「!?」

 天手さんをボクの上に跨らせるように起き上がらせる。
 
「天音!?」
「天手さんの動いてるとこ、見たいです」
「ッ!」

 一瞬で顔を真っ赤にした天手さんは、俯いてから少し間を置いて小さくコクりと首を縦に振った。
 そして、ゆっくり、ゆっくりと、ボクのモノを挿入したまま腰が揺れ始めた。
 
「ぅあ……て、天手さん……すごい……」
「ぅう、ぁ……ああ」

 ボクの腹筋に手を置き、身体を支えながら動く天手さん。
 少しずつ動きが激しくなっていく。

『ぐぷっぱちゅ、ぱちゅん』
「音、やらしい……聞こえますか?」
「言うなって……ぁ、んん!」

 恥ずかしさに歪む顔に欲情し、性的な動きによって長い黒髪が揺れている。
 ボクの上で淫らに腰を振る天手さんが可愛くて仕方がない。
 腹筋に置かれた両手を掬って指を絡ませて握る。
 ボクの動きに驚いたのか、天手さんの目が丸く見開かれた。
 その表情すら愛おしい。
 支えの手の位置が上がった事で上体を少し起こした天手さんの腰がまた一段と妖艶に揺れ動く。
 上下運動に加えて前後にグラインドが加わり、快楽を求めて貪るような動きを見せる。

「あっ、ああ、ンッ! はぁ、あ、ああぁぁ!」
『ぐぽっぐちゃっ、ぐぬ、くちゅ』
「はっ、あ! ああ、あ!」

 天手さんの声が大きく、一層甘くなっていく。
 ボクも、もう限界だ。

『ぱちゅん!』
「うっあ!」

 天手さんの腰の動きに合わせて、ボクのモノを突き上げる。
 急な刺激に驚きながらも、天手さんの身体が悦んでいるのがわかる。
 お互いの気持ちいい所が擦れて、堪らない快感と多幸感を生み出していた。

「天手さん……気持ちいいですか?」
「ぅあ、ぁ、気持ち、いい……んんぅう!」
『ぐじゅっ!』
「ぁ、ぁあ、あぁぁあ!」
「ッ!」

 天手さんは胸を仰け反らせて絶頂を迎えた。ビクビクとボクの下腹部を打つ天手さんのモノからは、透明な先走りが糸を引いている。

「ん、んん……ぁ、あっ」

 ドライを迎えて脱力してしまった天手さん。
 ボクの方はまだ達していない。
 まだ足りない。もっと欲しい。
 そう思ったボクは、再び天手さんを押し倒して正常位に戻した。
 そしてそのまま激しく突き上げ始める。
 前立腺を抉り上げるボクの腰使いに天手さんは声にならない悲鳴を上げた。
 
「ッッ~~ーー…はッゲホ! らめぇ……今イって……イってるからぁ」
「すみません……でも、もう少しで……」

 ナカが小刻みにボクのモノを締め付けてくる。
 天手さんの顔の横についた手は義手を強く握り締めたまま。
 天手さんの奥へ奥へと穿つ。
 深く強く、何度も何度も天手さんの中を蹂躙した。

「あぁ、あぁぁあ! イっ、イっ……イって……イってる……イくの止まんない!」
「天手さん……天手さん……ッ」
「 またイ、く……あっ、ああぁぁぁ!!」

 天手さんが一際大きく痙攣した瞬間、搾り取るような締めつけにボクも耐えきれず溜め込んだ欲を思いっきり吐き出した。

「はぁ……はぁ……」
「はっ……はっ……あ、ぅ……ン」

 天手さんの中に全てを出し切った後、ボクはズルリとモノを引き抜いた。
 ゴムには大量の白濁液が溜まっていて、その量の多さに思わず笑ってしまう。
 コンドームを抜き取り、口を結んでゴミ箱に投げ入れた。
 そして、未だに呼吸が整わない天手さんの隣に寝転ぶ。

「大丈夫ですか?」
「うぅ……」

 汗で張り付いた前髪を掻き分ければ、蕩けた瞳で見つめ返された。
 天手さんは、ボクの顔に両手で触れて頬を撫でる。
 そして、ゆっくりと唇を重ねた。
 優しく啄むように、何度も、何度も。
 キスをしながら、ボク達は抱き合った。
 心地良い倦怠感に包まれながら、このまま眠ってしまいそうだ。
 けれど、ボクは微睡みの誘惑に抗って身体を起こした。
 
「(もう一回お風呂入んないと……)」

 立ち上がろうとした際に、小指に何か違和感をおぼえた。
 視線を向けると、天手さんがボクの小指を噛んでいた。全然力が入っていない。食んでいると言った方が正確かもしれない。
 前に袖を噛んで引き止められた事があったけど、あれと同じ感覚なんだろうか?

「……一緒にお風呂入りましょうか」

「…………ん」

 眠気に邪魔されながらも二人でお風呂に入ってから、春用のパジャマを着て部屋に戻った。
 ベッドを軽くメイキングして、天手さんと一緒に布団に入る。
 お互いに抱きしめ合い、額や鼻先を擦り付けて甘え合う。

「今日は凄かった……」

 ポツリと呟いた天手さん。少し恥ずかしそうに視線を逸らしている。

「天手さんが可愛いから、ボク我慢が出来なくて……意地悪もしたくなっちゃうし」
「別に嫌じゃないよ……快楽に慣れてないから抵抗はするけど……それに、天音とのセックスは……き、気持ちーから」

 最後の言葉にドキリとする。顔が熱くなる。
 好きで好きで堪らない。もっともっと愛し合いたい。

「あの、これから……週一を目安で、夜……誘っても、いいですか?」
「……うん。いいよ。でも、俺の気分は尊重してくれ」
「わかりました。その気にさせればいいんですね」
「何もわかってないな」

 クスクスと笑いあって、軽い戯れ合いを繰り返す。
 こうして天手さんと甘い時間を過ごせる事に幸せを感じていると、いつの間にか眠ってしまった。
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