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全知全能と二度目の報告
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街に帰って来た僕らは、直ぐにギルドに戻って受付嬢さんに支部長のドリゥグさんを呼んで貰った。
「どうした、俺に話があるなんて……しかも、この面子っつーか、テメェかよ」
ドリゥグさんはどこかうんざりしたような様子で僕を見た。
「なんですか」
「いや、さっきも話したからな……この前もお前が絡んで何かあったし、また厄介ごとか?」
失礼な。別に、この前の件も僕はオマケみたいなもんだったろうに。そもそも、僕のせいじゃないし。
「それで、どうした?」
「それなんですが……奥で話させて頂けますか?」
ドリゥグの問いに、アシラは目を合わせてそう頼んだ。
「クソ、どうやら、厄介事らしいな……分かった、付いて来い」
溜息を吐いたドリゥグさんは僕らに背を向けるとすたすたと歩き出した。僕らはその背を追って歩き、そしてさっきも入った筈の支部長室にもう一度入ることになったのだった。
「よし……茶は要らんな? 最近の俺は忙しいからな」
なんで僕を睨むんですかねぇ。
「あぁ、要らねぇよ。でも、話はちゃんと聞いてもらうぜ?」
「それは勿論だ。さぁ、早いところ話してくれ」
視線を向けられたアシラは頷き、そして口を開いた。
「ゴブリンの群れが現れた」
アシラの言葉に、ドリゥグさんは眉を顰める。
「ゴブリンが? そりゃ、どこでだ?」
「ルイドドの森のちょいと奥くらいだな」
「最初は、ウィーが偵察でこちらを見ていたゴブリンを発見してくれましてね」
「あぁ、おれからすればバレバレの隠密だったけどな」
ドヤ顔をしたウィーに特に反応もせず、ドリゥグは続きを促した。
「……そんで、話し合ったおれたちはゴブリンを追いかけずに襲って来るのを待つことにしたんだよ。ゴブリンって売れるのかー? なんて話をしながらな」
「そこら辺の解像度は要らん」
ドリゥグの言葉にウィーは機嫌悪そうに眉を顰めたが、説明を続けた。
「そんでまぁ、どうせ向こうから襲って来るだろって待ってたおれたちだったんだが、予想通りに奴らは襲って来やがった」
「そこでの敵の群れは…………少なくとも、五十体は居ました。数えていないから体感ですが」
躊躇の末に話したアシラの言葉に、ドリゥグはぴくりと表情筋を動かした。
「……五十体だと?」
「えぇ」
肯定したアシラに、ドリゥグはそうか……と声を出した。
「まぁ……お前らなら、それくらいは倒せるか。どうやら、今のところは実力通りのランクになっていないようだしな」
「はは、そんなことありませんよ」
謙遜したアシラにドリゥグは鼻を鳴らし、それから続きを促した。
「それから……戦闘の中で斥候らしきゴブリンが戦場から離れて行くのを見たウィーが、その行方を追いました」
「おう、追ってったらやっぱり巣穴が見つかりやがってな、でも普通の巣穴って感じじゃなくてよ、最近作られた巣穴っぽい雰囲気だったんだよな。雑に植物で偽装しただけの、洞窟をそのまま使ってるみたいなよ。んで、気配を探った感じ中にも結構居そうだった」
「……他所から流れて来た群れか?」
ドリゥグの考察に、アシラは答えることなく話を続けた。
「そして、報告を受けた僕達は話し合って報告より先に殲滅を優先することにしました」
「随分と思い切ったな?」
「えぇ、詳しくは話せませんが……こちらを脅威と思われて他の地域に逃れられる可能性があったので」
「脅威に、か」
ドリゥグは小さく息を吐いて、僕の方に視線を向けた。え、これバレてる奴? いや、ある程度の実力があると推測されるくらいは問題無い筈だ。ゴーレム大量生産は、流石にあんまり知られたくは無いけど。
「……あと、あのゴブリン達は、普通じゃない。普通のよりも、理性的」
「あ~、そうだったな。それに、装備も整ってたぜ。金属製の武器も結構持ってたし、あとここら辺の武器って雰囲気じゃなかったな」
「……どうやら、きな臭い話になって来たようだな」
ここまでなら、ただの他所から流れて来ただけのゴブリンの群れと取ることも出来たが、追加の情報で嫌な予感がし始めたのかドリゥグさんは重い息を吐いてそう言った。
「それから、使い魔なんかを使って巣穴の中を調査して……僕らは、巣穴の中の群れを完全に殲滅しました」
「……随分と簡単に言うな? 巣穴の中に居たゴブリンは、外で戦闘した奴らよりも量は少なかったのか?」
「いえ、多かったです」
「質は?」
ドリゥグさんの問いに、アシラがちらりと視線をこちらに向けた。そっか、アシラは巣穴の中でちゃんと戦った訳じゃないから、詳しくは分からないか。
「外で戦った個体の方が戦闘員のみで構成されてたっぽくて、平均的には強かったですね」
「……量は、どの程度多かった?」
「巣穴の方が、三倍くらいですかね……?」
僕の言葉に、ドリゥグさんが眉を顰める。
「お前がここを出たのは大体昼頃だったよな? 随分と早く、そんな量のゴブリンを殲滅出来たな?」
僕はぎくっと声を上げそうになったが、何とか平常心を貫いて表情を保った。
「どうした、俺に話があるなんて……しかも、この面子っつーか、テメェかよ」
ドリゥグさんはどこかうんざりしたような様子で僕を見た。
「なんですか」
「いや、さっきも話したからな……この前もお前が絡んで何かあったし、また厄介ごとか?」
失礼な。別に、この前の件も僕はオマケみたいなもんだったろうに。そもそも、僕のせいじゃないし。
「それで、どうした?」
「それなんですが……奥で話させて頂けますか?」
ドリゥグの問いに、アシラは目を合わせてそう頼んだ。
「クソ、どうやら、厄介事らしいな……分かった、付いて来い」
溜息を吐いたドリゥグさんは僕らに背を向けるとすたすたと歩き出した。僕らはその背を追って歩き、そしてさっきも入った筈の支部長室にもう一度入ることになったのだった。
「よし……茶は要らんな? 最近の俺は忙しいからな」
なんで僕を睨むんですかねぇ。
「あぁ、要らねぇよ。でも、話はちゃんと聞いてもらうぜ?」
「それは勿論だ。さぁ、早いところ話してくれ」
視線を向けられたアシラは頷き、そして口を開いた。
「ゴブリンの群れが現れた」
アシラの言葉に、ドリゥグさんは眉を顰める。
「ゴブリンが? そりゃ、どこでだ?」
「ルイドドの森のちょいと奥くらいだな」
「最初は、ウィーが偵察でこちらを見ていたゴブリンを発見してくれましてね」
「あぁ、おれからすればバレバレの隠密だったけどな」
ドヤ顔をしたウィーに特に反応もせず、ドリゥグは続きを促した。
「……そんで、話し合ったおれたちはゴブリンを追いかけずに襲って来るのを待つことにしたんだよ。ゴブリンって売れるのかー? なんて話をしながらな」
「そこら辺の解像度は要らん」
ドリゥグの言葉にウィーは機嫌悪そうに眉を顰めたが、説明を続けた。
「そんでまぁ、どうせ向こうから襲って来るだろって待ってたおれたちだったんだが、予想通りに奴らは襲って来やがった」
「そこでの敵の群れは…………少なくとも、五十体は居ました。数えていないから体感ですが」
躊躇の末に話したアシラの言葉に、ドリゥグはぴくりと表情筋を動かした。
「……五十体だと?」
「えぇ」
肯定したアシラに、ドリゥグはそうか……と声を出した。
「まぁ……お前らなら、それくらいは倒せるか。どうやら、今のところは実力通りのランクになっていないようだしな」
「はは、そんなことありませんよ」
謙遜したアシラにドリゥグは鼻を鳴らし、それから続きを促した。
「それから……戦闘の中で斥候らしきゴブリンが戦場から離れて行くのを見たウィーが、その行方を追いました」
「おう、追ってったらやっぱり巣穴が見つかりやがってな、でも普通の巣穴って感じじゃなくてよ、最近作られた巣穴っぽい雰囲気だったんだよな。雑に植物で偽装しただけの、洞窟をそのまま使ってるみたいなよ。んで、気配を探った感じ中にも結構居そうだった」
「……他所から流れて来た群れか?」
ドリゥグの考察に、アシラは答えることなく話を続けた。
「そして、報告を受けた僕達は話し合って報告より先に殲滅を優先することにしました」
「随分と思い切ったな?」
「えぇ、詳しくは話せませんが……こちらを脅威と思われて他の地域に逃れられる可能性があったので」
「脅威に、か」
ドリゥグは小さく息を吐いて、僕の方に視線を向けた。え、これバレてる奴? いや、ある程度の実力があると推測されるくらいは問題無い筈だ。ゴーレム大量生産は、流石にあんまり知られたくは無いけど。
「……あと、あのゴブリン達は、普通じゃない。普通のよりも、理性的」
「あ~、そうだったな。それに、装備も整ってたぜ。金属製の武器も結構持ってたし、あとここら辺の武器って雰囲気じゃなかったな」
「……どうやら、きな臭い話になって来たようだな」
ここまでなら、ただの他所から流れて来ただけのゴブリンの群れと取ることも出来たが、追加の情報で嫌な予感がし始めたのかドリゥグさんは重い息を吐いてそう言った。
「それから、使い魔なんかを使って巣穴の中を調査して……僕らは、巣穴の中の群れを完全に殲滅しました」
「……随分と簡単に言うな? 巣穴の中に居たゴブリンは、外で戦闘した奴らよりも量は少なかったのか?」
「いえ、多かったです」
「質は?」
ドリゥグさんの問いに、アシラがちらりと視線をこちらに向けた。そっか、アシラは巣穴の中でちゃんと戦った訳じゃないから、詳しくは分からないか。
「外で戦った個体の方が戦闘員のみで構成されてたっぽくて、平均的には強かったですね」
「……量は、どの程度多かった?」
「巣穴の方が、三倍くらいですかね……?」
僕の言葉に、ドリゥグさんが眉を顰める。
「お前がここを出たのは大体昼頃だったよな? 随分と早く、そんな量のゴブリンを殲滅出来たな?」
僕はぎくっと声を上げそうになったが、何とか平常心を貫いて表情を保った。
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