3 / 162
#1 レツオウガ起動
Chapter01 邂逅 01-03
しおりを挟む
「――」
一筋、風葉の頬を汗が伝い落ちる。
オカルト関連についてはサッパリな風葉ではあったが、それでも今の光景から導き出せる回答は、一つしかなかった。
「ゆ、幽――」
霊、と風葉が言いかけた直前、洗面所の扉が音を立てて開いた。
「うひゃあ!?」
「おわっ!? 何事……って、なんだ風葉じゃん。おはよ」
「お、おはようございます泉さん!?」
扉を開けた張本人こと、隣部屋の鹿島田泉は、どうにか頭を隠そうとわたわたしている風葉をジト目で見る。
「なに、ホントにどしたの? てか、なんで敬語なのさ。学年同じっしょ?」
「いや、その、何ていうか」
ちらちらと横目で鏡を見る風葉。その様子に首を傾げつつ、泉は風葉に歩み寄る。
「ふぅむ?」
じっと顔を近付け、器用にも片眉を吊り上げる泉。いきなり近付いた友人の顔に、風葉は違った意味でドキリとする。
寝起き直後なので乱れ気味だが、それでもこざっぱりとしたショートカット。
そんな髪型にキリッとした顔立ちと、平均より高めな背丈が合わさっているため、角度によっては美男子っぽく見える時もあるのだ。例えば今のように。
とはいえ、鹿島田泉は紛れもなく女性である。視線を下ろせば、泉が寝間着代わりにしている小豆色のジャージが、身体のラインを浮き彫りにしていた。
特に、ファスナーが上がりきらない胸周りを。
当人いわく、中学時代の運動着なので一回り小さいらしい。
だが、だからこそ強調されるそれを直視した風葉は、全ての異変を忘れて自分の胸を押さえた。
ぺったりしていた。そして、がっかりした。
そんな風葉をじっと見つめていた泉は、不意に風葉の髪を一筋つまむ。
「お、枝毛発見」
「……えだげ?」
「ちゃんとしないとダメだぞ風葉。何ならいいシャンプー教えよっか?」
確かに泉の指は枝毛をつまんでいた。銀色に輝いている枝毛を。
「それは、うれしいんだけど。あの、えーっと、それだけ?」
「ん? もっと探して欲しいのか?」
「そうじゃなくて、その」
意を決し、風葉は聞いてみた。
「私の髪、変じゃないかな?」
一筋、風葉の頬を汗が伝い落ちる。
オカルト関連についてはサッパリな風葉ではあったが、それでも今の光景から導き出せる回答は、一つしかなかった。
「ゆ、幽――」
霊、と風葉が言いかけた直前、洗面所の扉が音を立てて開いた。
「うひゃあ!?」
「おわっ!? 何事……って、なんだ風葉じゃん。おはよ」
「お、おはようございます泉さん!?」
扉を開けた張本人こと、隣部屋の鹿島田泉は、どうにか頭を隠そうとわたわたしている風葉をジト目で見る。
「なに、ホントにどしたの? てか、なんで敬語なのさ。学年同じっしょ?」
「いや、その、何ていうか」
ちらちらと横目で鏡を見る風葉。その様子に首を傾げつつ、泉は風葉に歩み寄る。
「ふぅむ?」
じっと顔を近付け、器用にも片眉を吊り上げる泉。いきなり近付いた友人の顔に、風葉は違った意味でドキリとする。
寝起き直後なので乱れ気味だが、それでもこざっぱりとしたショートカット。
そんな髪型にキリッとした顔立ちと、平均より高めな背丈が合わさっているため、角度によっては美男子っぽく見える時もあるのだ。例えば今のように。
とはいえ、鹿島田泉は紛れもなく女性である。視線を下ろせば、泉が寝間着代わりにしている小豆色のジャージが、身体のラインを浮き彫りにしていた。
特に、ファスナーが上がりきらない胸周りを。
当人いわく、中学時代の運動着なので一回り小さいらしい。
だが、だからこそ強調されるそれを直視した風葉は、全ての異変を忘れて自分の胸を押さえた。
ぺったりしていた。そして、がっかりした。
そんな風葉をじっと見つめていた泉は、不意に風葉の髪を一筋つまむ。
「お、枝毛発見」
「……えだげ?」
「ちゃんとしないとダメだぞ風葉。何ならいいシャンプー教えよっか?」
確かに泉の指は枝毛をつまんでいた。銀色に輝いている枝毛を。
「それは、うれしいんだけど。あの、えーっと、それだけ?」
「ん? もっと探して欲しいのか?」
「そうじゃなくて、その」
意を決し、風葉は聞いてみた。
「私の髪、変じゃないかな?」
0
あなたにおすすめの小説
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
Chivalry - 異国のサムライ達 -
稲田シンタロウ(SAN値ぜろ!)
ファンタジー
シヴァリー(Chivalry)、それは主に騎士道を指し、時に武士道としても使われる言葉である。騎士道と武士道、両者はどこか似ている。強い精神をその根底に感じる。だが、士道は魔法使いが支配する世界でも通用するのだろうか?
これは魔法というものが絶対的な価値を持つ理不尽な世界で、士道を歩んだ者達の物語であり、その中でもアランという男の生き様に主眼を置いた大器晩成なる物語である。(他サイトとの重複投稿です。また、画像は全て配布サイトの規約に従って使用しています)
ちょっと大人な物語はこちらです
神崎 未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な短編物語集です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
敗戦国の姫は、敵国将軍に掠奪される
clayclay
恋愛
架空の国アルバ国は、ブリタニア国に侵略され、国は壊滅状態となる。
状況を打破するため、アルバ国王は娘のソフィアに、ブリタニア国使者への「接待」を命じたが……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる