修行と生活費を稼ぐ為に国営ギルドのお仕事をひたすらこなしていた女剣士は、思わぬ報酬として自分が平定した土地を頂いたので開墾してみることにした

ナポリ

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二章・領主・ナナ

変貌

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とても深い眠りについていた。
目覚めると日は既に高く、窓の外の村からは生活を営んでいる音が聞こえて来る。

暫く頭が動かずにボーッとしていたが、ある事を思い出し一気に覚醒した。

(そうだ、トラバルトはどうしてるだろう)

私は早足で部屋を出て彼が休む隣の部屋をノックしてみた。

「トラバルト、起きてますか?」

「ああ、どうぞ。」

扉を開け中に入ると彼はもう起きていた。
そしてその風貌は昨日までとまるで違うものとなっていた。

「トラバルト…?どうしたんですかその髪は?
あと服も…」

彼の金髪は黒く染まっており、黒の軍服は白のシャツに茶色のベストに変わっていた。

「さっき染めた。
服は村で買った。」

「いや、そうでしょうけど…。」

「黒の軍服に金髪の槍使いなんて、トラバルトだと自己紹介してるようなものだろう?
いくらナナの領土とはいえ、仮にもここはエーヴェル王国だ。
私もこの先全く仕事をしないわけにもいかないし、元のままだと何かと動きづらいのだ。
という訳で私の名前は今日からトラバルトではなく、ルシェイルと呼んでくれ。」

「なるほど…。
名前は自分で考えたんですか?」

「いや、私の槍の師匠の名前だ。
隠遁生活を送ってた人だからな、別に世間に知られている人ではないから大丈夫だろう。」

「…分かりました。」

ビックリして呆然としてしまったが、見つめる青い宝石のような瞳は相変わらず彼だった。

「わ、私は一度王都に戻りますが、ルシェイルはどうしますか?」

「そうか、では私も行こう。
普段からアテネを振り回すわけにもいかんから普段使いの槍が欲しいし、冒険者登録しておくのもいいな。」

「分かりました。
結構距離があるので早速向かいましょう。」


ーーーーー


村から王都まで、普通に歩けば半日はかかる。
しかし、私とルシェイルは走って30分程で王都を目前にした。

「かなりの距離だったな、移動手段を考えた方がいいのではないか?」

「確かに昨日みたいな日はちょっと辛いものがあります。
でも移動手段なんて走る以外にあるんですか?」

「順当に行けば馬とか、高価だし希少だが飛竜とかかな。
今は戦時中で一冒険者が手に入れるのは骨が折れるかもしれんがな。」

確かにいてくれたらきっと便利だと思うけど、ルシェイルの言う通り元々数が多くない馬はどこに行っても軍用馬として取り立てられ、飛竜に至っては私は見たことすらない。

(いつか見かけた時の為にお金を貯めておかなきゃ。)

「ルシェイルは飛竜に乗ったことありますか?」

「ああ、私は元々飛竜に乗って戦っていたからな。
私しか使えないアテナはともかく飛竜は処刑される人間には勿体無いと奪われてしまったがな。」

「…。」

という事は私の戦った将軍は、万全ではなかったという事なのか。

「いつか飛竜に乗るルシェイルを見てみたいです。」

私達は王都の門を二人でくぐる。
何気に私は初めての外泊からの帰りだった。

そしてこの人は、数日前までこの王都に攻め入ろうとしてた人だと思うと、とても不思議な気持ちになった。
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