135 / 162
#1 レツオウガ起動
Chapter03 魔狼 11-06
しおりを挟む
『……ええっ!? 合体!?』
目を剥く搭乗者を他所に、指令を受諾したレックウが合体モードを起動。
『Roger Immortal Silhouette Frame Mode Ready』
鳴り響く新たな電子音声。オウガがレックウの信号を受諾したのだ。
まず辰巳の背後、新造されたシャッターのロックが解除され、展開。内部から霊力コネクタがせり出す。
ちら、と背後を見る辰巳。利英謹製のコネクタは、一見すると駐輪場の輪止めにも似ていた。ここにレックウを誘導すればいい訳だ。
「ガイドレールビーム、照射!」
叩きつけるような辰巳の指令を認識し、コネクタ部から青い光が伸びる。
以前風葉をコクピットへ招いた牽引ビームと同種のそれは、一直線にレックウへ伸長し、二輪をサークルセイバーごと捉えた。霊力による道の完成である。
『おぉ道だ! 落ちない!』
獣の咆哮が止まり、代わりにエンジンの爆音が轟いた。アクセルが全開になり、レックウがコネクタ目がけて一直線に駆け下りる。
「やらせませんと、言いましたよねぇっ!」
しかして、その接続を悠長に待つギノアではない。ましてや今のレックウは、ガイドレールにそってしか動けないのだ。
「ハガラズッ!」
レックウとガイドレールめがけ、放たれる雹の弾幕。一発でも被弾すれば、レックウは搭乗者ごと潰れてしまうだろう。何せオウガの装甲すら粉砕した弾丸だ。そうでなくともガイドレールを破壊されれば、その時点で神影合体は中断されてしまう。
そんな危機的状況に、しかし辰巳は慌てない。
「ちょいと揺れるぞ、しっかり捕まってろ」
『ふぇ――?』
言うなり、辰巳はガイドレールの投射角度を水平に変更。レックウはレールごとオウガの後方へ倒れこみ、ターゲットを失った雹弾が虚しく空を切る。
『ふええええええっ!?』
同時に、レックウの搭乗者がまたしても悲鳴を上げた。まぁグングニルよろしく振り回されたのだから無理もない。
かくして半分目を回しながらも、レックウはどうにかガイドレールを走破し、フロントフォーク部のコネクタが接続。欠けていたオウガのプログラムがレックウによって補完され、Eマテリアルの機能が拡張開始。
二年前、コアユニットごと破壊された本来の機能――霊脈をかき乱した謎の術式。それ自体は未だ解析の目処すら立っていないが、それでも接続されていた霊力制御機関、Eマテリアルの運用方法については、利英がある程度の解を出した。
レックウはそれを実証するために造られた擬似コアユニットであり、本来ならその操縦と制御を冥が担当する筈だったのだ。
そんな擬似コアユニットから霊力が供給され、オウガの躯体を満たしていく。新たな術式が、新たな武装が、辰巳の脳裏に刻まれていく。
「よし。それで、自壊術式の準備は――」
この時、辰巳はようやくレックウの搭乗者の姿を見た。
そして、絶句した。
さもあらん。そこに居たのは、冥・ローウェルことファントム3ではない。
「や、やっほう」
半分目を回しながらも、片手を上げる銀髪犬耳の同級生。
暫定ファントム5こと、霧宮風葉だったのだから。
目を剥く搭乗者を他所に、指令を受諾したレックウが合体モードを起動。
『Roger Immortal Silhouette Frame Mode Ready』
鳴り響く新たな電子音声。オウガがレックウの信号を受諾したのだ。
まず辰巳の背後、新造されたシャッターのロックが解除され、展開。内部から霊力コネクタがせり出す。
ちら、と背後を見る辰巳。利英謹製のコネクタは、一見すると駐輪場の輪止めにも似ていた。ここにレックウを誘導すればいい訳だ。
「ガイドレールビーム、照射!」
叩きつけるような辰巳の指令を認識し、コネクタ部から青い光が伸びる。
以前風葉をコクピットへ招いた牽引ビームと同種のそれは、一直線にレックウへ伸長し、二輪をサークルセイバーごと捉えた。霊力による道の完成である。
『おぉ道だ! 落ちない!』
獣の咆哮が止まり、代わりにエンジンの爆音が轟いた。アクセルが全開になり、レックウがコネクタ目がけて一直線に駆け下りる。
「やらせませんと、言いましたよねぇっ!」
しかして、その接続を悠長に待つギノアではない。ましてや今のレックウは、ガイドレールにそってしか動けないのだ。
「ハガラズッ!」
レックウとガイドレールめがけ、放たれる雹の弾幕。一発でも被弾すれば、レックウは搭乗者ごと潰れてしまうだろう。何せオウガの装甲すら粉砕した弾丸だ。そうでなくともガイドレールを破壊されれば、その時点で神影合体は中断されてしまう。
そんな危機的状況に、しかし辰巳は慌てない。
「ちょいと揺れるぞ、しっかり捕まってろ」
『ふぇ――?』
言うなり、辰巳はガイドレールの投射角度を水平に変更。レックウはレールごとオウガの後方へ倒れこみ、ターゲットを失った雹弾が虚しく空を切る。
『ふええええええっ!?』
同時に、レックウの搭乗者がまたしても悲鳴を上げた。まぁグングニルよろしく振り回されたのだから無理もない。
かくして半分目を回しながらも、レックウはどうにかガイドレールを走破し、フロントフォーク部のコネクタが接続。欠けていたオウガのプログラムがレックウによって補完され、Eマテリアルの機能が拡張開始。
二年前、コアユニットごと破壊された本来の機能――霊脈をかき乱した謎の術式。それ自体は未だ解析の目処すら立っていないが、それでも接続されていた霊力制御機関、Eマテリアルの運用方法については、利英がある程度の解を出した。
レックウはそれを実証するために造られた擬似コアユニットであり、本来ならその操縦と制御を冥が担当する筈だったのだ。
そんな擬似コアユニットから霊力が供給され、オウガの躯体を満たしていく。新たな術式が、新たな武装が、辰巳の脳裏に刻まれていく。
「よし。それで、自壊術式の準備は――」
この時、辰巳はようやくレックウの搭乗者の姿を見た。
そして、絶句した。
さもあらん。そこに居たのは、冥・ローウェルことファントム3ではない。
「や、やっほう」
半分目を回しながらも、片手を上げる銀髪犬耳の同級生。
暫定ファントム5こと、霧宮風葉だったのだから。
0
あなたにおすすめの小説
ラストアタック!〜御者のオッサン、棚ぼたで最強になる〜
KeyBow
ファンタジー
第18回ファンタジー小説大賞奨励賞受賞
ディノッゾ、36歳。職業、馬車の御者。
諸国を旅するのを生き甲斐としながらも、その実態は、酒と女が好きで、いつかは楽して暮らしたいと願う、どこにでもいる平凡なオッサンだ。
そんな男が、ある日、傲慢なSランクパーティーが挑むドラゴンの討伐に、くじ引きによって理不尽な捨て駒として巻き込まれる。
捨て駒として先行させられたディノッゾの馬車。竜との遭遇地点として聞かされていた場所より、遥か手前でそれは起こった。天を覆う巨大な影―――ドラゴンの襲撃。馬車は木っ端微塵に砕け散り、ディノッゾは、同乗していたメイドの少女リリアと共に、死の淵へと叩き落された―――はずだった。
腕には、守るべきメイドの少女。
眼下には、Sランクパーティーさえも圧倒する、伝説のドラゴン。
―――それは、ただの不運な落下のはずだった。
崩れ落ちる崖から転落する際、杖代わりにしていただけの槍が、本当に、ただ偶然にも、ドラゴンのたった一つの弱点である『逆鱗』を貫いた。
その、あまりにも幸運な事故こそが、竜の命を絶つ『最後の一撃(ラストアタック)』となったことを、彼はまだ知らない。
死の淵から生還した彼が手に入れたのは、神の如き規格外の力と、彼を「師」と慕う、新たな仲間たちだった。
だが、その力の代償は、あまりにも大きい。
彼が何よりも愛していた“酒と女と気楽な旅”――
つまり平和で自堕落な生活そのものだった。
これは、英雄になるつもりのなかった「ただのオッサン」が、
守るべき者たちのため、そして亡き友との誓いのために、
いつしか、世界を救う伝説へと祭り上げられていく物語。
―――その勘違いと優しさが、やがて世界を揺るがす。
大和型戦艦、異世界に転移する。
焼飯学生
ファンタジー
第二次世界大戦が起きなかった世界。大日本帝国は仮想敵国を定め、軍事力を中心に強化を行っていた。ある日、大日本帝国海軍は、大和型戦艦四隻による大規模な演習と言う名目で、太平洋沖合にて、演習を行うことに決定。大和、武蔵、信濃、紀伊の四隻は、横須賀海軍基地で補給したのち出港。しかし、移動の途中で濃霧が発生し、レーダーやソナーが使えなくなり、更に信濃と紀伊とは通信が途絶してしまう。孤立した大和と武蔵は濃霧を突き進み、太平洋にはないはずの、未知の島に辿り着いた。
※ この作品は私が書きたいと思い、書き進めている作品です。文章がおかしかったり、不明瞭な点、あるいは不快な思いをさせてしまう可能性がございます。できる限りそのような事態が起こらないよう気をつけていますが、何卒ご了承賜りますよう、お願い申し上げます。
攻撃魔法を使えないヒーラーの俺が、回復魔法で最強でした。 -俺は何度でも救うとそう決めた-【[完]】
水無月いい人(minazuki)
ファンタジー
【HOTランキング一位獲得作品】
【一次選考通過作品】
---
とある剣と魔法の世界で、
ある男女の間に赤ん坊が生まれた。
名をアスフィ・シーネット。
才能が無ければ魔法が使えない、そんな世界で彼は運良く魔法の才能を持って産まれた。
だが、使用できるのは攻撃魔法ではなく回復魔法のみだった。
攻撃魔法を一切使えない彼は、冒険者達からも距離を置かれていた。
彼は誓う、俺は回復魔法で最強になると。
---------
もし気に入っていただけたら、ブクマや評価、感想をいただけると大変励みになります!
#ヒラ俺
この度ついに完結しました。
1年以上書き続けた作品です。
途中迷走してました……。
今までありがとうございました!
---
追記:2025/09/20
再編、あるいは続編を書くか迷ってます。
もし気になる方は、
コメント頂けるとするかもしれないです。
【完結】大量焼死体遺棄事件まとめサイト/裏サイド
まみ夜
ホラー
ここは、2008年2月09日朝に報道された、全国十ケ所総数六十体以上の「大量焼死体遺棄事件」のまとめサイトです。
事件の上澄みでしかない、ニュース報道とネット情報が序章であり終章。
一年以上も前に、偶然「写本」のネット検索から、オカルトな事件に巻き込まれた女性のブログ。
その家族が、彼女を探すことで、日常を踏み越える恐怖を、誰かに相談したかったブログまでが第一章。
そして、事件の、悪意の裏側が第二章です。
ホラーもミステリーと同じで、ラストがないと評価しづらいため、短編集でない長編はweb掲載には向かないジャンルです。
そのため、第一章にて、表向きのラストを用意しました。
第二章では、その裏側が明らかになり、予想を裏切れれば、とも思いますので、お付き合いください。
表紙イラストは、lllust ACより、乾大和様の「お嬢さん」を使用させていただいております。
(学園 + アイドル ÷ 未成年)× オッサン ≠ いちゃらぶ生活
まみ夜
キャラ文芸
年の差ラブコメ X 学園モノ X オッサン頭脳
様々な分野の専門家、様々な年齢を集め、それぞれ一芸をもっている学生が講師も務めて教え合う教育特区の学園へ出向した五十歳オッサンが、十七歳現役アイドルと同級生に。
子役出身の女優、芸能事務所社長、元セクシー女優なども登場し、学園の日常はハーレム展開?
第二巻は、ホラー風味です。
【ご注意ください】
※物語のキーワードとして、摂食障害が出てきます
※ヒロインの少女には、ストーカー気質があります
※主人公はいい年してるくせに、ぐちぐち悩みます
第二巻「夏は、夜」の改定版が完結いたしました。
この後、第三巻へ続くかはわかりませんが、万が一開始したときのために、「お気に入り」登録すると忘れたころに始まって、通知が意外とウザいと思われます。
表紙イラストはAI作成です。
(セミロング女性アイドルが彼氏の腕を抱く 茶色ブレザー制服 アニメ)
題名が「(同級生+アイドル÷未成年)×オッサン≠いちゃらぶ」から変更されております
芙蓉は後宮で花開く
速見 沙弥
キャラ文芸
下級貴族の親をもつ5人姉弟の長女 蓮花《リェンファ》。
借金返済で苦しむ家計を助けるために後宮へと働きに出る。忙しくも穏やかな暮らしの中、出会ったのは翡翠の色の目をした青年。さらに思いもよらぬ思惑に巻き込まれてゆくーーー
カクヨムでも連載しております。
『専属メイド全員が重すぎる愛で迫ってくる!~大学生の僕、11人?の美女に24時間甘やかされ尽くす生活~』
まさき
青春
僕は、ちょっと普通じゃない日常を送ることになった――それは、専属メイドが全員僕のことを溺愛してくれる暮らしだ。
朝は髪を整えてくれるリナ、朝食で笑顔を見せてくれるミユ、どの瞬間も全力で僕を甘やかす。掃除、料理、悩み相談まで、僕のためだけに動くメイドたち。
「ご主人様の笑顔が見たいんです」
その一言で、僕の毎日はちょっとドキドキ、ちょっと幸せ。
全員が僕を独占したいと競い合う日常の中、僕はどうやってこの溺愛地獄(?)を生き抜けばいいのか――!?
甘々、至れり尽くせりの日常ラブコメ、開幕。
「作品への感想代わりの『いいね❤️』や『エール📣』、心よりお待ちしております。」
「【応援のお願い】『いいね❤️』や『エール📣』をいただけると、作者のモチベーションが爆上がりします!」
「最後までお読みいただきありがとうございます。温かい『いいね❤️』が更新の支えです。」
つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました
蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈
絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。
絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!!
聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ!
ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!!
+++++
・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる