聖獣達に愛された子

颯希

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入学式

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ザワザワ

「行ってらっしゃい」

「行ってきます、お母さん!!」


そのような声が学園の校門付近で
飛び交っている

そう、今日は入学式だ
新入生は皆、心躍らせやってきたに違いない

しかし、我々教師は違かった


「生徒会長挨拶はどうするんです?!」

「どうするも何もできないだろ!!」

「ないのはありえません!!」

「まぁまぁ、落ち着いて」

「「学園長は落ち着きすぎなんです!!」」

「もう1人落ち着いてる人がいるじゃないか」

「私に振らないで下さい」


今日は入学式だと言うのに生徒会長が
不在になってしまった

入学式と言ったら在校生徒の話があるのは
当たり前と言っていいほどに等しい

生徒会長は体調不良
副生徒会長は家の都合  などなど
生徒会役員が何故か誰一人としていない

当日に起きた大問題にマナとティム以外は
焦りまくっていた


「本当にどうするんですか?」

「もう時間が......」

「もうやらなくてもいいのでは?」

「しかし!!」

「私もやらなくていいと思いますよ」

「で、でもそれでは」

「今日やらないで予定が合った日に
 放送などでやればいいのではありませんか?」

「それはいい考えです!!」

「流石です!!」

「それでは解決ですね。
 皆さん、がんばりましょう!!」

「「「はいっ!!」」」






「これにて、入学式を終わります。
 教師の指示にしたがって動いて下さい」

ザワザワ

「ぶ、無事に終わりましたね」

「まだ、終わってませんよ」

「そ、そうでしたね」

「「はぁ」」

「マナ先生はこれからどうされるんですか?」

「明日早速、生徒会役員募集が
 開催されるんです。その為の準備を」

「早いですよね~」

「えぇ、何かありましたら私を呼んで下さい。
 一応生徒指導なども受け持っているので」

「はい!!ありがとうございます」

「それでは」

「マナ先生、かっこいいわね......」

「惚れたの?」

「まだ、惚れてないわよ。気になってるだけ」

「惚れてんじゃん」

「やめた方がいいですよ」

「「学園長!!」」

「あなた方は彼の顔を見た事ありますか?」

「い、いいえ」

「それでは素性は?性別は?」

「そういえば、何も知りません」

「そうでしょう?何も知らない相手を
 好きになるもんじゃありませんよ?」

「は、はい!!」

「それでは、お仕事に戻りましょうね」

「「はい、すみません!!」」

「本当にモテる男は辛いねぇ。
 あ、性別なかったんだった~」







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