つがいなんて冗談じゃない

ちか

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 こっそり屋敷を抜け出して、街の方へ向かった。先日も、馬車からは降ろしてもらえなかったが行ったばかりだし、観劇などでも行ったことがあるので大体の道順はわかる。とは言っても、ここも王都の中である。

 今までのギルフォード殿下との会話や馬車の街並みから公爵家の屋敷があるのは王都の貴族街であることは知っていた。

 ただ、貴族街の中でも公爵家の敷地がとても広いので、ある意味町外れにあるような立地だ。だから、栄えている街の方とは少し距離があるのだ。

 そしてわたしは今日、貴族街の外いわゆる庶民街に行こうと思っている。

 そこに行ってどうにかこの国、この世界のことを自分で調べてみたいのだ。

 貴族街ではそれが出来ない。貴族街ではセキュリティのためか、それぞれ爵位など身分を証明する指輪があり、それを見せてお店への出入りをしている。使用人などはお使いの際に、一時的に身分証を貸し出されて出入りするようだけど、わたしはわたしを守るためと言われ、外出はギルフォード殿下としか許されず、指輪も渡してもらえなかった。だから、わたしは貴族街の何もかもが利用できない。

 それに今はわたしの格好もあまり、高位貴族らしくない。だからきっとギルフォード殿下の番や神子様とは思われないだろう。身支度を整えてくれる使用人に渡されたドレスは今までのギルフォード殿下が用意してくれたようなドレスではない。生地の質感も悪く、デザインも少し野暮ったい。わたしの部屋から洗濯をすると言ってドレスを持っていた彼女はそのままドレスを戻しに来ることはなかった。そして代わりのようにドレスというより、ワンピースのような服が数着、かつてドレスがあったクローゼットに収められていた。

 だから最近のわたしはもっぱらこのワンピースを着ている。これなら一人でも着られるし、ドレスよりは動きやすい。

 そんな格好で出て来たのだから、貴族街の中でも特に高位貴族が集まるこのエリアでは少し目立つ。

 少し早歩きになりながら、下位貴族エリアへと向かった。このエリアの先に貴族街のと庶民街の境目がある。

 わたしは急いで貴族街の門を出ようとした。呼び止められはしないか、そうしたらどうしようと思っていたが、門は門番が二人立っているだけで、入る人には色々と確認をしているが、出る人は大した確認をされないようだ。貴族街の店でもいちいち身分証が必要みたいだから、門の出入りも厳しいと思ったが、確認したものしか貴族街には入れないのだから出て来た人の身分はしっかりしているということで出て行く人のチェックは緩いらしい。

 そうして他の人に混じりながらわたしは貴族街の門を出た。
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