BLエロゲの世界に転生したので、悪役の玩具になることにしました♡

NONAME

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11 - X日目

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ダミアン様のペットとなって数日が過ぎた。

朝、ペットベッドの上でぐんと背伸びをすると、首に嵌められた首輪がカチャリと鳴る。固まっていた身体をほぐすように背を伸ばしながら、俺は薄ぼんやりとした視界の中でご主人様ダミアン様の姿を探した。


二日目に目を覚ましたときには、すでに俺の傍からはトレードマークの瓶底眼鏡が消えていた。ダミアン様曰く「この部屋から出ない君には必要ないでしょ」と、のこと。
──俺は素直に、彼のサディストとしての才能に感服した。

眼鏡を失った俺の世界は、常に霞がかかったようにぼやけていて、手を伸ばせば届く距離にいるはずの物さえ輪郭が曖昧で確かめられない。──それは日常的に目隠しをされているのと同じで、俺は不安定な視界の中、彼の声や気配だけを頼りに動くしかなかった。
たったそれだけのことで俺は自由を奪われ、同時に、彼の存在が俺の中でますます大きなものになっていくのを感じていた。
俺の本能が書き換えられてゆく体感。無意識に彼の姿を探し、それで安堵する自分に、我ながら驚かされた。

う~ん♡ マジでもう戻れないくらい堕とされているかも♡♡

俺とって、ダミアン様の命令は絶対だ。
排泄ひとつとっても、必ず彼に申し出なければならない。最初は恥ずかしさで何度も我慢した。尿意を抑えるたび、初日のお漏らしの記憶がチラつく。しかしそれも、時が経つにつれて羞恥心が薄れ、催したら素直に口に出せるようになった。
ダミアン様も排泄行為自体を嗜好として愉しんでいるわけではない。勿論、トイレに同席しようともしない。ただ俺の自由を制限し、支配の構造を鮮明にするために課しているだけなのだ。

ダミアン様が留守にするのときは、手足を縛られて身動き一つ取れない状態で放置されることもあれば、何も命令されず、あまつさえ自由に読んでいいと本棚を解放されることもある。
その振れ幅に当事者としては毎回戸惑うのだが、結局のところ、ダミアン様は俺の秩序を壊すことに成功している。
彼の一挙一動に惑わされ、心の奥まで彼が住み着く。その事実に興奮する。
彼の命令は単なる気まぐれや退屈しのぎに見えて、どこかに試すような色があり、同時に玩具を転がすように楽しむ節があった。


──惨めったらしく這いつくばってよ。
──犬のように鳴いてみて。
──退屈だな、俺の靴を舐めれるかい。

床に額を押しつけ這いつくばると、背中を這う視線に身が熱くなり、思わず身体が震いた。
「くぅん」と犬のように鳴くと、声の震えに自分が晒される恥ずかしさと快感が入り混じった。
舌先で革靴を撫でると、革の匂いと土の香りが口いっぱいに広がり、暫く口の中の違和感が取れなかった。


彼の支配は、前世で味わったものとは圧倒的に異なった。
遊び、は自傷行為と大して変わらない。裏垢でSを自称する男たちと遊んでその時は身体は満足しても、ふとした瞬間に後悔して病んだりする。本来セックスなんて上級なコミュニケーションを、初対面の男とするのが間違っているのだ。そこに信頼関係など無いに等しい。俺を弄ぶご主人様は、虐げることさえできれば相手は俺じゃなくてもいい。だからそれを思い出して、自己肯定感も驚くくらいに下がる。だからと言って遊ばずにいることも出来ない。親にも友人にも口にできない趣味だった。自分を歪めて女性と付き合うことも出来なかった。
自分の嗜好に気付いた早い段階で、下手に肉欲を覚えてしまったのが悪かった。
俺の身体は本物のご主人様を持たぬまま数多の男たちによって開発され、快感を覚え、だからこそ虚空が残った。男と付き合っても、この趣味のせいで直ぐに破綻した。

だからこそ、空想に依存したのだと思う。
裏垢を作って、チヤホヤされて、あれが人生の最大の山場であったと思う。そのリアクションにのめり込んだ。投稿してから3分おきに通知を確認して。DMは山ほど来たけど、実際に会うのは一握り。Mってのを勘違いして、初対面でキモい要求送ってくる奴もいた。でも、満足だった。そう思い込もうとしてた。

【LOVE ONE】に依存したのも、その頃だ。ファンサイトで俺のハメ撮りがBL趣味の女性にも購入されることに気付いて、興味本位で月刊ランキング一位のソレをDLしてみた。
架空の世界で、架空のプレイ見て興奮した。だって、めんどくさいやり取りいらないし。キモいチン凸DMも来ないし。なのに、こんな理想的なレイプシーンを楽しめるのだから。
ゲームの中のキャラクターたちは女性向けとあって、モブでもブスじゃない。不快なく楽しめた。夜な夜な暗い部屋で、ヘッドホンつけて没入してた。

そうして現実から目を逸らして、空想に浸っていたのに。

ダミアン様は俺を作り替える。
転生してすぐに彼に抱かれることを目標にしていた俺は、ただただプレイをしたい!と意気込んでいた、愚かな空想好きのドMに過ぎなかった。
現実はもっと、もっと深いものだ。

彼はミラン主人公にしたみたいに、身分を逆手に俺を攫って、尊厳を奪って、支配して、弄んでる。ただ性的な遊びをしないだけ。それがこんな快感を呼ぶなんて、知らなかった。肉体的な交わりはないままに、俺の全てがダミアン様に作り替えられてる。
目覚めてすぐ彼を探す度、命令に疑問なく従う時、プレイじゃなく彼を求めてるって実感する度、全身に鳥肌が立つ。精神的な支配だけで、こんな気持ちいいなんて思わなかった。前世で持ち余してた心の空洞を、彼が埋め尽くしてくれるのだ。

──とはいえ、SEXはしたいかも。と変態の俺は思ってしまうのですが。

初志貫徹! 絶対にセックスしてやろうと寝起きから意気込んでいると、想像していたよりもずっと早く好機はあっさりと巡ってきた。
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