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#1 レツオウガ起動
Chapter01 邂逅 05-07
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目だけでなく頭の中までぐるぐるして来たらしい風葉にツッコむ辰巳。それが見えていたのかどうかは定かではないが、とにかくその隙を突いた右腕の竜が、オウガを噛み砕かんと口を開いた。
「SHAAAAAッ!」
「――ッ! ち、ぃッ!」
切磋にその首を右手で打ち払う辰巳だったが、竜はしぶとく手首に巻き付き、オウガを拘束。それを待っていたかのように、キクロプスが追撃の左拳を打ち下ろす。脳天を狙うハンマーパンチだ。
「WOOOOOOッ!」
「甘いッ!」
だが、辰巳はこの一撃を左拳で迎撃。廊下で対峙したリザードマンと同じように、カウンターで手首を打ち据える。
「WOOッ!?」
「SHAAッ!?」
たたらを踏みつつ、同時に顔をしかめるキクロプスと竜。更にオウガの束縛も緩んだ辺り、どうやら感覚を共有しているらしい。
理由はどうあれ束縛を振り払った辰巳は、切磋に両肩のEマテリアルへと手を伸ばす。
「セット! ブレード!」
「Roger Blade Etherealize」
肩に回した掌の上へ、両肩のEマテリアルから注がれる光のワイヤーフレーム。オウガがそれをしっかと握ったのを合図に、光は二振りの刃へと姿を変えた。切っ先から柄頭まで、銀一色に染め上げられた直刀である。
その二刀を、辰巳は迷いなく振りぬく。
キクロプスをX字に斬り裂く、ためではない。左右から奇襲する二本の刃を受け止めるためだ。
「GIGI、GI」
「GI、GIGI」
先読みされ、剥き出しの歯を軋ませる二体の巨大な骸骨。先程パイルバンカーを受けて消滅したものと同型らしい骨達を、辰巳は鋭く睨む。
頭のてっぺんから爪先まで、肉どころか細胞の一欠片すら見当たらない、見事なまでの人骨。
古代ローマ兵に似た鎧を着込むその手には、円形の盾と肉厚の両刃剣。
窪んだ眼窩には当然ながら目などなく、代わりに爛々と燃える敵意がコクピット越しに辰巳を見ていた。
「やっぱりな……セット、ジャンプ!」
『Roger Rebounder Etherealize』
鍔迫り合っていたグラディウスを巧みにいなしつつ、リバウンダーで上空へと退避するオウガ。それを狙い、立ち直ったキクロプスが追撃の牙を放つ。
「WOOOOOOッ!」
「もう一度セット! ジャンプ!」
『Roger Rebounder Etherealize』
すり抜けようとした電線を緊急の足場とし、更に大きく再跳躍するオウガ。期せずして広範囲を見渡す位置に来てしまった辰巳は、レーダーと肉眼で二重に確認した。
総勢十四体の巨大な骸骨が、キクロプスを守るように周囲を取り囲んでいるのを。
「SHAAAAAッ!」
「――ッ! ち、ぃッ!」
切磋にその首を右手で打ち払う辰巳だったが、竜はしぶとく手首に巻き付き、オウガを拘束。それを待っていたかのように、キクロプスが追撃の左拳を打ち下ろす。脳天を狙うハンマーパンチだ。
「WOOOOOOッ!」
「甘いッ!」
だが、辰巳はこの一撃を左拳で迎撃。廊下で対峙したリザードマンと同じように、カウンターで手首を打ち据える。
「WOOッ!?」
「SHAAッ!?」
たたらを踏みつつ、同時に顔をしかめるキクロプスと竜。更にオウガの束縛も緩んだ辺り、どうやら感覚を共有しているらしい。
理由はどうあれ束縛を振り払った辰巳は、切磋に両肩のEマテリアルへと手を伸ばす。
「セット! ブレード!」
「Roger Blade Etherealize」
肩に回した掌の上へ、両肩のEマテリアルから注がれる光のワイヤーフレーム。オウガがそれをしっかと握ったのを合図に、光は二振りの刃へと姿を変えた。切っ先から柄頭まで、銀一色に染め上げられた直刀である。
その二刀を、辰巳は迷いなく振りぬく。
キクロプスをX字に斬り裂く、ためではない。左右から奇襲する二本の刃を受け止めるためだ。
「GIGI、GI」
「GI、GIGI」
先読みされ、剥き出しの歯を軋ませる二体の巨大な骸骨。先程パイルバンカーを受けて消滅したものと同型らしい骨達を、辰巳は鋭く睨む。
頭のてっぺんから爪先まで、肉どころか細胞の一欠片すら見当たらない、見事なまでの人骨。
古代ローマ兵に似た鎧を着込むその手には、円形の盾と肉厚の両刃剣。
窪んだ眼窩には当然ながら目などなく、代わりに爛々と燃える敵意がコクピット越しに辰巳を見ていた。
「やっぱりな……セット、ジャンプ!」
『Roger Rebounder Etherealize』
鍔迫り合っていたグラディウスを巧みにいなしつつ、リバウンダーで上空へと退避するオウガ。それを狙い、立ち直ったキクロプスが追撃の牙を放つ。
「WOOOOOOッ!」
「もう一度セット! ジャンプ!」
『Roger Rebounder Etherealize』
すり抜けようとした電線を緊急の足場とし、更に大きく再跳躍するオウガ。期せずして広範囲を見渡す位置に来てしまった辰巳は、レーダーと肉眼で二重に確認した。
総勢十四体の巨大な骸骨が、キクロプスを守るように周囲を取り囲んでいるのを。
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