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36.
清也からの連絡もないままコンクールの結果が発表された。
優秀作品は5日後にプロのオーケストラやバンドによって演奏される。
コンクールHPにて見るとmirrorは最優秀賞、講評もついていた。
そしてオーケストラによって演奏される。
理人、清也に連絡をすると来ることに。理人もその場にいたいということで。
ひさしぶりに清也に会うという高揚感を隠しきれないままワンピースを選ぶ。
曲の感想が送られてきてから私は清也と連絡をまったく取っていなかった。
確実にあの日送ってくれた感想はいろいろ考えて考察して送ってくれたものではあった。
しかし、感想以外のことはなにも書いていなかったのだ。
清也はどうも会話を終わらせるのが苦手な質《たち》のようで、以前までのメールには本題以外のこと……例えばその日の昼食のことや撮影に行った場所のことも書いてあった。
だから用件以外が書かれていないあのメッセージに深い意味を感じてしまって私は彼にメッセージを送れないまま時が過ぎていって今になる。
今日はあのコンクールの発表の日だ。
母とどきどきしながらコンクールホームページを開く。
「結果発表って書いてあるよ、押すね?」
カチッという音とともに、母が息を呑む。
「最優秀賞……では、ない」
心臓がぎゅっと締め付けられた。
だめだった、と思う前に、母が言葉を続ける。
「けど、審査員特別賞! オーケストラ演奏してもらえる賞だよ、実質3位!」
声が、出ない。
ただ私は口をぱかっと開けて、母の方を見た。
きっとすごくまぬけな顔をしていただろう。
「講評がついてる。審査員によって感じ方があまりにも異なり、本当に曲名の通りだと驚きました……だって」
私は声が出ないまま首を縦に振り続けていた。
上位3人は曲を有名オーケストラ楽団に演奏してもらえる権利を得る、というのは聞いていたが、自分の作った曲が選ばれるとは夢のようだ。
もちろん自信のない曲をコンクールに出したつもりはない。
だがやはりこれをすぐに現実だと受け入れるには私の経験が少なかった。
母は何度も私を抱きしめて、頭を撫でた。
「あなたが小さい頃から好きな音楽が誰かに評価されるっていうのは親としてこんなに嬉しいものなのね」
声が震えていて、母は涙ぐんでいるのだろうとすぐにわかった。
私は母の背中に手を回し、
「私に音楽を教えてくれてありがとう」
と言ってその手にぎゅっと力を込めた。
私はすぐに理人と清也に連絡をする。
オーケストラには受賞者が5人ずつ招待できることになっているので2人への報告に招待の言葉を添えた。
理人は祝福の言葉に加えて、聴きに行くとの返事があった。
“オーケストラが光穂の音楽を弾いてる場面にいたいから”と書いてあった。
もちろん理人は聴けないけれど、私の音楽を感じてくれるだろうと私は思っている。
また清也も祝福、そして聴きに行くとの言葉を返してくれた。
“もちろん受賞すると思っていた”と言われ、そこまで私の曲に魅力を感じてくれていたのだと嬉しく思った。
ひさしぶりに清也さんに会える……!
その思いが自然と私をわくわくさせた。
お気に入りの手触りの良いワンピースを何着かベッドに並べて、母に会場に相応しい色を選んでもらった。
ミントグリーンのシフォンワンピース。
これを着て私は会場に向かうことにした。
優秀作品は5日後にプロのオーケストラやバンドによって演奏される。
コンクールHPにて見るとmirrorは最優秀賞、講評もついていた。
そしてオーケストラによって演奏される。
理人、清也に連絡をすると来ることに。理人もその場にいたいということで。
ひさしぶりに清也に会うという高揚感を隠しきれないままワンピースを選ぶ。
曲の感想が送られてきてから私は清也と連絡をまったく取っていなかった。
確実にあの日送ってくれた感想はいろいろ考えて考察して送ってくれたものではあった。
しかし、感想以外のことはなにも書いていなかったのだ。
清也はどうも会話を終わらせるのが苦手な質《たち》のようで、以前までのメールには本題以外のこと……例えばその日の昼食のことや撮影に行った場所のことも書いてあった。
だから用件以外が書かれていないあのメッセージに深い意味を感じてしまって私は彼にメッセージを送れないまま時が過ぎていって今になる。
今日はあのコンクールの発表の日だ。
母とどきどきしながらコンクールホームページを開く。
「結果発表って書いてあるよ、押すね?」
カチッという音とともに、母が息を呑む。
「最優秀賞……では、ない」
心臓がぎゅっと締め付けられた。
だめだった、と思う前に、母が言葉を続ける。
「けど、審査員特別賞! オーケストラ演奏してもらえる賞だよ、実質3位!」
声が、出ない。
ただ私は口をぱかっと開けて、母の方を見た。
きっとすごくまぬけな顔をしていただろう。
「講評がついてる。審査員によって感じ方があまりにも異なり、本当に曲名の通りだと驚きました……だって」
私は声が出ないまま首を縦に振り続けていた。
上位3人は曲を有名オーケストラ楽団に演奏してもらえる権利を得る、というのは聞いていたが、自分の作った曲が選ばれるとは夢のようだ。
もちろん自信のない曲をコンクールに出したつもりはない。
だがやはりこれをすぐに現実だと受け入れるには私の経験が少なかった。
母は何度も私を抱きしめて、頭を撫でた。
「あなたが小さい頃から好きな音楽が誰かに評価されるっていうのは親としてこんなに嬉しいものなのね」
声が震えていて、母は涙ぐんでいるのだろうとすぐにわかった。
私は母の背中に手を回し、
「私に音楽を教えてくれてありがとう」
と言ってその手にぎゅっと力を込めた。
私はすぐに理人と清也に連絡をする。
オーケストラには受賞者が5人ずつ招待できることになっているので2人への報告に招待の言葉を添えた。
理人は祝福の言葉に加えて、聴きに行くとの返事があった。
“オーケストラが光穂の音楽を弾いてる場面にいたいから”と書いてあった。
もちろん理人は聴けないけれど、私の音楽を感じてくれるだろうと私は思っている。
また清也も祝福、そして聴きに行くとの言葉を返してくれた。
“もちろん受賞すると思っていた”と言われ、そこまで私の曲に魅力を感じてくれていたのだと嬉しく思った。
ひさしぶりに清也さんに会える……!
その思いが自然と私をわくわくさせた。
お気に入りの手触りの良いワンピースを何着かベッドに並べて、母に会場に相応しい色を選んでもらった。
ミントグリーンのシフォンワンピース。
これを着て私は会場に向かうことにした。
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