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一章・冒険者・ナナ
ラムの店
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私の名前はラム。
酒場・ラムの店主をしている。
私は元々地方都市の出身だが、より美味い料理と美味い酒を求めて王都にきた。
ここなら国内の色んな都市から色んなものが流通し、醸成されている。
食材、酒、技術。
私が美味いと思った物を大勢の人々にも味わってもらいたい。
我ながら殊勝な志を持ってがむしゃらに頑張ったよ。
始めは小さな食堂で、住み込みで技術を教えてもらい、独立を許され構えた小さな酒屋。
立地も悪くて軌道に乗るまでは随分苦労をした。
それから長い時間をかけ、多くの情熱をかけ、私は遂に食事処として目指していた王都の一等地に居を構え、王立ギルドの提携を勝ち取った。
ここはいい。
いつでも活気がある。
ギルドの冒険者、商人、王都の民、兵士と美味い飯の前では何の垣根もなく楽しんでくれる。
味の評判を聞きつけたやんごとなき身分のお方でさえお忍びで足を運んでくれた事もある。
私の人生は今とても充実していると思う。
ああ、そういえば、最近少し変わった客がウチに来るようになったんだ。
ある日、私は夕方の営業に向けての仕込みの手を一旦止めて、一息つきがてら煙草を吸いに外に出ると、そこには1人の女性が立っていた。
余りに印象的でよく覚えている。
彼女は真っ白の肌とは対照的な黒い髪を長く伸ばし、彼女自身の身の丈にも迫るような長い剣を片手で抱きかかえるように持っていた。
出会い頭に目が合ったがその大きく黒い瞳は、何やら吸い込まれそうな魅力を持っており、私は数瞬目を離せなかった。
お互い口を半開きで暫し固まったが、我に返った私が均衡を破る。
「お客さんですかな?」
すると彼女はハッとしたような表情を浮かべた後、目線を下に落として小さな声で話し始めた。
「あの…その…ギルドのメアリーさんからBランクに上がった冒険者はここで食事ができると聞いて…」
彼女は所々言葉に詰まりながらも必死に説明してくれた。
「そうですか、冒険者の方でしたか。
女性の剣士さんとは勇ましい。
私は店主のラムと申します。
せっかくいらしていただけたのだ、どうぞ中にお入りください。」
彼女が対人関係を得手としていないことは、このやりとりだけでも想像に難くない。
だがそれでも尚ウチに来てくれたのかと思うと、私は妙に嬉しくなり営業していない店内に案内してしまった。
酒場・ラムの店主をしている。
私は元々地方都市の出身だが、より美味い料理と美味い酒を求めて王都にきた。
ここなら国内の色んな都市から色んなものが流通し、醸成されている。
食材、酒、技術。
私が美味いと思った物を大勢の人々にも味わってもらいたい。
我ながら殊勝な志を持ってがむしゃらに頑張ったよ。
始めは小さな食堂で、住み込みで技術を教えてもらい、独立を許され構えた小さな酒屋。
立地も悪くて軌道に乗るまでは随分苦労をした。
それから長い時間をかけ、多くの情熱をかけ、私は遂に食事処として目指していた王都の一等地に居を構え、王立ギルドの提携を勝ち取った。
ここはいい。
いつでも活気がある。
ギルドの冒険者、商人、王都の民、兵士と美味い飯の前では何の垣根もなく楽しんでくれる。
味の評判を聞きつけたやんごとなき身分のお方でさえお忍びで足を運んでくれた事もある。
私の人生は今とても充実していると思う。
ああ、そういえば、最近少し変わった客がウチに来るようになったんだ。
ある日、私は夕方の営業に向けての仕込みの手を一旦止めて、一息つきがてら煙草を吸いに外に出ると、そこには1人の女性が立っていた。
余りに印象的でよく覚えている。
彼女は真っ白の肌とは対照的な黒い髪を長く伸ばし、彼女自身の身の丈にも迫るような長い剣を片手で抱きかかえるように持っていた。
出会い頭に目が合ったがその大きく黒い瞳は、何やら吸い込まれそうな魅力を持っており、私は数瞬目を離せなかった。
お互い口を半開きで暫し固まったが、我に返った私が均衡を破る。
「お客さんですかな?」
すると彼女はハッとしたような表情を浮かべた後、目線を下に落として小さな声で話し始めた。
「あの…その…ギルドのメアリーさんからBランクに上がった冒険者はここで食事ができると聞いて…」
彼女は所々言葉に詰まりながらも必死に説明してくれた。
「そうですか、冒険者の方でしたか。
女性の剣士さんとは勇ましい。
私は店主のラムと申します。
せっかくいらしていただけたのだ、どうぞ中にお入りください。」
彼女が対人関係を得手としていないことは、このやりとりだけでも想像に難くない。
だがそれでも尚ウチに来てくれたのかと思うと、私は妙に嬉しくなり営業していない店内に案内してしまった。
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