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#1 レツオウガ起動
Chapter03 魔狼 06-04
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撮影時間はつい数分前。赤い空に映っていたのは、レイキャビクからギノアと神影鎧装術式をまるごと移送した、グレンの転移術式であった。
「これは、転移術式か? だが、こんなタイプのものは見た事が無いな」
同じ転移術式使いとして思うところがあるのか、食い入るように画面を見据える冥。
その横顔に、利英は補足説明をする。
「辰巳がフェンリルと戦ったあの日。察するに、遅くとも午前六時くらいまでに、この転移術式はギノアを日乃栄霊地の管理ブロックへ跳ばしたようだねぇ。くくく。そんでセキュリティを誤魔化して色々やってたみたいだ。多分この時にRフィールドを造ろうとしてたんだろ、今みたいにさ」」
だんだんテンションが上がってきたのか、口の端がつり上がり始める利英。その雰囲気を察し、巌がそれとなく説明を引き継ぐ。
『だが、出来なかった。霊地には十分な霊力が蓄えられていたが、いかんせん抽出量が足りなかったようだな』
「ハ、考えるだけでとんでもねえよな! 保有量の十パーセントを使ってもまだ足りねえとかよ!」
興奮に目をぎらつかせ、ガタガタとキーボードを叩き続ける利英。その視線は正面のディスプレイのみならず、連動する幾枚もの立体映像モニタへも注がれている。
データの見落としが無いか、あるいは閃きのとっかかりが見つからないかを、高速で確認しているのだ。
『だが、霊力は足りなかった。恐らく術式の要求霊力に対して、抽出が間に合わなかったんだろう。そこから起動を強行したのか、中断させたかったのかは分からないが――とにかく、結果として暴発した』
「連中にとっても想定外だった、って事か」
『……いや、どうかな。後の手際がやたら綺麗な辺り、その辺も織り込み済みだった可能性もある』
「それは、また」
納得半分、疑問半分といった顔を浮かべる冥。その隣で、今まで黙っていた風葉が怖ず怖ずと手を上げる。
「それで、その。暴発がこの、フェンリルを生んだんですか?」
グレイプニル・レプリカの効力によって今は見えない犬耳を、風葉は指差す。
『多分ね。不完全とは言え、まがりなりにもラグナロクっていう北欧神話のクライマックスが再現されたんだ。正直、何が発生してもおかしくはなかったと思うよ』
ロキやヨルムンガンドが発生していたら、もっと面倒な事になっていたかもしれない――机を小突いて、巌はそんな仮定を追い払う。
「これは、転移術式か? だが、こんなタイプのものは見た事が無いな」
同じ転移術式使いとして思うところがあるのか、食い入るように画面を見据える冥。
その横顔に、利英は補足説明をする。
「辰巳がフェンリルと戦ったあの日。察するに、遅くとも午前六時くらいまでに、この転移術式はギノアを日乃栄霊地の管理ブロックへ跳ばしたようだねぇ。くくく。そんでセキュリティを誤魔化して色々やってたみたいだ。多分この時にRフィールドを造ろうとしてたんだろ、今みたいにさ」」
だんだんテンションが上がってきたのか、口の端がつり上がり始める利英。その雰囲気を察し、巌がそれとなく説明を引き継ぐ。
『だが、出来なかった。霊地には十分な霊力が蓄えられていたが、いかんせん抽出量が足りなかったようだな』
「ハ、考えるだけでとんでもねえよな! 保有量の十パーセントを使ってもまだ足りねえとかよ!」
興奮に目をぎらつかせ、ガタガタとキーボードを叩き続ける利英。その視線は正面のディスプレイのみならず、連動する幾枚もの立体映像モニタへも注がれている。
データの見落としが無いか、あるいは閃きのとっかかりが見つからないかを、高速で確認しているのだ。
『だが、霊力は足りなかった。恐らく術式の要求霊力に対して、抽出が間に合わなかったんだろう。そこから起動を強行したのか、中断させたかったのかは分からないが――とにかく、結果として暴発した』
「連中にとっても想定外だった、って事か」
『……いや、どうかな。後の手際がやたら綺麗な辺り、その辺も織り込み済みだった可能性もある』
「それは、また」
納得半分、疑問半分といった顔を浮かべる冥。その隣で、今まで黙っていた風葉が怖ず怖ずと手を上げる。
「それで、その。暴発がこの、フェンリルを生んだんですか?」
グレイプニル・レプリカの効力によって今は見えない犬耳を、風葉は指差す。
『多分ね。不完全とは言え、まがりなりにもラグナロクっていう北欧神話のクライマックスが再現されたんだ。正直、何が発生してもおかしくはなかったと思うよ』
ロキやヨルムンガンドが発生していたら、もっと面倒な事になっていたかもしれない――机を小突いて、巌はそんな仮定を追い払う。
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