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一章・冒険者・ナナ
Sランク依頼来たる
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「あっ、ナナさん!」
いつものようにギルドに行くと、メアリーさんが手を振って私を呼んでいる。
「お、おはようございます、メアリーさん。
どうしたんですか?」
「実はね、ナナさんにお願いしたい依頼があるの。」
いつも眩しいメアリーさんの笑顔が今日は一切なかった。
私が普段受けている依頼は特務依頼で、本来の難易度は度外視されているが、基本的にB~Aランク帯の難易度である事が多い。
しかし、今回の私にお願いしたい依頼というのは、内部的に言えばSクラス。
分かりやすい具体例を上げるなら敵国本城の攻略や逆に自国本城の防衛など、戦争における決戦レベルに相当する依頼が難易度Sに当たるという。
そして今回の依頼の内容はというと。
「敵国タニアの最強の猛将・トラバルト将軍が王都付近の関所を突破して、更には守りの要、アイギス砦までもがあっという間に陥落したそうよ。
現在敵軍は強行軍の疲れを癒すため、そしてこの王都への侵攻準備を整えるためアイギス砦にて軍備を整えてるみたい。今回の依頼はこのアイギス砦の奪還、及びトラバルト将軍の撃退よ。」
世情に疎い私でも知ってる名前、トラバルト将軍。
神槍アテナを振るい、総崩れになった北部戦線の殿に駆けつけ、1人で1万の兵の相手をしたという神話も真っ青な人だ。
そんな人が王都の喉元に迫っている…。
私は今まで現実味がなかった戦争という出来事を初めて自覚した。
(近衛の人達がいるとはいえ、トラバルト将軍に王都に攻め込まれたら…)
(この戦争、負けちゃうんじゃない…?)
(これまで前線に出てこなかった人が何故今になって出て来たのかしら。)
「メアリーさん、どうして今回トラバルト将軍はこんな強硬に進軍して来たのでしょうか?」
これまで両軍共に最高戦力を敵地に投入したことは無いという。
おかげで戦争は膠着状態に陥ってはいるが、それはお互いに最高戦力を失った方の旗色が非常に悪くなることを恐れての事らしい。
それがこんなに一点突破的に敵地の奥深くまで来てしまったら万が一敗走した場合、ほぼ逃げられない。
「それは…。
確実な事は言えないけど、私のところに入って来てる情報は2つよ。
1つは将軍が貴族の不興を買ったって言う話。
タニアは王を元首とする国だけど、政治の実権を握ってるのは貴族達。
その貴族の不興を買ったためにこの自滅にも近い進軍を行わされてる可能性があるわ。
最も、それが本当なら貴族達は将軍の強さを見誤ってたようだけど…。
2つめは…。」
味方を逃すために1万の敵を1人で相手にするような人が、どんな理由でそんな憂き目にあっているのかは気になるけど、メアリーさんが何やら口籠ってるのも気になる。
「2つ目は…?」
んー、と困った表情でメアリーさんが腕を組んだ。
「多分ナナさんの存在ね。」
「え?私…?」
いつものようにギルドに行くと、メアリーさんが手を振って私を呼んでいる。
「お、おはようございます、メアリーさん。
どうしたんですか?」
「実はね、ナナさんにお願いしたい依頼があるの。」
いつも眩しいメアリーさんの笑顔が今日は一切なかった。
私が普段受けている依頼は特務依頼で、本来の難易度は度外視されているが、基本的にB~Aランク帯の難易度である事が多い。
しかし、今回の私にお願いしたい依頼というのは、内部的に言えばSクラス。
分かりやすい具体例を上げるなら敵国本城の攻略や逆に自国本城の防衛など、戦争における決戦レベルに相当する依頼が難易度Sに当たるという。
そして今回の依頼の内容はというと。
「敵国タニアの最強の猛将・トラバルト将軍が王都付近の関所を突破して、更には守りの要、アイギス砦までもがあっという間に陥落したそうよ。
現在敵軍は強行軍の疲れを癒すため、そしてこの王都への侵攻準備を整えるためアイギス砦にて軍備を整えてるみたい。今回の依頼はこのアイギス砦の奪還、及びトラバルト将軍の撃退よ。」
世情に疎い私でも知ってる名前、トラバルト将軍。
神槍アテナを振るい、総崩れになった北部戦線の殿に駆けつけ、1人で1万の兵の相手をしたという神話も真っ青な人だ。
そんな人が王都の喉元に迫っている…。
私は今まで現実味がなかった戦争という出来事を初めて自覚した。
(近衛の人達がいるとはいえ、トラバルト将軍に王都に攻め込まれたら…)
(この戦争、負けちゃうんじゃない…?)
(これまで前線に出てこなかった人が何故今になって出て来たのかしら。)
「メアリーさん、どうして今回トラバルト将軍はこんな強硬に進軍して来たのでしょうか?」
これまで両軍共に最高戦力を敵地に投入したことは無いという。
おかげで戦争は膠着状態に陥ってはいるが、それはお互いに最高戦力を失った方の旗色が非常に悪くなることを恐れての事らしい。
それがこんなに一点突破的に敵地の奥深くまで来てしまったら万が一敗走した場合、ほぼ逃げられない。
「それは…。
確実な事は言えないけど、私のところに入って来てる情報は2つよ。
1つは将軍が貴族の不興を買ったって言う話。
タニアは王を元首とする国だけど、政治の実権を握ってるのは貴族達。
その貴族の不興を買ったためにこの自滅にも近い進軍を行わされてる可能性があるわ。
最も、それが本当なら貴族達は将軍の強さを見誤ってたようだけど…。
2つめは…。」
味方を逃すために1万の敵を1人で相手にするような人が、どんな理由でそんな憂き目にあっているのかは気になるけど、メアリーさんが何やら口籠ってるのも気になる。
「2つ目は…?」
んー、と困った表情でメアリーさんが腕を組んだ。
「多分ナナさんの存在ね。」
「え?私…?」
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