神影鎧装レツオウガ【小編リマスター版】 #1

横島孝太郎

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#1 レツオウガ起動

Chapter02 凪守 02-05

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「うんうん、その疑問ももっともだ。と言うわけで資料のページを捲ってくれ」
 巌の言葉に従い、ペラリとページを捲る一同。次項にはあの時スペクターが発動した鎧装展開術式、フェンリルの写真と推測データが載っていた。
 小さいが、それでも細部が良く分かるその写真に、風葉は首を傾げる。
「これ、いつ撮ったの?」
「ああ、俺の鎧装のバイザーは、霊力センサー意外にも色々機能があるんだ。カメラ機能ももちろんあるさ」
 さらりと言ってのける辰巳の隣で、巌はフェンリルの写真をぺちんと弾く。
「コレ、こいつが使ってる鎧装展開術式。良く考えるとおかしいんだよねー。霊力で武具を造る、って言う発想自体は随分昔からある。けど、コイツはいくら何でも常軌を逸してる」
いずみ……ええと、私の友達ごと変わったからですか?」
 分からない事は未だに多いが、それでも他人事ではない内容に、風葉は怖ず怖ずと疑問を挟む。
「ふふ、確かにそこも特徴的な部分ではあるねー。けど、本質的な問題はそこじゃない。人体の造りを大きく逸脱しているトコさ。ところでおかわりヨロシク」
「飲むペース早いですね」
 反射的に突っ込んでしまう風葉。だが巌は気にしない。
「いやーお客さんが居ると緊張しちゃってねー」
「いつもこれくらいだろ」
「そーだっけ? まぁ健康には良いんだからいいじゃん」
「ほれ、駆けつけ三杯」
「お、あんがとさん」
 雷蔵から三度目の湯飲みを受け取り、マイペースに説明を再開する巌。
「さて。見た目はどうあれ、鎧装ってのは基本的に武具だ。武具ってのは、つまるところ人間が扱える形をした道具だ。で、その前提を踏まえた上で、もっかい資料を見てみよーか」
 そう言って巌が皆の視線を動かした矢先、辰巳がおもむろに口を開いた。
「……断じて武具なんてもんじゃなかったな、アレは。明らかに身体そのものが変質していた」
 フェンリルと実際に拳を交えた辰巳は、コメカミを小突きながら昨日の戦いを思い出す。
「どんな魔術師だろうと普通の人間である限り、人間のカタチを大きく変えるような鎧装――手足を増やしたり、尻尾を生やしたりするような鎧装を使う事は出来ない。それが出来るのは、何らかの方法で、普通を止めちまったヤツだけだ」
 一瞬、辰巳の瞳から色が消える。
 プラスチックのように硬質な眼差しは、戦場に立っていた時と同じ形をしている。
 だが、どうしてそんな顔をするのか。
 確かめる暇も無く、続く巌の説明が疑問を押し流していく。
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