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#1 レツオウガ起動
Chapter03 魔狼 11-03
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轟音とともに空をかける二輪。時速は既に百キロを超え、Rフィールドの壁が数秒で目前に迫る。
その最中、風葉はメーター上部のコンソールを操作し、武装の入力モードを起動。なんで音声入力なのかな、と少し疑問に思いつつ、迷いなく叫んだ。
「セット! セイバー!」
『Roger CircleSaber Etherealize』
コンソールから響く電子音声。同時にレックウの両輪へ、術式の光がにわかに輝く。
網目状に脈打つ銀色の光。フロントフォークを介して霊力を伝達するそれは、瞬く間にタイヤ中央へ霊力のラインを刻む。
トレッド部を銀色に染める霊力光。両輪を丸く包み込むそれは、しかしすぐさま風葉に命じられた術式を形作った。
即ち、サメのような乱杭歯の刃を。さながら光のバズソーである。
これこそ、レックウに組み込まれた術式の一つ。突撃戦用霊力武装、サークルセイバーだ。
利英の趣味とヒラメキが遺憾なく組み込まれたこの武器は、見た目通りの回転ノコギリ術式以外に、もう一つの機能がある。
それが今、回転する刃とともに、Rフィールドへ食い込んだ。
間髪入れず、風葉はアクセルを全開。最大回転するサークルセイバーが、Rフィールド表面を噛み砕く。その勢いを推進力に変え、レックウの車体がウィリー気味に赤色の壁を駆け上がった。
これこそサークルセイバーのもう一つの役目、破砕走行機能である。
霊力で造られた回転刃は、物体を斬り裂くバズソーとしてだけでなく、あらゆる地面を抉りながら突き進む無限軌道としても機能するのだ。コンマ数秒とはいえ対象の霊力と強引に結合する術式、インペイル・バスターの応用である。
今サークルセイバーは、回転する刃の一つ一つでRフィールドを削りとり、後方へ爆砕して推進力に変えているのだ。
もっとも、本来のライダーである冥がこれを使っても、Rフィールドには傷ひとつつけられなかっただろう。
レックウが今Rフィールドを駆け上がれているのは、ひとえにフェンリルから供給される霊力の、ラグナロクを終わらせる力の賜物であるからだ。
レックウは走る。凄まじい急斜面であるRフィールドの表面を、爆砕しながら走破する。
つんざく爆音、爆ぜ飛ぶRフィールドの欠片。もしここに凪守の関係者が居たなら、皆一様に目をむいた事だろう。
何せあのRフィールドに、一直線の切れ込みが走っていくのだから。
そんな切れ込みの先頭、気を抜けば転倒しかねないレックウを押さえ込みながら、風葉は目を凝らす。
視線は下、Rフィールドの向こう側。
相変わらず乱気流のような渦を巻いている赤色だが、それでもここまで近寄れば内部の様子もどうにか分かる。
赤色の向こうで、町並みが流れていく。いつだったか、暇潰しにインターネットの地図検索で見た航空写真と同じ風景が、風葉の肉眼に映り出す。
その最中、風葉はメーター上部のコンソールを操作し、武装の入力モードを起動。なんで音声入力なのかな、と少し疑問に思いつつ、迷いなく叫んだ。
「セット! セイバー!」
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コンソールから響く電子音声。同時にレックウの両輪へ、術式の光がにわかに輝く。
網目状に脈打つ銀色の光。フロントフォークを介して霊力を伝達するそれは、瞬く間にタイヤ中央へ霊力のラインを刻む。
トレッド部を銀色に染める霊力光。両輪を丸く包み込むそれは、しかしすぐさま風葉に命じられた術式を形作った。
即ち、サメのような乱杭歯の刃を。さながら光のバズソーである。
これこそ、レックウに組み込まれた術式の一つ。突撃戦用霊力武装、サークルセイバーだ。
利英の趣味とヒラメキが遺憾なく組み込まれたこの武器は、見た目通りの回転ノコギリ術式以外に、もう一つの機能がある。
それが今、回転する刃とともに、Rフィールドへ食い込んだ。
間髪入れず、風葉はアクセルを全開。最大回転するサークルセイバーが、Rフィールド表面を噛み砕く。その勢いを推進力に変え、レックウの車体がウィリー気味に赤色の壁を駆け上がった。
これこそサークルセイバーのもう一つの役目、破砕走行機能である。
霊力で造られた回転刃は、物体を斬り裂くバズソーとしてだけでなく、あらゆる地面を抉りながら突き進む無限軌道としても機能するのだ。コンマ数秒とはいえ対象の霊力と強引に結合する術式、インペイル・バスターの応用である。
今サークルセイバーは、回転する刃の一つ一つでRフィールドを削りとり、後方へ爆砕して推進力に変えているのだ。
もっとも、本来のライダーである冥がこれを使っても、Rフィールドには傷ひとつつけられなかっただろう。
レックウが今Rフィールドを駆け上がれているのは、ひとえにフェンリルから供給される霊力の、ラグナロクを終わらせる力の賜物であるからだ。
レックウは走る。凄まじい急斜面であるRフィールドの表面を、爆砕しながら走破する。
つんざく爆音、爆ぜ飛ぶRフィールドの欠片。もしここに凪守の関係者が居たなら、皆一様に目をむいた事だろう。
何せあのRフィールドに、一直線の切れ込みが走っていくのだから。
そんな切れ込みの先頭、気を抜けば転倒しかねないレックウを押さえ込みながら、風葉は目を凝らす。
視線は下、Rフィールドの向こう側。
相変わらず乱気流のような渦を巻いている赤色だが、それでもここまで近寄れば内部の様子もどうにか分かる。
赤色の向こうで、町並みが流れていく。いつだったか、暇潰しにインターネットの地図検索で見た航空写真と同じ風景が、風葉の肉眼に映り出す。
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