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全知全能と無双の鞭
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先端の尖った鋼の杭が飛来し、ユモンの頬を掠めた。だが、ユモンはにやりと笑うのみで全く慌てた様子も無く……足元から沸き上がった炎を跳んで避けた。
「おいおい、そっちから狙ってて良いのかよ!?」
そして、そんなユモンの横を茜が駆け抜ける。ビリッと青白い電気を纏った炎の鞭が一閃。
「ッ!!」
「ぐァッ!?」
既に鍛錬を積み重ねた茜の鞭は、一瞬にして顔を隠した者達の二人を捉えた。彼らの胴辺りが焼き切られ、叩き込まれた電気が体内を駆け抜ける。
「が、ァ……」
「……っ」
バタリと倒れた二人。茜は即死しなかったことに眉を顰め、飛来した炎の槍三つを全て避け、続けて飛んで来た鋼の杭を炎の鞭で撃ち落とした。
「思ったよか練度が高いな……咄嗟に魔力で防御されたか」
「『無業剣』」
呟いた茜、その目の前の男が魔法陣を手の上に浮かべると、それを鍔の様にして無を握り、茜へと振るった。そこに剣は無い。見えないだけでなく、魔力の刃すらそこには無い。
「何を……ッ!?」
だが、振るわれた剣は茜を斬り裂いた。それは浅い傷だったが、確かに茜の皮膚は斬り裂かれて血が滲み出していた。
「『悪化』」
「『悪化』」
「『悪化』」
傷付いた茜に向けて、三人が同時に唱える。それだけで、茜の傷口は大きく開き、血が思い切り噴き出した。
「くッ……ッ!?」
「思ったよりも狡い手ェ使いやがるんだな。感心したぜ」
目を見開いた茜の後ろに立っていたユモンは、茜の肩に手を当てると何かを小さく唱えた。
「よし、これで傷は治したぜ。もう傷口を抉られる心配は無い」
「そいつはありがてぇが……」
「ふッ!」
一瞬で傷を治したユモンに向けて、無の剣を振るった男。だが、ユモンの体には傷一つ付いてはいなかった。
「あぁ、そういう仕掛けか……剣に見せかけてるだけだな」
「ッ!?」
男の剣が、手の上に鍔の様に浮かんでいた魔法陣がボロボロと崩れ去った。
「お前、どうやって……」
「んなことより……ほら、ちょいと硬くしといたぜ。いつもより調子良いだろ?」
茜の体を白い光が包んだかと思えば、その身体性能が大きく引き上げられていた。
「……バフか。それも、防御寄りってとこか?」
「あぁ、硬くしといた。それに、さっきみたいな搦め手も食いづらい筈だぜ?」
「そいつぁ、助かるぜ……テメェは戦う気無さそうだが、特別に許してやるよッ!!」
「ヘヘッ、最初に言ったろ? カバーしてやるってな。今回のオレ様は支援に徹しておくぜェ」
茜の体は、羽のように軽く戦場を駆け抜ける。飛来した石の弾丸を、茜は跳んで避け、そのまま敢えて無防備な空中で鞭を振るい、自分を狙うことに集中していた者達に電撃と炎を食らわせた。
「更に、三人」
直後、空中に飛来した鋼の杭をにやりと笑って炎の鞭で往なして、自由落下しながら敵の一人に炎の鞭を伸ばし、網のように変形させて掴んだ。
「よっとぉ!!」
そのまま引っ掴んだ敵を利用し、鞭で引っ張ることで急速に空中から掴んだ敵に飛んだ。その敵に接近すると思い切り頭を蹴り付け、くるりと回って着地した。
「ハハッ、良いじゃねえか! 悪くねぇ!! ハハッ! 気分は蜘蛛男ってな、私は女だがよ!!」
茜が更に鞭を振るう。炎の鞭は敵の攻撃を一蹴しながら、同時に攻撃を放った敵ごと蹴散らしていく。
「残り、六人ってとこか」
足元から噴き上がる炎。茜はそれを軽く避け、その魔術を放った敵の方に指先を向けた。
「『焼茨』」
ビルの一階の物陰から魔術を撃っていた敵の背後から、燃え上がる炎の茨が現れた。燃え上がる炎の茨は、その敵を足元から突き刺し、その体を焼き尽くした。
「ヘッ、どうだ? 中々の火加減だろ?」
茜はにやりと笑いながら、頭上から落ちて来た魔術による岩を鞭で斬り裂いた。
「この鞭を触り始めてから、ちょいと炎の扱いが上手くなったんだよ……この鞭、アホみたいに高度だからな、お手本にするにゃ丁度良い」
「へぇ、そりゃ良いなァ。どこで拾ったんだ?」
「山の中だ。どっかの誰かさんが落としていったみたいでよ」
「くッ……!」
楽し気に話す二人を前に、仮面を着けた男の一人は歯噛みする。
「このままでは……」
「勝てねぇ、か? ヒヒッ、もう遅ェよ」
笑うユモンに、目の前の仮面が懐から銃を引き抜いて向けた。
「おォ?」
首を傾げたユモンに放たれる銃弾。しかし、ユモンはそれを見てから簡単に避け、そして銃をひょいとひったくった。
「引き金引く瞬間が見えてりゃ、当たる訳ねぇな。途中で曲がる訳でもねェし」
ユモンは銃の底で男の顎をかちあげ、怯んだところに引き金を引いた。血が噴き出して男が地面に倒れ込む。
「やっぱり、ガチガチ肉弾戦も出来んじゃねえかよ。お前」
「ヒヒッ、銃で殺したから肉弾戦じゃねェってことで」
悪魔の笑みを浮かべたユモンを見て、勝機も士気も失った仮面の者達は蜘蛛の子を散らすように逃げ始めた。
「おいおい、そっちから狙ってて良いのかよ!?」
そして、そんなユモンの横を茜が駆け抜ける。ビリッと青白い電気を纏った炎の鞭が一閃。
「ッ!!」
「ぐァッ!?」
既に鍛錬を積み重ねた茜の鞭は、一瞬にして顔を隠した者達の二人を捉えた。彼らの胴辺りが焼き切られ、叩き込まれた電気が体内を駆け抜ける。
「が、ァ……」
「……っ」
バタリと倒れた二人。茜は即死しなかったことに眉を顰め、飛来した炎の槍三つを全て避け、続けて飛んで来た鋼の杭を炎の鞭で撃ち落とした。
「思ったよか練度が高いな……咄嗟に魔力で防御されたか」
「『無業剣』」
呟いた茜、その目の前の男が魔法陣を手の上に浮かべると、それを鍔の様にして無を握り、茜へと振るった。そこに剣は無い。見えないだけでなく、魔力の刃すらそこには無い。
「何を……ッ!?」
だが、振るわれた剣は茜を斬り裂いた。それは浅い傷だったが、確かに茜の皮膚は斬り裂かれて血が滲み出していた。
「『悪化』」
「『悪化』」
「『悪化』」
傷付いた茜に向けて、三人が同時に唱える。それだけで、茜の傷口は大きく開き、血が思い切り噴き出した。
「くッ……ッ!?」
「思ったよりも狡い手ェ使いやがるんだな。感心したぜ」
目を見開いた茜の後ろに立っていたユモンは、茜の肩に手を当てると何かを小さく唱えた。
「よし、これで傷は治したぜ。もう傷口を抉られる心配は無い」
「そいつはありがてぇが……」
「ふッ!」
一瞬で傷を治したユモンに向けて、無の剣を振るった男。だが、ユモンの体には傷一つ付いてはいなかった。
「あぁ、そういう仕掛けか……剣に見せかけてるだけだな」
「ッ!?」
男の剣が、手の上に鍔の様に浮かんでいた魔法陣がボロボロと崩れ去った。
「お前、どうやって……」
「んなことより……ほら、ちょいと硬くしといたぜ。いつもより調子良いだろ?」
茜の体を白い光が包んだかと思えば、その身体性能が大きく引き上げられていた。
「……バフか。それも、防御寄りってとこか?」
「あぁ、硬くしといた。それに、さっきみたいな搦め手も食いづらい筈だぜ?」
「そいつぁ、助かるぜ……テメェは戦う気無さそうだが、特別に許してやるよッ!!」
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「更に、三人」
直後、空中に飛来した鋼の杭をにやりと笑って炎の鞭で往なして、自由落下しながら敵の一人に炎の鞭を伸ばし、網のように変形させて掴んだ。
「よっとぉ!!」
そのまま引っ掴んだ敵を利用し、鞭で引っ張ることで急速に空中から掴んだ敵に飛んだ。その敵に接近すると思い切り頭を蹴り付け、くるりと回って着地した。
「ハハッ、良いじゃねえか! 悪くねぇ!! ハハッ! 気分は蜘蛛男ってな、私は女だがよ!!」
茜が更に鞭を振るう。炎の鞭は敵の攻撃を一蹴しながら、同時に攻撃を放った敵ごと蹴散らしていく。
「残り、六人ってとこか」
足元から噴き上がる炎。茜はそれを軽く避け、その魔術を放った敵の方に指先を向けた。
「『焼茨』」
ビルの一階の物陰から魔術を撃っていた敵の背後から、燃え上がる炎の茨が現れた。燃え上がる炎の茨は、その敵を足元から突き刺し、その体を焼き尽くした。
「ヘッ、どうだ? 中々の火加減だろ?」
茜はにやりと笑いながら、頭上から落ちて来た魔術による岩を鞭で斬り裂いた。
「この鞭を触り始めてから、ちょいと炎の扱いが上手くなったんだよ……この鞭、アホみたいに高度だからな、お手本にするにゃ丁度良い」
「へぇ、そりゃ良いなァ。どこで拾ったんだ?」
「山の中だ。どっかの誰かさんが落としていったみたいでよ」
「くッ……!」
楽し気に話す二人を前に、仮面を着けた男の一人は歯噛みする。
「このままでは……」
「勝てねぇ、か? ヒヒッ、もう遅ェよ」
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