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#1 レツオウガ起動
Chapter03 魔狼 05-03
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「ウェイクアップ! オウガ・エミュレート!」
「ウェイクアップ! オーディン・シャドー!」
瞬間、光が爆ぜた。
Rフィールド内を塗り込めていた赤色を、まばゆい白が駆逐する。
二つの大鎧装から放たれた余剰霊力が、奔流となって全方位に叩きつけられたのだ。
「む、ぅっ」
やがて光は消え、現れたオウガはたたらを踏みそうな足をどうにかこらえた。
一筋、辰巳の背中に生ぬるいものが流れる。
さもあらん。近距離だったとはいえ、余剰霊力の放出だけでバランスを崩されたのだ。
実際に保有している霊力量の差は一体どれほどになるか。
「……参ったね」
それでもどうにか口の端に笑みを浮かべながら、辰巳はギノアの神影鎧装――オーディン・シャドーとやらを見据える。
一言で表すならば、それは鎧に身を包んだ騎士であった。
全身に充ち満ちている、しなやかな筋肉と膨大な霊力。それらを包むのは流麗、かつ鋭角的なフォルムを見せるフルプレートメイルだ。
純白に青い縁取りがなされた装甲の色使いは、ギノアが着ていたコートに良く似ている。恐らくギノアの意志でも投影されているのだろう。
羽織るマントは青色であり、全身から発する霊力の余波なのか、風も無いのにゆらゆらとはためいている。
どこまでも高貴、かつ荘厳な佇まい。その姿の中で、唯一頭部を包む兜だけは金色の光を放っている。
――伝承において、北欧神話の主神オーディンは金色の兜を被り、青いマントを纏って戦場に赴いたという。あの姿は、その現れという訳か。
もはや疑うべくも無い。程度はどうあれ、あれは北欧神話に語られた最高神を再現した怪物だ。
「セット! ブレード! 並びにブースト!」
「Roger Blade Rapidbooster Etherealize」
なればこそ、先手必勝。
ギノアが即座に動かないのは、まだ神影鎧装を把握し切れていないため――そう踏んだ辰巳は、考え得る最速のカードを切った。
指令を受け、オウガの背中と両肩部のEマテリアルに霊力が収束。まず出現する二振りの刀を大きく振りかぶり、次いで現れる大型ブースターに、辰巳は火をいれた。
空気が、炸裂する。
ラピッドブースター内部で爆発する霊力が、オウガの巨体に音の壁を突破させたのだ。
「疾、ィッ!」
コンマ数秒。鉛のごとくのしかかる空気をものともせず、辰巳は刀を振り下ろす。
「ウェイクアップ! オーディン・シャドー!」
瞬間、光が爆ぜた。
Rフィールド内を塗り込めていた赤色を、まばゆい白が駆逐する。
二つの大鎧装から放たれた余剰霊力が、奔流となって全方位に叩きつけられたのだ。
「む、ぅっ」
やがて光は消え、現れたオウガはたたらを踏みそうな足をどうにかこらえた。
一筋、辰巳の背中に生ぬるいものが流れる。
さもあらん。近距離だったとはいえ、余剰霊力の放出だけでバランスを崩されたのだ。
実際に保有している霊力量の差は一体どれほどになるか。
「……参ったね」
それでもどうにか口の端に笑みを浮かべながら、辰巳はギノアの神影鎧装――オーディン・シャドーとやらを見据える。
一言で表すならば、それは鎧に身を包んだ騎士であった。
全身に充ち満ちている、しなやかな筋肉と膨大な霊力。それらを包むのは流麗、かつ鋭角的なフォルムを見せるフルプレートメイルだ。
純白に青い縁取りがなされた装甲の色使いは、ギノアが着ていたコートに良く似ている。恐らくギノアの意志でも投影されているのだろう。
羽織るマントは青色であり、全身から発する霊力の余波なのか、風も無いのにゆらゆらとはためいている。
どこまでも高貴、かつ荘厳な佇まい。その姿の中で、唯一頭部を包む兜だけは金色の光を放っている。
――伝承において、北欧神話の主神オーディンは金色の兜を被り、青いマントを纏って戦場に赴いたという。あの姿は、その現れという訳か。
もはや疑うべくも無い。程度はどうあれ、あれは北欧神話に語られた最高神を再現した怪物だ。
「セット! ブレード! 並びにブースト!」
「Roger Blade Rapidbooster Etherealize」
なればこそ、先手必勝。
ギノアが即座に動かないのは、まだ神影鎧装を把握し切れていないため――そう踏んだ辰巳は、考え得る最速のカードを切った。
指令を受け、オウガの背中と両肩部のEマテリアルに霊力が収束。まず出現する二振りの刀を大きく振りかぶり、次いで現れる大型ブースターに、辰巳は火をいれた。
空気が、炸裂する。
ラピッドブースター内部で爆発する霊力が、オウガの巨体に音の壁を突破させたのだ。
「疾、ィッ!」
コンマ数秒。鉛のごとくのしかかる空気をものともせず、辰巳は刀を振り下ろす。
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