男の娘レイヤー時雨-メス堕ち調教-

清盛

文字の大きさ
158 / 168

アナザールート その117 魔性の時雨 その3

医者に身体をいいように弄ばれた後、ふらつく身体で何とかシャワーを浴びた後、医者に肩を抱かれ、身体を支えられて診察室から出ると、
待合室で僕を待っていてくれた早川さんが顔色を変えて立ち上がり、医者に詰め寄って何があったのかと聞いていた。

けれど、医者は「診察中に気分が悪くなっただけですよ。ちょっと体調が悪かったみたいですね。」の一点張りで押し通し、

僕も早川さんに迷惑をかけたくなくて、
僕が医者を誘惑したという負い目もあって、

僕は早川さんに本当のことは言えずに、
ただ俯きながら医者の言葉に頷くしかなかった。

そして、早川さんは屋敷までタクシーで連れ帰り、僕にあてがわれている私室まで連れて行ってくれた。

僕の私室のドアを開けた時の早川さんの表情が忘れられない。

僕の狭い部屋のベッドは、昨夜ご主人様に縛られ、マゾヒスティックな快感の中で屈服させられながら、何度も何度も絶頂した痕跡でめちゃくちゃなままだった。

早川さんは、僕がご主人様にそういうことをされていることは知っていても、こんな生々しい痕跡を見たのは初めてだったのだろう。

早川さんの凍りついた視線が、乱れたベッドと僕の身体・・・手首に僅かに残るご主人様に縛られた痕に注がれる。

震える声で「これは…どういうこと?」と問う彼女に、僕は俯いて「ごめんなさい…片付ける時間がなくて」と呟くのが精一杯だった。

その一言で全てを察してくれたのだろう。

早川さんは昨夜この部屋で僕がされたことにも、今日診察室で何かがあっただろうことにも一言も触れず、僕をそっと椅子に座らせると、黙々とベッドを片付け始めた。

乱れたシーツを剥がし、部屋の窓を開けて空気を入れ替え、まるで何事もなかったかのように部屋を整えていく。

僕はただ、彼女の背中を見つめることしかできなかった。

そして早川さんは、清潔に整えられたベッドに僕を寝かせ、クレンジングシートで僕のメイクを手早く落としてくれた。

そして「何にもしてあげられなくて・・・ごめんなさい。」そう小さく呟いて、部屋を出て行った。

だけど、僕にはその何も聞かないでくれる気遣いが今はありがたかった。

そして、僕はベッドの上で、毛布を頭からかぶって身体を丸める。
まるでこの薄い布が、僕を世界から隔ててくれる最後の砦であるかのように。

膝を抱え、ぎゅっと目を閉じる。
眠ってしまえばいい。すべてを忘れて、暗闇に溶けてしまえたら――。

でも、そんな願いは脆くも崩れる。
不意に、あの医者の言葉が、頭の奥で毒のように響き始めた。

「おとなしそうな顔をして…いや、弱くて儚い被害者のふりをして、皆が心の暗い部分に隠していたサドっ気を引き出す。時雨ちゃんは、そんな生まれながらのマゾヒストなのさ…」

その言葉は、まるで鋭い刃のように僕の胸を切り裂く。

医者の冷たく嘲るような声が、頭の中で何度も反響する。

耳を塞いでも、目を閉じても、逃げられない。まるで呪いだ。僕の心に絡みつき、じわじわと締め上げる呪いの言葉。

「違わないさ。君に群がった大人たちは、みんな君を虐めて、楽しんで…そして君は、本当はそれを悦んでいたんだろう?」

違う、違う、違う――! 

そう叫びたいのに、喉の奥で言葉が詰まる。

心のどこかで、医者の言葉が本当かもしれないと囁く声が聞こえる。

僕の存在そのものが、周りの大人たちを狂わせているのではないか?

僕が、知らず知らずに彼らの闇を引き出しているのではないか?

思い出はまるで濁った水のように、心の底から浮かび上がってくる。

お店でのこと。
明るく愛嬌のある夕立には、優しくて気前のいいお客さんがついた。
笑顔で接客する夕立の周りには、いつも温かい空気が流れていた。

でも、僕には…。
おとなしそうで、どこか陰気な僕には、まるで僕を“レンタルの奴隷”とでも思っているような客ばかりが寄ってきた。

彼らの目は、僕の泣き顔を、震える声を、助けを求める哀願を楽しむように光っていた。

本当に、僕がそういうサディストを引き寄せているのだろうか?

 僕の怯えた表情、か細い声、抵抗できない弱さが、彼らの心の奥底に眠る欲望を刺激しているのだろうか? 

医者の欲に濡れた視線・・・あの瞬間、僕を見ている医者の目は、まるで僕を解剖して楽むかのようだった。

全部、僕が引き起こしたことなのだろうか? 僕の存在が、彼らをそんな怪物に変えたのだろうか?

毛布の中で身体を縮こませ、爪が手のひらに食い込むほど強く握り締める。

心がぐちゃぐちゃに絡まり、涙さえ出てこない。ただ、胸の奥が重く、息苦しい。

まるで心臓が鉛に変わったかのように、ずっしりと沈み込む。医者の言葉が本当なら、僕がこんな目に遭うのは自業自得だ。

僕が悪い。こんな身体で、こんな心で生まれてきたから――。

「織田さん…」

無意識に、愛しい人の名前が唇からこぼれた。あの優しい織田さん。
僕がどんなに汚れていても、どんなに壊れていても、温かい笑顔で僕を包み込んでくれる人。

でも、ふと気づく。僕はその人さえも、汚してしまったのではないか?

記憶がよみがえる。
あの夜、僕は織田さんに囁いた。
自分の心の奥底から湧き上がる、暗い衝動に突き動かされて。

「織田さんが隠している、エッチな薄い本みたいなことをしていいんですよ。
縛ったり、鞭で打ったり、殴ったって構わないんです。…僕を…虐めてみたくありませんか?」

その言葉を口にした瞬間、僕の心は震えていた。
恐怖と期待が混ざり合った、名前のつけられない感情。
織田さんが僕を虐める姿を想像して、どこかでぞくぞくしていた自分がいた。

望み通り、尿道プラグでクリペニスを虐められ、鞭代わりのベルトで打ち据えられ、ペニスから乳首まで電気を流されて悶絶しながら、僕は確かに歓喜していた。

身体が快感に震え、心のどこかでそれを求めていた。

その証拠に、僕はセーフワード――本当に止めてほしいときの合い言葉――を、頑なに口にしなかった。

あの瞬間、僕は自分がどうしようもないマゾヒストだと認めていたのかもしれない。

でも、織田さんは他の大人とは違った。
加虐者達が僕の泣き顔を、哀願を楽しんでいたのに、織田さんは手を止めてくれた。

「時雨殿の泣き顔もたまらなく可愛いですけれど、拙者はやっぱり時雨殿の笑顔が大好きですぞ。」

そう言って、織田さんは僕を抱きしめてくれた。
優しいキスで、こんな僕をまるで宝物のように扱ってくれた。
こんな僕を、お嫁さんにしたいとまで言ってくれた。

その言葉を思い出すたび、胸の奥が温かくなる。

でも、同時に、鋭い痛みが刺さる。こんな僕が、優しい織田さんに相応しいはずがない。

耐えきれない快感に啜り泣き、鞭で打たれ、口では嫌だ嫌だと言いながら、浅ましいマゾイキを貪っていた僕。

あの時から、僕は救いようのない変態だった。医者の言う「魔性」そのものだった。

ベッドの上で身体を揺らし、毛布を握り潰す。

心が軋む音が聞こえるようだ。

織田さんと二人で、穏やかに暮らすなんて、僕にできるのだろうか?

僕が、優しいあの人を加虐者に仕立て上げてしまい・・・いつか僕を虐め殺す罪を、あの人に背負わせてしまうのではないだろうか。

「君は…魔性だよ。」

医者の声が、頭の中で何度も反響する。

耳を塞いでも、目を閉じても、消えない。
僕には、ご主人様の性奴隷がお似合いなのではないか?

そんな自分が、織田さんの隣に立つ資格なんてあるのだろうか?

心の奥で何かが砕けそうだった。
涙は出ない。ただ、胸の奥が重く、息ができない。
毛布の中で、僕はただ、震え続けるしかなかった。
感想 27

あなたにおすすめの小説

吊るされた少年は惨めな絶頂を繰り返す

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

BL団地妻-恥じらい新妻、絶頂淫具の罠-

おととななな
BL
タイトル通りです。 楽しんでいただけたら幸いです。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

チョコのように蕩ける露出狂と5歳児

ミクリ21
BL
露出狂と5歳児の話。

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか? そのほかに外伝も綴りました。

機械に吊るされ男は容赦無く弄ばれる

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

身体検査

RIKUTO
BL
次世代優生保護法。この世界の日本は、最適な遺伝子を残し、日本民族の優秀さを維持するとの目的で、 選ばれた青少年たちの体を徹底的に検査する。厳正な検査だというが、異常なほどに性器と排泄器の検査をするのである。それに選ばれたとある少年の全記録。