神影鎧装レツオウガ【小編リマスター版】 #1

横島孝太郎

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#1 レツオウガ起動

Chapter01 邂逅 01-02

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 そもそもの発端はつい今朝方のことだ。
 午前七時八分。日乃栄高校付属の学生寮、一階にある洗面所。
 いつもの寝間着姿のまま、いつものように眠い目を擦りながらやって来た風葉は、鏡の中に全ての元凶見つけたのだ。
 銀色に変色した自分の髪と、ピンと立つ三角形の犬耳を。
「……うぇっ!?」
 顔を洗う前に眠気が吹き飛んだのは、一体いつ以来だったか。何にせよ、風葉は慌てて前髪を一筋つまむ。
 指の中で揺れる前髪は、鏡に映るそれとまったく同じ色に染まっていた。
 夢では、ない。
「ん、な」
 なんじゃこりゃー、と言う叫びが喉元まで出かかった瞬間、銀色の犬耳がぴこぴこと動いた。
「……あ、ちょっとかわいい」
 試しに少し力を込めてみると、三角形の犬耳が寝癖の中でわさわさした。
「……って、そうじゃないでしょ私」
 頬を軽く引っぱたく風葉。
 辛うじて叫ばずには済んだが、心境そのものはまったくもって落ち着かない。
 とりあえず風葉は鏡に顔を近付け、念入りに自分をみつめる。
 少し丸っこいのは自覚がある輪郭の中に、大きな瞳と小さな鼻。高二なのに一回り幼く見られることがある顔立ちは、右の目元にあるホクロも含めてまったく変わっていない。人間の耳もきちんと二つ揃っている。
 確認するまでもない、いつもの顔。だからこそ、銀髪と犬耳の異様が際立っていた。
 肩口まであるセミロングは、昨日布団に入るまではきちんと黒色だった。紛れもなく平均的日本人のそれだったはずだ。
 だというのに、今朝の風葉は銀髪で、犬耳だった。
「染めた憶えなんてないんだけどなぁ。それにこの耳は一体……」
 途方に暮れながらも、風葉は犬耳の方にもそれとなく手を伸ばす。
 そして、つまめなかった。
 右手の指先は、犬耳の中を幽霊のようにすり抜けていた。
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