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二章・領主・ナナ
ありがたい光、ありがたい暗闇
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「え?トラバルト将軍?」
「お前は…ナナ…か?」
((何故こんなところに!?))
「え?ええ?」
将軍が手に持ったランタンに晒されるは、人里離れた土地で川に大の字で寝そべる私ナナ。
しかしここは国境に接しているとはいえ、れっきとしたエーヴェル領。
仮にも敵国の将軍が何故こんなところに。
「ま、まぁなんだ、とりあえず川から上がるがよい…。」
「は、はい…」
「替えはあるのか?」
「いえ…。」
将軍は頭をかきながらため息をつくと、おもむろに自らの軍服のコートを脱ぎ私に差し出した。
「夜は冷える。
火を起こすから体を温めて濡れた服を乾かせ。
私は離れている。」
私は一体ここで何をしていたのだろう。
濡れた服を全て脱ぎ空を仰ぐと、今日は月が出ていない事に気付いた。
(暗くてよかった…。)
将軍は大柄なのは知ってたけど、こうやって彼の服を着ると体格の差が顕著になる。
素肌に厚手のコートは妙な感覚になるが、冷えた体には有り難かった。
「着替えたか?」
少し離れたところから声がする。
「はい。」
私の返事を待ち、将軍の声がした場所で火が起こった。
「火にあたれ。
冷やすと体に障る。」
火を挟み将軍と向き合うが、未だに心が現実についてこない。
私はここで家を作ろうとして、畑を作ろうとして、魚をとろうとして、何も出来なくって、よく分からないけど寂しくなって、光が欲しくなって、そしたらー
(淡い炎と共にこの人が来た。)
私は実はこの時また涙を流していたが、この暗がりではバレなかっただろうと思う。
(本当に、暗くてよかった…。)
「しょう…ぐん。
ありがとうございます。」
「よい。
ままならぬのが世の常だ。」
理由は聞かないと言う事だろうか。
でも私は将軍がここにいる理由を知りたい。
優しくないな、私は。
葛藤しながらただじっと将軍を見つめていると、視線に気づいた将軍が決まりが悪そうな表情を浮かべる。
「将軍もままならないのですか?」
「まぁな。
だが私の場合は隠す事でもない。
ナナ、飯は食ったのか?」
食い気味に首を横に振る。
「私の携帯食が少しだがある。
私はもう済ませたから嫌じゃなきゃ食べろ。」
そう言って私にポーチから袋と水筒を取り出し私にくれた。
「…すみません、何から何まで。」
中には干し肉が入っており、塩が振られているだけの簡素な味付けではあったが空腹も手伝い必要以上に美味しく感じた。
「でも、私に優しくして良いのですか?」
そう私達の立場は一応敵同士。
私と気付いた瞬間に斬られたっておかしくないのだ。
「そんな明らかに訳がありそうな女を斬ったりせん。
それに私達はもう敵ではない。
そしてー」
「私はもう将軍ではない。」
「お前は…ナナ…か?」
((何故こんなところに!?))
「え?ええ?」
将軍が手に持ったランタンに晒されるは、人里離れた土地で川に大の字で寝そべる私ナナ。
しかしここは国境に接しているとはいえ、れっきとしたエーヴェル領。
仮にも敵国の将軍が何故こんなところに。
「ま、まぁなんだ、とりあえず川から上がるがよい…。」
「は、はい…」
「替えはあるのか?」
「いえ…。」
将軍は頭をかきながらため息をつくと、おもむろに自らの軍服のコートを脱ぎ私に差し出した。
「夜は冷える。
火を起こすから体を温めて濡れた服を乾かせ。
私は離れている。」
私は一体ここで何をしていたのだろう。
濡れた服を全て脱ぎ空を仰ぐと、今日は月が出ていない事に気付いた。
(暗くてよかった…。)
将軍は大柄なのは知ってたけど、こうやって彼の服を着ると体格の差が顕著になる。
素肌に厚手のコートは妙な感覚になるが、冷えた体には有り難かった。
「着替えたか?」
少し離れたところから声がする。
「はい。」
私の返事を待ち、将軍の声がした場所で火が起こった。
「火にあたれ。
冷やすと体に障る。」
火を挟み将軍と向き合うが、未だに心が現実についてこない。
私はここで家を作ろうとして、畑を作ろうとして、魚をとろうとして、何も出来なくって、よく分からないけど寂しくなって、光が欲しくなって、そしたらー
(淡い炎と共にこの人が来た。)
私は実はこの時また涙を流していたが、この暗がりではバレなかっただろうと思う。
(本当に、暗くてよかった…。)
「しょう…ぐん。
ありがとうございます。」
「よい。
ままならぬのが世の常だ。」
理由は聞かないと言う事だろうか。
でも私は将軍がここにいる理由を知りたい。
優しくないな、私は。
葛藤しながらただじっと将軍を見つめていると、視線に気づいた将軍が決まりが悪そうな表情を浮かべる。
「将軍もままならないのですか?」
「まぁな。
だが私の場合は隠す事でもない。
ナナ、飯は食ったのか?」
食い気味に首を横に振る。
「私の携帯食が少しだがある。
私はもう済ませたから嫌じゃなきゃ食べろ。」
そう言って私にポーチから袋と水筒を取り出し私にくれた。
「…すみません、何から何まで。」
中には干し肉が入っており、塩が振られているだけの簡素な味付けではあったが空腹も手伝い必要以上に美味しく感じた。
「でも、私に優しくして良いのですか?」
そう私達の立場は一応敵同士。
私と気付いた瞬間に斬られたっておかしくないのだ。
「そんな明らかに訳がありそうな女を斬ったりせん。
それに私達はもう敵ではない。
そしてー」
「私はもう将軍ではない。」
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