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しおりを挟むそして次の瞬間、女子高生は悲鳴をあげた。
「きゃー。やめて下さい。もう私に付き纏わないでください」
そして一気に人目を引いた。女子高生はポロポロと涙をこぼし、周囲の人に訴えた。
「この人、私に痴漢をしただけじゃ飽き足らず、ストーカーになってしまって私に付き纏っているんです。助けて下さい。今も付き纏いをやめる代わりに最後に話だけでもって言うからお話ししていただけなのに、私の胸に突然……」
はぁ?
あっという間に俺はストーカーにまでなってしまった。
違う! 俺はストーカーでもないし、痴漢もしていない。
またあの目だ。この騒ぎに集まった人々はみな一様にあの目をしていた。誰も俺の言うことを信じていないあの目、軽蔑、侮蔑、疑いの目。
しかし、俺はそこであの証拠の存在を思い出し、上着のポケットから取り出そうとしたが、
その時、背後からお腹の方に何かすごい衝撃が来た。とても激しい痛みと熱さと冷たさを感じた。いつの間にか俺の斜め後ろに女が立っていた。女はすごい形相で俺を睨んでいた。その顔にどこか見覚えがあった。
でも思い出せなかった。ぐらりと視界が揺れて気がついたら視線がとても低くなった。体に力が入らない。赤が広がっていく。
あぁ俺刺されたのかぁ。
たくさんの悲鳴が聞こえる。
「なっなによこれ?! なんで急にこんな事に」
「おい、カリナ、さっさと逃げるぞ」
「ええっ」
バタバタと近くにいたらしいあの時の運転手がいつの間に駆けつけて女子高生と共に逃げていった。
俺を刺した女は俺に向かって何か喚いていた。
あんたのせいで、あんたが痴漢なんかするから。
あたしはせっかく新しい幸せを見つけたのに。
やっと私ま幸せになれると思ったのに
あんたを産んだせいでわたしの人生壊された。
あんたなんか産まなきゃ良かった。
あんたさえいなければ。
そんな言葉が延々と降り注いできた。
あぁこの女は俺の母親だった人か。どこかで見たことあると思ったけど、俺の顔に似てるのか、いや、俺があの人に似てるのか。
俺って母親似だったんだな。
そうして俺は命を失った。
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