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二章・領主・ナナ
黒の月光
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私は話した。
昔から人と上手く関われない事。
故郷で剣に明け暮れてた事。
剣で身を立てたいと思い王都で冒険者を始めた事。
一人で依頼を受けてた事。
そして領土を賜った事。
所々言葉に詰まりながら、自分でもなんの話をしているのかよくわからなくなりながら必死に話した。
その間トラバルトは頷きながら、決して急かす事なく、最後まで私の話をしてじっと聞いてくれた。
「なるほど、つまりここはナナの領土で、私は不法侵入だな。」
その不敵な笑みについつられて笑ってしまった。
「トラバルトはこれからどこへ行くのですか?」
「そうだな、エーヴェルの端っこか、別の大陸に渡るのもいいな。」
「そう…。」
「?」
「あのさ…。
ここにいるのは嫌ですか…?」
「ここに…?」
「はい。
家もまだないし、畑もないけど…
でも私の領土ならタダですめるよ。」
何故か彼にはどこかへいって欲しくない。
セールスポイントの貧しさに愕然とするが、私には彼を引き留めうるものを持っていない。
「ふふ、誰の領土であれタダで住むわけには行くまいよ。」
そう言われると益々何もなくなる。
自分の無力さに肩を落としてしまう。
「これでも私は元将軍だ、蓄えはある。
それと労働力を提供させてくれ、“領主殿”。」
ああ、嬉しい。
嬉しいってこういう事だ。
「まずは家を作らないとですね!」
「ああ、そうだな。」
夜の闇は一層濃くなるが、美しい炎と金髪に私の黒髪は輪郭を失わずにいられる。
まるで自力で輝く事のできない私を照らす太陽のようだ。
「ところで、この近くに宿はあるのか?」
この時間の終わりを告げる彼の声に、私は夢心地から戻された。
「はい、近くに村があるはずです。」
「分かった。
では今日はもう遅い、ひとまず休み、明日より動こう。」
そうか、明日からもいくらでも彼はここにいてくれるのだ。
そう思うと寂しさあるが楽しみが勝る。
火を消し私達は村に向かった。
ーーーーー
「遅くにすまない。
部屋は空いているか?」
「はい、ございますよ。
お二人で5000ゴールドです。」
私もお金を入れたポーチを取り出したが、トラバルトから断固拒否された。
曰く「領主殿へ恩を売らせてくれ」だそうだ。
「ではご案内致します。」
通されたのは、家具などは特に置いておらず、窓が一つとベッドだけの簡素な部屋だった。
ベッドは私が普段泊まる宿より少し大きいが、それでもトラバルトの体格を思うと二人で寝るのはやや窮屈な気もする。
「…ご主人、すまないが部屋をもう一つ用意してくれないか?
追加で費用がかかるなら言ってくれ。」
「私は大丈夫ですよ?」
少し狭い事くらい別になんて事ない。
お金を出す程の事ではないと思ったが、トラバルトからしたらどうも違うようだった。
「馬鹿を言うな。
女が安易に男と床を共にするものではない。」
「何故ですか?
ウチの両親は一緒のベッドで寝てましたよ。」
彼は私を信じられないものを見る目で見てくる。
「ナナ、お前は今いくつになった?」
「18です。
それが何か関係あるんですか?」
「いやな、別にそういうわけではないんだが…。」
珍しくトラバルトの歯切れが悪い。
でも彼が一緒に寝るのを躊躇っている事は間違いない。
私も別に困らせたい訳ではないのでそれ以上追求はしなかった。
「ではナナ、また明日。」
なんだかどっと疲れた顔をした彼の顔を見て申し訳ない気持ちになった。
昔から人と上手く関われない事。
故郷で剣に明け暮れてた事。
剣で身を立てたいと思い王都で冒険者を始めた事。
一人で依頼を受けてた事。
そして領土を賜った事。
所々言葉に詰まりながら、自分でもなんの話をしているのかよくわからなくなりながら必死に話した。
その間トラバルトは頷きながら、決して急かす事なく、最後まで私の話をしてじっと聞いてくれた。
「なるほど、つまりここはナナの領土で、私は不法侵入だな。」
その不敵な笑みについつられて笑ってしまった。
「トラバルトはこれからどこへ行くのですか?」
「そうだな、エーヴェルの端っこか、別の大陸に渡るのもいいな。」
「そう…。」
「?」
「あのさ…。
ここにいるのは嫌ですか…?」
「ここに…?」
「はい。
家もまだないし、畑もないけど…
でも私の領土ならタダですめるよ。」
何故か彼にはどこかへいって欲しくない。
セールスポイントの貧しさに愕然とするが、私には彼を引き留めうるものを持っていない。
「ふふ、誰の領土であれタダで住むわけには行くまいよ。」
そう言われると益々何もなくなる。
自分の無力さに肩を落としてしまう。
「これでも私は元将軍だ、蓄えはある。
それと労働力を提供させてくれ、“領主殿”。」
ああ、嬉しい。
嬉しいってこういう事だ。
「まずは家を作らないとですね!」
「ああ、そうだな。」
夜の闇は一層濃くなるが、美しい炎と金髪に私の黒髪は輪郭を失わずにいられる。
まるで自力で輝く事のできない私を照らす太陽のようだ。
「ところで、この近くに宿はあるのか?」
この時間の終わりを告げる彼の声に、私は夢心地から戻された。
「はい、近くに村があるはずです。」
「分かった。
では今日はもう遅い、ひとまず休み、明日より動こう。」
そうか、明日からもいくらでも彼はここにいてくれるのだ。
そう思うと寂しさあるが楽しみが勝る。
火を消し私達は村に向かった。
ーーーーー
「遅くにすまない。
部屋は空いているか?」
「はい、ございますよ。
お二人で5000ゴールドです。」
私もお金を入れたポーチを取り出したが、トラバルトから断固拒否された。
曰く「領主殿へ恩を売らせてくれ」だそうだ。
「ではご案内致します。」
通されたのは、家具などは特に置いておらず、窓が一つとベッドだけの簡素な部屋だった。
ベッドは私が普段泊まる宿より少し大きいが、それでもトラバルトの体格を思うと二人で寝るのはやや窮屈な気もする。
「…ご主人、すまないが部屋をもう一つ用意してくれないか?
追加で費用がかかるなら言ってくれ。」
「私は大丈夫ですよ?」
少し狭い事くらい別になんて事ない。
お金を出す程の事ではないと思ったが、トラバルトからしたらどうも違うようだった。
「馬鹿を言うな。
女が安易に男と床を共にするものではない。」
「何故ですか?
ウチの両親は一緒のベッドで寝てましたよ。」
彼は私を信じられないものを見る目で見てくる。
「ナナ、お前は今いくつになった?」
「18です。
それが何か関係あるんですか?」
「いやな、別にそういうわけではないんだが…。」
珍しくトラバルトの歯切れが悪い。
でも彼が一緒に寝るのを躊躇っている事は間違いない。
私も別に困らせたい訳ではないのでそれ以上追求はしなかった。
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なんだかどっと疲れた顔をした彼の顔を見て申し訳ない気持ちになった。
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