聖獣達に愛された子

颯希

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問題児

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「ふぅ、これくらいでいいですかね」


投票紙や投票箱等を準備し終え次は何を
しようかと迷っていた矢先......


バタバタ

ドンッ

ガッシャーン

バンッ


「マ、マナ先生!!」

「......どうされました?」

「あ!!色々な物落としちゃって、
 ごめんなさい!!」

「大丈夫ですよ。落ち着いて下さい。
 それで、どうかされたのですか?」

「落ち着いている暇はないんですよ!!
 1年生と2年生が喧嘩をし始めて!!」

「はぁ、わかりました。案内して下さい」

「は、はい!!」






「こっちです!!」

ドンッ

「いってぇな!!」

バンッ

「王子だからって調子乗んな!!」

ドスッ

「クソがーッ!!」

«黙れタギュール»

「「!!!」」

「はぁ、入学日から問題起こすとは
 とんだ馬鹿もいたものですね?」

「マナ先生!!
 あ、あれは一国の王子ですよ?!」

「王子だからって甘やかすから
 こんな馬鹿でクズな王子になるんですよ」

「そなたはマナと言っかな?」

「えぇ、そうですよ。ある国の国王殿?」

「マナのクラスにこやつを入れて貰えぬか」

「無理ですよ。私は事務員です。
 まぁ、生徒指導や生徒会顧問なども
 やることにはなっていますが」

「そうか、それは残念だ」

「まぁ、ビシバシと鍛えるのでご心配なく」

「よろしく頼むぞ」

「あ、魔法を解かなくては」

「マ、マナ先生!!お、俺」

「別に叱りませんよ。相手が悪いのでしょ?
 しかし、手を出してしまっては同罪です」

「はい......」

「罰は原稿用紙3枚分に反省文を書き、私に
 今日中に出して下さいね」

「はい、頑張って出します!!」

「よろしい。もう行きなさい」

「はい!!」

パンパン

「さぁ、あなた達も教室に戻って」

「「「は~い」」」

「あなたはダメですよ」

「なんでだよっ!!」

「あなたが1番分かっている筈です」

「我々も行ってもよろしいですか?」

「何故?」

「王子の護衛です」

「えぇ、大丈夫です。着いてきて下さい」

「マ、マナ先生......」

「私はこの方と生徒指導室で話をしますので、
 何かあったら呼んで下さいね」

「は、はい!!」

「それでは」








「そこに座って下さい」

「......散らかっているな」

「明日から忙しいんですよ」

「......」

「それでは、本題に入りましょう」

「うっ......」

「何故、あのようなことをしたのですか?」

「あ、あいつが悪い!!
 すれ違いざまに悪口を言ってきたんだ!!」

「本当ですね?」

「あ、あぁ」

「確認致します」

「え?」


そう言い、
マナは出ていった


「今が逃げるチャンスなのでは?」

「そ、そうだな」

「逃がしませんよ」

「も、もう戻ってきたのか」

「えぇ。それと確認したところ
 あなたが言っていたことは〝嘘〟
 だとわかりましたよ」

「なっ、どうして!!」

「カメラです。私はこの学園に
 数万個のカメラを死角なしで
 設置しています。透明なので誰も
 気付いていませんがね」

「......」

「うそ、付きましたね?」

「......」

「入学早々、申し上げにくいですが
 2週間の謹慎、反省文20枚分です」

「はぁ?!20枚分って」

「ここでは私に従ってもらいます」

「殿下、従った方がよろしいかと」

「クソっ」

「それではこの紙にサインを」

「なんでサインなんか......」

「そんなの知らないと白を切る馬鹿な
 生徒たちがいるんですよね」

「ビクッ」

「サインを悪用されそうで怖いのですか?
 安心して下さいね。
 私が魔法をかけた紙なので大丈夫です」

「......わかったよ」


マイン・シャレリア
12ヶ国ある内の1つの国である
シャレリア王国の第一王子


「マイン・シャレリア」

「呼び捨てか?!」

「ここは家系など関係ありませんので。
 まぁ、ほかの先生は気にするかも
 しれませんがね」 

「はぁ、もういい」

「それでは確定で。
 それでは明日から謹慎ですので」

「あぁ」

バンッ

「マ、マナ先生!!」

「どうされました?」

「い、1年生が~」

「今年は馬鹿な生徒が多いですね?」

「は、早く~!!」

「ハイハイ。あ、そうでした
 マイン・シャレリア」

「なんだ」

「もう、帰っていいですよ。
 あと、目上には敬語ですよ」

「は、はい」

「それでは」

パタン

「殿下、帰りましょう」

「あ、あぁ」

「それにしても殿下、
 あのような方がこの学校に2人も
 いるなんてびっくりですね?」

「学園長とマナ先生か。
 これからが面白くなりそうだな」

「ふふ、そうですね」




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