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#1 レツオウガ起動
Chapter02 凪守 01-02
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「甘党の人なんだ?」
「ん、ああ。あんこ系の和菓子に目がないんだ。歳のせいかもな」
「年配の人なの? そんな感じはなかったけど」
「あー。まぁ、気にせんでくれ。あと、ちょいとあっちを向いてくれると嬉しい」
「? うん」
疑問はあるが、とりあえず回れ右をする風葉。オウガローダーと魔方陣は既に消えていた。
そんな風葉の後ろで、辰巳は左腕のコンピュータに告げる。
「鎧装、解除」
瞬間、風葉の背後から放たれる閃光。廊下で見たような青い光は、やはり一瞬で消滅。
そうして風葉が振り返って見れば、辰巳の姿は元のブレザーへと戻っていた。
「……うん、やっぱり制服姿の方が安心するよ」
「俺にとってはさっきのも制服なんだけどな、凪守の」
言いつつ泉を横抱きに抱え上げ、北校舎屋上の扉をすり抜ける辰巳。風葉もそれに続いて歩いていくと、丁度階段を降りた辺りで電子ベルのような音が響いた。
辰巳のコンピュータに通信が入ったのだ。
「ちょっと泉さんを頼む」
階段に座らせた泉の肩を風葉に支えさせ、辰巳は着信音を鳴らす左腕のコンピュータを操作、通信を開始。
『おー繋がった繋がった。まずはお疲れさんだなー辰巳ー』
「……一応まだ状況は続いてるんだから、コールサインで呼んでくれファントム1」
『あーそーだったか。んじゃ辰……じゃなかったファントム4、禍の様子はどーよ?』
「それは――」
ちら、と風葉を見る辰巳。その視線はなぜか銀髪と犬耳に向けられている。
なので、風葉はそれらを指差す。
「まがつ、ってひょっとしてコレの事?」
「ああ。普通じゃありえないような存在は、大体全部ひっくるめてそう呼ぶんだ。だから霧宮さんのそれだけじゃなく、さっき戦ったリザードマンやキクロプスも禍って事になる」
「そうなんだ……なんか、ちょっと複雑」
ぎこちなく頷く風葉の隣で、辰巳はファントム1との通信を続ける。
「で、そんな彼女から禍を除去する必要がある訳なんだが」
『そーさなー。じゃあとりあえず連れて来てくれ、明日。学生は土曜日で休みだろー?』
「へっ?」
『準備はこっちでしとくからさー。んじゃよろしくなー』
「いや、ちょっと、予定ってもんが――」
慌てる辰巳を見事に無視し、ブツリと通信を切ってしまうファントム1。
後に残された二人の学生は、何とも言えない微妙な表情をお互いに見合わせた。
「ん、ああ。あんこ系の和菓子に目がないんだ。歳のせいかもな」
「年配の人なの? そんな感じはなかったけど」
「あー。まぁ、気にせんでくれ。あと、ちょいとあっちを向いてくれると嬉しい」
「? うん」
疑問はあるが、とりあえず回れ右をする風葉。オウガローダーと魔方陣は既に消えていた。
そんな風葉の後ろで、辰巳は左腕のコンピュータに告げる。
「鎧装、解除」
瞬間、風葉の背後から放たれる閃光。廊下で見たような青い光は、やはり一瞬で消滅。
そうして風葉が振り返って見れば、辰巳の姿は元のブレザーへと戻っていた。
「……うん、やっぱり制服姿の方が安心するよ」
「俺にとってはさっきのも制服なんだけどな、凪守の」
言いつつ泉を横抱きに抱え上げ、北校舎屋上の扉をすり抜ける辰巳。風葉もそれに続いて歩いていくと、丁度階段を降りた辺りで電子ベルのような音が響いた。
辰巳のコンピュータに通信が入ったのだ。
「ちょっと泉さんを頼む」
階段に座らせた泉の肩を風葉に支えさせ、辰巳は着信音を鳴らす左腕のコンピュータを操作、通信を開始。
『おー繋がった繋がった。まずはお疲れさんだなー辰巳ー』
「……一応まだ状況は続いてるんだから、コールサインで呼んでくれファントム1」
『あーそーだったか。んじゃ辰……じゃなかったファントム4、禍の様子はどーよ?』
「それは――」
ちら、と風葉を見る辰巳。その視線はなぜか銀髪と犬耳に向けられている。
なので、風葉はそれらを指差す。
「まがつ、ってひょっとしてコレの事?」
「ああ。普通じゃありえないような存在は、大体全部ひっくるめてそう呼ぶんだ。だから霧宮さんのそれだけじゃなく、さっき戦ったリザードマンやキクロプスも禍って事になる」
「そうなんだ……なんか、ちょっと複雑」
ぎこちなく頷く風葉の隣で、辰巳はファントム1との通信を続ける。
「で、そんな彼女から禍を除去する必要がある訳なんだが」
『そーさなー。じゃあとりあえず連れて来てくれ、明日。学生は土曜日で休みだろー?』
「へっ?」
『準備はこっちでしとくからさー。んじゃよろしくなー』
「いや、ちょっと、予定ってもんが――」
慌てる辰巳を見事に無視し、ブツリと通信を切ってしまうファントム1。
後に残された二人の学生は、何とも言えない微妙な表情をお互いに見合わせた。
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